09/02/12 15:29:04 fvMxlM3h
ロクメンダイス、 著者:中村九郎 富士見ミステリー文庫
この小説は…文学だ…
Fateが文学と言われているが、文学の称号はこの小説に捧げたい…
なんと!主人公は自分の描写を小説のように描写するのだ!
そうしない限り自分を見失うと言う親切設定には頭が下がる。
本人曰く質素であるほうが良い文章を楽しんで頂きたい。
主人公がこう言っているのだから、この作品は文学なのだ。
本文を抜き出すと、このような感じだ。
なぜか、窓から入る新しい光の新鮮ささえ心地よく、いつもと変わらない六時間授業の日時に前向きになれた。退屈なチャイムとチャイムの間にすら何かが待っている気がする。
それは飽きたオレンジジュースに炭酸を注ぎ込んだような爽やかな期待感だった。
どこから来たのか存じませんが。まぁまぁ遠い所へ。何もない荒んだぼくの心ですが、よくぞおいでくださりました。さぁさ、期待感さん、こちらへどうぞ。
と、素晴らしい文学振りを見せてくれるのだ…この文章で何かを感じ、ほんの一瞬だけでも交錯を感じたのなら、この本を手に取って欲しい。
本文のみならず、作者紹介やあとがきでもこの文章を心置きなく発揮してくれる辺りに、九郎氏の素晴らしさがわかるだろう。