07/03/22 16:21:54 JgDjLJ+0
ジェフリー・ディーヴァー『獣たちの庭園』(文春文庫、2005)【7.5点】
アメリカ海軍情報部の密命によって、オリンピック直前のベルリンに
送り込まれた犯罪者ポール。あるナチス高官の暗殺を依頼された彼だが、
ベルリン到着直後に殺人事件に巻き込まれ、当局の執拗な追跡を受け・・
ノン・シリーズの歴史サスペンス。SS、ゲシュタポ、クリポの追跡を
かわしながら、ターゲットのナチス高官にせまる。ひと癖ありそうな
裏町の顔役とのやりとりや、元国語教師とのロマンスなど、密度は濃い。
当局の動きについて軽い疑問をいだきながら読みすすめ、ある時点で
「ディーバーだなあ」と思い知るものの、ツイストはやや控えめか。
それでも詳細な時代背景といい、印象深い人物像といい、高度安定の良作。