07/07/07 00:40:43 LbrKCIgl
瞳子「お願いです。これ以上乃梨子さんに近付かないでいただけませんか」
志摩子「は？」
瞳子「白薔薇さまは桜の咲く頃と同じに思ってらっしゃるかもしれませんが、
乃梨子さんはもうリリアン入りたての乃梨子さんじゃないんです」
志摩子「言っている意味が。リコ、どうなの。この子が言っている事は」
乃梨子「瞳子の言うとおりです」
志摩子「……リコ」
乃梨子「リコって呼ばないで下さい。小さい頃から大っ嫌いだった。その呼び名。
『お利口さんだからリコちゃんね』。そんなんじゃない、…私はそんなのじゃないのに。
千葉から出てきてやっと忘れることが出来たのに。…ﾀｸﾔ君があなたと知り合いだったばっかりに」
志摩子「それは…」
乃梨子「桜の樹の前で待ち伏せするし。ことある毎に銀杏拾いや環境整備につきあわせるし、
おかずの銀杏を勝手に押しつけてくるし、もう、我慢できません」
志摩子「――」
ああ。そう、そうだったのね。私が、リコの傍にいたのは、ただの邪魔でしかなかったわけね。