08/03/26 02:35:30
やがて・・・ 世界が引いて行き『色』が落ちると広漠たる空間が出現した
否、出現したのではない、始めからここに在ったのだった
今まで『色』に塗り潰されいて観えなかっただけだった
『空』は光に充ちていた。妥協を許さない光、一切を廃した光、光以外を根こそぎにした光・・・
まだ肉体の輪郭が残っていた『私』は半跏趺坐のまま広漠たる光の海に漂っていた
肉体の輪郭が希薄になってくると上下、前後、表裏、過去、未来といった既存の概念が
尽く崩壊していった。最後まで残っていた左右が崩壊すると『私』と『それ』だけが残った。
『私』と『それ』は、観るものと観られるもの、観察者と観察されるものだった
最後に残った意識は『それ』と対していた。『私』以外は『それ』しかありえなかった
『それ』は名前を付けられない。もし『それ』に名前を付けたら名前に変容してしまう『それ』・・・
意識だけの『私』は『それ』の背後(前後と言う概念を考慮すれば)に『何か』を感じた。
『私』は合一の場にいた。『それ』は『私』のすぐ近く(空間と言う概念を考慮すれば)に在った
『私』は『それ』に一切の『私』を投げ出した。『私』は『それ』に溶け込み、『それ』は『私』に溶け込んだ
一滴が大海に溶け込み大海が一滴に溶け込む
---- 以下文章での説明は不可能 ----