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「ゼロ年代の批評」のこれから─宇野常寛さんロングインタビュー
宇野:高校のときのグループからは浪人時代から徐々に疎遠になっていきました。メンバーの半分くらいが
ひきこもりのギャルゲーマーになっていったんです。
荻上:インドアなライフスタイルに変わったと。
宇野:それで楽しければいいんですよ。僕は当時浪人生で、親から勉強しろばっかり言われていて、
一人暮らしで毎日家でゲーム三昧なんてうらやましくてしょうがなかった。
でも、奴らは死んだ魚のような目でプレイしているわけですよ!
荻上:ギャルゲーは基本的に、死んだ魚のような目でやっていいものでしょう(笑)。
一人ではそこまで生き生きとプレイするものじゃないですし、RPGだって淡々とレベルを
上げたりと反復作業の時間が長いわけだし(笑)。
宇野:いや、本人たちが「辛い」んですよ。「お前さ、ほんとうにこういう生活でいいの?」って聞くと、
5回中4回は自分に言い聞かせるように「いいんだ」と答えるんだけど、1回は「本音を言うと死にたくなる」
と答えるわけです。だって、わざわざギャルゲーをやりこむような人間が女の子と付き合いたくないわけがない。
悲しかったですね。寮の頃はテレビもゲームもインターネットもない環境だったけど、
アイデアと積極性でいくらでも面白いことを見つけられた。でも、寮から放り出された途端、
恋愛しか生きがいがなくなってしまって、それが適わないからといっていじけてしまうわけです。
宇野:別にアニメばっかり観ていたり、ドラマばっかり観ていたりする人を批判するわけじゃないですよ、
仕事が忙しい人も居るし、僕がとやかく言うことではない。「スイーツ(笑)は敵」とか言い出すのがダメで、
トライブ意識があっても他人を攻撃しなければそれでいいと思いますよ。
話し手・宇野常寛: 早川書房「SFマガジン」で『ゼロ年代の想像力』を連載中、評論家。
聞き手・荻上チキ: 著書『ウェブ炎上』・自身も炎上経験
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