07/07/03 01:27:22 eQMowYXi
>>103
カリーニンは目的と手段を分けて行動することが出来る希有な存在として描かれている。典型的な成功者の像。
それを鑑みるにカリーニンという男の行動原理はつまるところ自己愛につきる。彼の究極の目的は自分とSEXすることなのだろうね。
そのためにはソースケに自分と同じ段階に入ってもらう必要があり、物語の背景と現実が彼にそれとその結実を要求する。
そこでそれにはソースケがカリーニン自身と同じ道程を経ることではなく、要素を分解した上で関係を保つことが十分となる。
カリーニンという男の一見合理的でなはない不明な行動もこうした原理が働いていると言えよう。
作者の見えざる手によるカリーニン像への哲学的投影がゲーム理論を超えた行動を合理化しているのだ。
物語を進める上での都合といった要素は問題ではなく、また物語という枠組みも(その関係外においては存在するが)排される。
カリーニンの裏切りという道具立てにはそのような挑戦が意図されているのだ。