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『台東区のへそに杭』 西浅草の高層マンション 提訴の住民が批判
東京新聞 2009年9月25日 朝刊
歴史ある浅草の景観を壊さないで-。台東区西浅草の三十七階建て高層マンション(約百三十三メートル)建設計画総合設計の適用許可取り消しを都に求めた訴訟は、東京観光のシンボルともいえる浅草寺(同区)が都を訴えるという異例の事態となった。
二十四日、提訴後の会見で住民側は「台東区のへそに杭(くい)が立つようなもの。(区内の)東西南北どこからもマンションが見えることになる」と計画を批判した。
訴状などによると、計画は、浅草寺境内の約四百メートル西にあった築二十八年の十一階建てマンションを高層に建て替える。同寺と西浅草の住民は▽仲見世から本堂への参拝経路の左側に高層ビルが建つと、
宗教施設としての威厳を損なう▽伝法院の回遊式庭園の背景に高層ビルがあると、静逸性が台無しになる-などと訴えている。
会見では原告住民の一人、早大講師の川西崇行さんが、「大規模な建築行為が無計画で行われた場合、特徴ある景観・まちの構成は大きく損なわれる」と浅草寺の見解を読み上げた。
同寺は、繰り返し都や台東区に文書で意見を示してきたが、納得のいく回答はなく「やむを得ず司直の手に委ねた」という。
川西さんは「本音では事を構えるのは望ましくなかった」と寺の思いも代弁する一方、「勇気あるご決断」と評価もした。
原告代理人弁護士は「(適正規模なら)マンション建築そのものに反対ではない。
(容積率を緩和する)総合設計制度をやみくもに適用して三十七階建てが建つと、(低層の多い)したまちの地域性が破壊される」と、同制度の在り方を問う姿勢だ。