08/08/31 01:43:38 Q+ZQGyF6
>>24
あるんだ。じゃあ貼ってみよっかな。同時進行で書いたこっちはエロパロ無しだから貼ってもいいよね?
いよいよ今日はホワイトデー。緊張していたら、僕は眠れなかった。
「行ってきます」
お母さんに声をかけ、ぼくは家を出る。
何故だろう。徹夜明けで疲れているはずなのに、全然眠たくない。
いつもの通学路を進んで行くと、かつてぼくたちが待ち合わせていた場所に、琴吹さんが俯いたまま佇んでいた。
「琴吹さん」
ぼくは声をかける。
「あ……」
琴吹さんは少し不意をつかれた様子だったが、すぐに弱々しく微笑んだ。
「おはよう、琴吹さん」
「おはよう、井上。……今日は何の日か覚えてるよね」
「その事なんだけどさ……」
言いかけて僕はふと、琴吹さんがやつれている事に気が付いた。
遅すぎた如月の木枯らしがぼくたちを包み込み、二人の間に沈黙が流れる。
「……わかってたから」
「へ?」
突然琴吹さんが呟いた。
「あたし……わかってたんだ。井上は、あたしよりも、遠子先輩の方が好きなんだよね。あたしの事、ななせって呼べないんだよね……」
琴吹さんの瞳から、ぽろぽろと涙がこぼれる。