07/03/17 11:36:53 sE0/zsCu
荒らし目的のアホ連中がはしゃぎ過ぎたようだな(w
>>327のアホが>>331のアホにどんなレスを返すのか、果して返せるのかが問題だが(w
見物である。
講義を続けましょう。
ライオネル・デヴィッドスン「チベットの薔薇」を読んだ。
扶桑社ミステリーからの刊行物ではあるが、ミステリというよりは、
1950年代初頭、まだ神秘の国であり政情不安でもあったチベットを舞台
にした冒険色・伝奇色が濃い作である。
主人公が元女子高の美術教師という冒険小説には珍しい設定、
ガイド(少年)の案内が無ければ山越えも不可能な程の優男なのである。
以上、それなりにエンタメ好きをそそる内容なのであるが、正直言うて期待外れ、
チベットでの冒険談が始まるまでの前置きが長過ぎるうえに、
最大の見せ場である中国軍からの逃避行が後半の一部分に過ぎないのは物足りない
ものがあり、その顛末も拙速な感がある。
また、物語のコンストラクションとして、冒頭から主人公の生還を記し、
現況まで語ってしまうのは、どんなものであろうか。
発見された手記の紹介という形で、最終的な顛末は伏せて綴っていった方が、
少しはスリリングな物語足り得たのではないだろうか。
私なら、この点でライオネルに文句無しの駄目出しをしていたかと思う。