09/09/05 21:19:11 xLX13Aj+
西尾維新『クリエイターの十戒』
一、己の創造物を作品と言ってはならない(思い上がりもはなはだしい)
二、他者の創造物を批判してはならない(同右。転じて、自己批判を怠ってはならない)。
三、創造に時間をかけてはならない(時間よりも値打ちのある創造物などない)。
四、己の創造物を解説してはならない(説明が必要なものは未完成である)。
五、自分のほうが先に考えていた、と言ってはならない(むしろ先に考えておきながら後塵を拝した不明を恥じよ)。
六、昔から温めていた発想を使用してはならない(発想は常に新鮮に。熟すとは腐るという意味だ)。
七、失敗の言い訳をしてはならない(失敗に言い訳の余地はない)。
八、受け手を批判してはならない(批判はされるものであってするものではない)。
九、受け手を選んではならない(選ばれるのは常に自分)。
十、造物主を名乗ってはならない(それは呼称であるべきで自称するべきではない)。
(宝島社『このライトノベルがすごい!2006』より 西尾維新インタビュー)
・「ライトノベルと認識されても抵抗はないです。悪意がある場合は別ですが(笑)」
・「僕の作品は「ボーダーズ」。ラノベと一般文芸を超越し止揚したもの」
・「僕の作品は「造語系」。文章表現が普通と違って独特だから、一般文学としては化けるか干されるかでしょう」
・「僕の行き先にはたまたま道が開かれていたから戯言シリーズはここまでの作品になった。これはアレキサンダー大王と似ている」
・「僕は小説家ではなく文章家。小説家とは呼ばれたくない」
・「僕はあくまでたたかわない」。今後現れるであろうまだ見ぬライバル・小説家の卵たちに送る言葉らしい。負けの美学らしい。
・「4年間応援ありがとうございました! 西尾先生の次回作にご期待ください!」
インタビューを閉めくくった言葉。戯言シリーズが足掛け四年で完結したため。