08/01/18 22:09:17 i+s0mXC2
>>364
ニョッヒラへと向かう道中の事。急にホロが耳をそばだてた。
「どうした?」
「しっ。...泣き声じゃ」
ホロはそう言うと、馬車から飛び降り、真っ直ぐに森の方へ走っていった。
訳がわからないといった呈でロレンスは馬車を止め、ホロの走っていった方角を見つめるだけであった。
それからしばらくして、ホロが腕に何かを抱えて戻ってくるのが見えた。
「おお、よしよし」
「ーーー何だ、それ」
「可愛いじゃろう?...親にはぐれたのかしらん。なあぬしよ、しばらくこの子を連れて行ってはだめかや?」
ホロの腕の中には狼の子供が抱かれていた...
「大きくなったらわっちみたいな美人になるぞ?」
そう言って笑うホロ。
「でも、」
牙がのぞく。
「浮気は許さぬからな?」
ロレンスは大きく溜息をついた。