07/08/03 13:12:47 OKJZve0T
「ごきげんよう」「ごきげんよう」
マリア様の見守るお庭の下で乙女達は、今日もさわやかな朝の挨拶を交わすのだが
天使のような無垢な笑顔は影を潜めており、この日に限っては皆一同に沈鬱な表情を浮かべていた。
まるで葬儀場に向かう列のようである。
一年に一回のお祭り、マリア祭の時期だというのに。
それはおそらく、このような噂がまことしやかに囁かれていたから。
「きっと今年も――姉妹が消える」
いつからだろうか、「血塗られたマリア祭」として恐れられるようになったのは。
どういうわけか、マリア祭の日に必ず、姉妹が揃って失踪するのだ。
まれに姉妹のうち片方が発見されることもあったが、既に息絶えた後であった。
リリアンを逃げ出そうとする者へのマリア様の祟りだと噂されているが――今年も祟りは起きるのだろうか？
祟りを恐れた生徒達は、今年も全員出席、一見するとマリア様への信仰心は一層強まっているようにも思える。
――そして今年もマリア祭が始まった。
祥子にロザリオを返した祐巳の真意。
祈りを続ける白薔薇の背後に迫る陰。
死亡フラグを立てまくる令と由乃。
裏で糸を引く小笠原グループの影。
リリアン学園で目撃された静の姿。
栞の転校は仕組まれたものだった？
陰謀か？祟りか？偶然か？
乙女の園を襲う奇怪な事件に主人公・聖が立ち上がった。
今年もまたマリア像は、血の涙を流す――
「マリア様の泣く頃に」 近日発売未定