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北海道新聞 2009年6月12日(金)夕刊7面 文化
(魚眼図) マンガと国策
日本の現代文化の拠点となるのか、国営の「マンガ喫茶」を設置するのか。
「国立メディア芸術総合センター」(仮称)の設置をめぐって、賛否両論が巻き起こっている。
2009年度補正予算に117億円を計上し、設置を決めた文化庁は、メディア芸術を
「映画、マンガ、アニメーション、CGアート、ゲームや電子機器等を利用した新しい分野の芸術の総称」と定義している。
今回の設置をめぐっては、民主党の鳩山代表が国会で何度も批判し、初めての麻生首相との党首討論でも、
「首相のマンガ好きは知っているが、マンガ喫茶を国が圧迫するだけ」と批判している。
メディア芸術をマンガとアニメだけに焦点を置いて批判するその論点には疑問は残るが、
マンガという独自な文化を擁護するする人々からも、国が単なる立ち読みマンガ図書館を作るだけではないかといった批判が相次いでいる。
1977年、フランス政府は、それまでの歴史的な芸術殿堂であるルーブル美術館と対を成す
現代美術の未来を見据える役割を、「ポンピドーセンター」の設置に託した。
フランスの芸術文化は古典のみならず、現代の最先端表現にまで及んでいることを内外に示したのだ。
その際、権威的な伝統芸術擁護論や大衆芸術を権威化することを批判する論争が起こったことを思い出す。
単なる箱ものを作るのではなく、アニメやマンガも含む、日本の現代文化を世界に提示し、
わが国独自の文化芸術の擁護者たる国の役割が真に問われている。
(武邑光裕・札幌市立大教授=メディアデザイン)
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