10/05/29 04:40:47 1QRzexOI
［５月２９日］
一の倉裕一氏の『シンクロニシティ・ゼロ』を読了。「文句なしの傑作」と文庫の帯にあったが、
文句は山ほどある。展開が遅すぎる。何で８０Ｐも事件が起きない？
事件発生の昼休み、木佐薙令がツンツンして主人公に当たるから妙に展開が遅滞するのだ。
立川学園の生徒など、この話では“その他大勢”の存在で、
邪魔でしかないのだから、思い切って削除してしまえば良いのだ。
それで、もっと格段に早く事件が起こせる。木佐薙令と神宮寺隼人で出かける設定にし、
どうでも良い学園メンバーの代わりに、もっと神宮寺に気のある女を描き込むべきだろう。
それにしても、作中で描かれる超進化生物のド間抜けぶりには呆れ果てる。
神宮寺がエピノーム・スーツ姿になって、戦闘力５か、５３万もあるのか、
区別がつかないわけがないではないが、臍が茶を沸かすくらい可笑しい。
更に、どれほど強大な木佐薙令にしろ、１００匹もの追手を送り込んできて、
木佐薙令に傷ひとつ負わせられない、だって？ あまりにも馬鹿馬鹿しいナンセンスな設定。
超進化生物を底なしの間抜けに設定して凡庸な神宮寺を名ヒーローに見せかける手法からライトノベル作家が抜け出さない限り、
日本のライトノベルは滅びる。神宮寺の色恋に関しては、即座に分かった。
「度肝を抜かれる」とか「ショッキングな真相」との自作自演丸見えの評にあったが、即座に見抜けては何の衝撃もない。
私もけっこう使うトリックだが、ＨＪ文庫伝統の“パンツで何かやらかしてしまう”裏設定を疑えば、
第２の事件が起きた時点で全ては明白に読み通せる。そうなると「木佐薙令の強さ」の謎も、付け足しにしかならない。