10/02/04 21:45:55 p8CiTSwL
前に貼られたやつ
「そして彼女は途方に暮れる」
好き好き大好き彼が好き!
なーんてことを言う日が来るとは夢にも思わなかったけど、実際にきてしまったのだからビックリだ。
人生山あり谷あり、摩訶不思議。ときに、予想もつかないことが起きてしまうらしい。
中学三年生。十五歳の秋。
あたし、堕花光は、とある人に恋をした。
出会ったのは数ヶ月前。あたしが彼の前に立ち塞がり、いきなりハイキックをお見舞いしたのが始まり。
何故そんなことをしたのかというと、彼がうちのお姉ちゃんをたぶらかす鬼畜野郎だと勘違いしていたからだった。
最低の遭遇。最悪の初対面。にもかかわらず、その後、険悪にならなかったのだから奇跡だ。
ひょっとしたら、あたしと彼には、何か運命的な繋がりでもあったのかもしれない。
とにもかくにも、二人は出会い、お互いを知ることになった。それからいろんなことがあった。
彼のいろんな姿を見たし、あたしの色んな姿も、彼に見られた。泣いているところも、見られた。
成り行きで、キスもした。そしていつの間にか、彼はあたしにとって、気になる存在になっていた。
特別な存在になっていた。
(中略)
・・・忘れよう。早く忘れよう。
光は自分にそう言い聞かせると、柔らかな枕に顔をうずめ、毛布を深く被り、もう一度目を閉じた。
そして祈る。強く強く祈る。
今度は、いい夢が見られますように。今度は、いい夢が見られますように。いい夢が見られますように・・・・・・。