竹宮ゆゆこ91at MAGAZIN
竹宮ゆゆこ91 - 暇つぶし2ch292:イラストに騙された名無しさん
09/02/10 00:12:35 Q/CUsZOS
「よっ!あーみん、久しぶりだね」「あら実乃梨ちゃん、しばらくぅ~」
抜けるような青空の下、街路樹の新緑に負けないほどの眩い笑顔で
亜美に声を掛けてきたのは実乃梨だった。
「あれぇ~、逢坂さんは一緒じゃないの?」
ん?と一瞬訝しげな顔をした実乃梨は、すぐににっこり笑って亜美の背後を指差した。
振り返ってみると、向こうから大河が歩いてくる姿が見えた。
相変わらずのフリフリのワンピース。
遅れるのを気にしてもいないのかゆっくりと歩いてくる。
と、思ってみていたらこちらを見つけたのだろう、急に駆け出して来た。
「みっのり~ん!」
傍らの亜美は無視して実乃梨に飛びつき頭をこすり付けている。
「ちょっとぉ、あたしには挨拶無しなの?ち・び・と・ら」

「でもさぁ、あいつらトントン拍子だったよねぇ」
両手で抱えたカップの縁をジッと見つめながら実乃梨がつぶやいた。
そんな実乃梨を横目で見ながら、亜美はラテのフォームを一舐め。
「まぁ、2人とも片親だからね。早く家庭が欲しかったんじゃない?無意識で」
大河は何を考えているのか、ボウルカップのカフェオレを眺めながら無言のままだ。
そんな大河を見て実乃梨と亜美は思う。大丈夫か?こいつ、と。
あれから1年以上過ぎてるとはいえ、明らかに1番ダメージをくらったのはこの大河なのだから。
「あのさ、大河…」
見かねた実乃梨が大河に話し掛けようとしたときに、それをさえぎるように
亜美が大河の目の前で手をヒラヒラ振った。
「あんたさぁ、大丈夫?せっかく3人で揃ってお祝いも兼ねて赤ちゃん見に行こうってんだから、
あいつらの前に行ってもムッツリしないでよぉ」
怒るかと思いきや、静かに亜美を見た大河は
「わかってるわよ、ばかちー」とカフェオレをズズーと啜ってみせる。
「大河よ。行儀の悪い音を立てるでないぞ」
大河を叱りつつ、それにしてもと実乃梨は思う。
こうやって3人でお茶することがまた出来るようになるなんて、あの頃は考えられなかったなぁ。
ふとしたそんな思いは亜美も同じようで、顔を見合わせて思わずフフフと笑ってしまう。
そう、こんな風に3人で集まって、先日出産した元クラスメイト達の赤ちゃんを見に行こうだなんて。


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