08/01/12 12:04:50 KhscpmNZ
二条軍の本陣で乃梨子は悠然と戦況を眺めていた。
可南子「前方は小笠原本陣、左右、背後とも敵に囲まれ身動きできません！」
乃梨子「何の働きもないまま負けたとなっては二条家の名誉に関わる。私をただの仏像愛好家と思われるのは心外だわ。最後に目にものを見せてやりましょう。」
ほぼ勝利を手中に収めた小笠原軍は浮かれていた。
そんな時、慌てた伝令が走りよってくる。
桂 「二条勢が我が本陣に突撃してきます。その勢いは凄まじく次々に突破されています。」
令 「 乃梨子ちゃんも思い切った事するもんだね。勝ち気な子だとは思っていたけど。」
祥子「上等じゃない。小笠原の精鋭三万騎の実力を見せて差し上げるわ。」
祥子の自信に満ちていた顔は、鬼のような形相に変わっている
桂 「駄目です。止める事が出来ません。もう本隊の目の前に迫っています。」
祥子「そんなこと見れば分かるわよ。何をやっているのよ。高々５０００じゃない。小娘相手に情けないわよ。」
その時、敵の本陣から力強い声が聞こえてきた。
二条軍は本陣のすぐ目の前まで迫っていたのだ。
乃梨子「小娘というのは聞き捨てなりませんね。祥子様。２年しか違わないじゃありませんか。」
祥子「戦国時代の２年は大きいのよ。 乃梨子ちゃん。今から私が指揮を取るわ。海道一の弓取りと言われた。私の戦ぶりを味わうといいわ。」
乃梨子「それは遠慮しておきます。一矢は報いましたから。」
二条軍が踵を返し、先ほど突破して出来た道を颯爽と駆け抜けて行く。
令 「やられたわね」
祥子「・・・覚えていなさいよ」