08/11/30 16:59:10 3cDbuDmR
>>468
元々海外古典モノってのはトリックに過度の期待をしないほうがいいと思うよ。
近代の新作を読みなれていると、古典ってのはやっぱり古典であるわけで、
近代ミステリの基礎となる骨格みたいなものだから藤原の本を読んでいなくても
読んでいる途中に「これは~~じゃないの?」って気づくことは多い。
で、それを「陳腐なトリックだ」とか「しょーもない」とか思ってしまうとそれで話が終わってしまう。
これはまるで畑違いの分野だけど、ニュートンがフックに書いた手紙に
「シャルトルのベルナールいわく、われわれは巨人の肩に乗った小人のようなものだ。
当の巨人よりも遠くを見わたせるのは、われわれの目がいいからでも、体が大きいからでもない。
大きな体のうえに乗っているからだ。」
これはミステリでもほかのどのジャンルにでも言えることだと思う。先人には敬意を払うべし。
そういう意味では藤原なんかも小学生に推理小説の興味を果たす、という意味では
一定の功績はあったと思う。作家泣かせであったから業界では嫌われていただろうけども。
そのあたりのモラル意識の低さもまた「推理パズル本の古典」だからこそ許される世界なんだろう。
で、古典に対しては格調の高さとか、その当時のミステリが放っていた鮮烈な香りを楽しむのがいいと思う。
まだらの紐なんて陳腐もいいところなトリックだけど、俺はホームズが大好きだよ。それでいい。