09/12/15 22:10:12 7wJVVgOR
「こんなこと、誰にでもする話じゃありません」
少女は声の震えを抑えることができなかった。
関谷淳の記憶は少女の心の一番繊細な部分であり、
それを話すことは裸を晒すにも等しい。
一生添い遂げるほどの覚悟なしにできることではなかったのである。
それをこの朴念仁は―。
「すまん」
突然聞こえた言葉に少女は顔をあげた。
みると先ほどまでの横着な態度はすっかりと消え、断罪を待つ表情に変わっていた。
どれだけ無頼を気取っても所詮は男子高校生。
女性を傷つけて心安らかでいられるはずがない。
「責任、取ってくださいね」
そう言ってやったらどんな顔をするだろうか。
少女の口元に薄く笑みが浮かんだ。