08/03/28 02:39:03 TbDkO3G8
ある日曜の午後。わたしが,いつものゴルフ場の第二ホールでプレーしている最中のことだった。緑色の大きなカエルに出会ったのは。カエルはこんな風に鳴いていた。
「ケロケロ。ナインアイアン」
わたしは,冗談気分でナインアイアンを選んだ。
─その結果は,バーディ!
わたしは,カエルを見つめた。カエルはそしらぬ顔で「ケロケロ。ラッキー。ラッキー」と鳴き続けている。わたしは,半信半疑の気分でカエルを掌に乗せて,次のホールへ向かったのである。
「ケロケロ。スリーウッド」
─なんと,ホールインワンだった。
その日,わたしは,神懸かり的なスコアーで,生涯最高のゴルフを楽しんだのである。
二日後。
わたしは,会社を無理矢理休んで,ラス・ヴェガスにいた。もちろん,例のカエルもいっしょだ。
「ケロケロ。ルーレット」
さっそく,カエルの指示にしたがって,わたしはルーレットのテーブルに座ったのである。
「ケロケロ。クロの6」
それは,100万分の1の確率である。しかし,わたしはカエルを信じて,有り金全てをチップに変えると黒の6に賭けた。結果は,大当たり。
チップの山が,テーブルの向こうから押し寄せてきた・・・
その晩。
わたしは,ラス・ヴェガスのホテルの一番高い部屋に泊まっていた。
「ありがとう」わたしは,神妙な面持ちでベッドの上に座っているカエルに頭を下げた。「何とお礼を言ったらいいものか...」
すると,カエルはこう鳴いたのである。
「ケロケロ。キス。キス」
もちろん,いくらなんだって,カエルとキスするなんて趣味じゃない・・・しかし,相手は大恩ある不思議なカエルである。わたしは,ひざまづいてカエルにキスした。
一瞬,眩しい光がカエルを包み込み,やがてカエルは,美しい14歳の美少女に変身したのだった。
「・・・というわけで,あの少女がわたしの部屋にいたのです。裁判長」