07/08/29 23:48:06 A2/zKjLp
「―つまり、辻村さんは幼い頃カメレオンの遺伝子を組み込まれていたんですよ」
と、清涼院流水は言った。
「で、擬態して犯行を行ったと?」
霧舎巧は呆れた風に返した。
「いいえ。そもそもカメレオンはその起源を紀元前―うんぬんかんぬん」
流水はひとしきり語り終えると、
「―というわけで、辻村さんには全方位視野が備わっていたのです……おや?」
すでに霧舎はその場を離れていた。
「どうやら、この謎は学園の特殊な立地条件、およびその構造を理解しなければ解けないようだ」
廊下を歩きながら、霧舎は呟いた。
「この学園は外から見た場合九十九階建てだが、実際数えると九十八フロアしかない。これはどういう……」
とその時、ふいに辻村が現れた。
「まさか、カメレオンに気がつかれるなんて。でも、清涼院ならすでに九十九階で死んでるよ」
そうして、白い歯を剥き出した。