08/03/17 20:57:53 uzz5KePu
>>934の改善版。やっぱり難しいな褒めちぎりw
私はなぜその本を手にとったのだろう。それはある作家の新シリーズものだった。
私は「お手並み拝見」と心の中で呟いてそれを購入した。既巻七巻あるアニメ化決定シリーズを買い揃えるより、より効率的に作者のレベルを知ることができればと考えながら。
********************************
この本の主人公は非常に喧嘩が強い。数人の不良などものともしない実戦スキルを持っている。
オマケに彼は変身ヒーローになっちゃうのだ。身体能力も向上。向かうところ敵なし。ぶっつけの初陣も難なく勝利と、不安を抱かせない。
主人公は、突然人外になった己の体に対しても特に苦悩することは無い。幼なじみが守れればあとはどーでもイイのだ。
この山も谷もない筋は実に心臓にいい。何と良心的で慈悲に満ち溢れた作者だろう。感動を禁じ得ない。
黒幕は始めから登場していて、目的もハッキリしている。しかもなぜか危ないところを助けてくれたり、繰り出すザコキャラは必ず一度は見たことがある感じ………
そう、一昔前の特撮モノを見る感覚だ。何というデジャ・ビュ。郷愁の念に駆られる。
また、本作は相槌率七割増(当社比)の会話によってページの下半分をメモ帳として使用可能だ。
資源をムダにしない配慮がニクい。作者は環境にも優しいのだ。SOY INKを使えば完璧だったが、それは高望みというものだろう。
読者は思考停止してAll OK。文章の波間に揺られ、流れに任せれば一時間程度で読了。余った時間の有効活用ができる。
非常にライトな読後感。これはライトノベルを超えたエクストラライトノベルあるいはウルトラライトノベルと呼ぶのが相応しい。
透明水彩を生かしたイラストと相まって、読み終えて本棚に収めた瞬間から、非常にクリアな独特の存在感を放つこと間違いなしだ。
あるいは作者の狙い通りに、メモ帳として活用したり、窓から投げ捨て菌糸類の苗床とするのもいいだろう。
P.S.
私はまだ「我が家のお稲荷さま。」を購入していない。貧乏だからだ。
あるいは作者に当てられたのか、「我が家のお稲荷さま。」を買うくらいなら環境保護団体に募金した方がマシだと思うようになったからかもしれない。
あ、断章のグリム新刊で揃えました^^
ぜふぁがるど(柴村仁/ふゆの春秋/電撃)でした。