10/05/12 03:51:19
この流れだと複数の人に興味もってもらえるかもしれないので、
ちょっとカキコします。
福岡県鞍手郡鞍手町に「浄土宗 亀甲山 長谷寺」というお寺が
ある。ここには行基が楠の霊木で作らせた3体の十一面観音の一つ、
とされる十一面観音立像がある(他の二つは奈良と鎌倉の長谷寺)。
ちなみに旧国宝・現国指定重要文化財。ご開帳は毎月17日・18日
の御縁日と7月10日の四万六千日。他にも古い十一面観音の坐像が
あって平素はこちらにお参りする。
で、ここは浄土宗なんだけど、お参りの際には「おん まかきゃろ
にきゃ そわか」と御真言を唱えることになっている。これは参拝
者たちの間で勝手にやってるのではなく、寺のしおりにも観音堂の
掲示にもある、いわば公式のお作法。御仏前には般若心経の経典が
備えてあり、小さな観音経・般若心経の合本も売られている。あと、
面白いことに縁日などには寺の入口でお酒が売っていて、観音様に
お供えしたあと持ち帰ることになっている。
さて、一体何故浄土宗でそんなことがという話だけど、これはほぼ
>>598さんの言うとおり。このお寺は最初大和の初瀬寺(即ち奈良
の長谷寺)にいた萬貨上人という弘法大師の法弟が仁和元年(西暦
885年)に開基したとされる。貝原益軒の『筑前国続風土記』にも
「むかしは真言宗なりしが云々」とある。その後永禄・天正年間に
二度火災にあい、明暦2年(西暦1656年)に残雪という浄土僧が
再興した、のだそうな。それで今でも観音様のお祭りは古い記録に
従っていにしえのしきたり通りにお供え物をしているらしい。大祭
には宗旨問わず全区民がご奉仕し、出店も出て賑わいを見せる。