07/07/09 23:09:00 wOxfQjfO
祐巳「お願いです。これ以上メリーさんに近付かないでいただけませんか」
聖「は？」
祐巳「白薔薇さまは子猫の頃と同じに思ってらっしゃるかもしれませんが、 メリーさんはもう以前のメリーさんじゃないんです」
聖「言っている意味が」
祐巳「そりゃ、以前はカラスから守ってくださったのかもしれない。メリーさんだって恩を忘れてはいません。でも」
聖「ちょっと待って。…ゴロンタ、どうなの。この子が言っている事は」
ゴロンタ「祐巳の言うとおりです」
聖「……ゴロンタ」
ゴロンタ「ゴロンタって呼ばないで下さい。私はもうでぶの子猫じゃないんですから。小さい頃から大っ嫌いだった。その呼び名。 高等部からあなたが出ていってやっと忘れることが出来たのに。…紅薔薇の妹がもたもたしてるばっかりに…」
祐巳「え、それは…」
ゴロンタ「バス停で待ち伏せするし。ことある毎に、お話に首をつっこんでくるし。その割りに筋に絡まないし。
おかずの猫缶を勝手にかすめとるし。プシプシ息を立てて呼ばれた気にさせて振り向かせるし。
昨日なんて、何も持ってないのに手を差し出して、つい騙されて匂いを嗅ぎに行ったところに不意打ちでタバコを嗅がされるし。もう、我慢できません」
聖「――」
ああ。そう、そうだったのね。私が、ゴロンタの傍にいたのは、ただの邪魔でしかなかったわけね。