07/02/26 00:26:09 rmJJvlM1
「目くらましの道 上・下」へニング・マンケル(東京創元社:創元推理文庫)
斧などで殺し、死体の頭皮をはぐという、猟奇的な連続殺人犯を
お馴染みのイースタ署の刑事たちが、試行錯誤しながら追い詰めて
ゆく。
構成がうまい。
冒頭で起こる少女の焼身自殺事件が、いつ頃、メインの事件に
かかわってくるのか、連続して殺される人々のつながりは何か、
そもそも犯人の動機は一体?・・・様々な謎が、ちょっとした
きっかけから解明されていくところは、まさにミステリーの
醍醐味で、最後までまったく飽きさせない。
2分冊で分厚いが、一気に読めた。
個人的には、シリーズ中、一番読みやすかった。
スウェーデンの季節描写もよい。夏から秋への季節の移り変わり
と、主人公のクルト警部の心情が重ね合わされていて、ぐっと
きた。