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ガンズハート 電撃文庫 鷹見 一幸
「キノの旅」「サモンナイト」の黒星紅白や
「ダブルブリッド」「魔界戦記ディスガイア」の原田たけひとといえば、
当時の電撃文庫では看板的存在であったといっても過言ではない。
そのため、当時の電撃文庫出身イラストレーターは二匹目のドj…
彼らの恩恵にあやかろうとしてか、彼らのタッチを真似た画風が続出した。
「半分の月が昇る空」で名を為した山本ケイジ氏や
「しにがみのバラッド。」の七草氏の絵を見た過去の自分が本人だと勘違いして
レジに本を持って行ってしまったのも、今となれば良い思い出である。
ところでそんな風潮の中、一人のイラストレーターが電撃文庫に彗星のように現れる。
まだ早熟すぎる才能を補おうとした氏は敢えて自らの画風を捨て、
黒星紅白氏の絵柄をパク…参考にすることによりその才能を開花させたのである。
氏が挿絵を担当した「ガンズ・ハート」を読めば、
キャラクターのバランスを崩しながら、キャラクターの感情を現そうと
必死に努力している姿を見ることが出来る。
「ガンズ・ハート」は王国に見捨てられた辺境で突然百人隊長に抜擢された
街の不良少年が気合とか根性とかでなんとかかんとか辺境を護っていく物語である。
主人公・ケリンの姿は氏が不器用ながらも電撃文庫の売り上げ増の為
努力している姿と不思議にオーバーラップしないだろうか。
「黒星紅白絵だとおもって買っちゃった!」というウッカリさんに冷や水を浴びせ、
「もっとしっかり、落ち着いて生きていかねばならいよ」という教訓を与えてくれる、
実に教育的な1冊である。