07/12/07 09:32:50
・食法餓鬼
食法餓鬼という餓鬼は、出家となって仏法を弘める人のうちで、
自分が法を説けば人は尊敬するなどと思い、名聞名利の心をもって
人よりも勝れようと思って今生をわたり、衆生を助けず、父母を救おう
という心もない人を食法餓鬼といって法をくらう餓鬼というのである。
いまの世間の僧をみると、人には隠して自分ひとりばかり供養を受ける
者もいる。この者は“犬のような下劣な僧”と涅槃経に説かれている。
この者は未来世には頭が牛で身体が人間の形をしている牛頭という鬼と
なるのである。
また人に知らせて供養を受けたとしても、欲心に住して人に施すことの
ない者もいる。この者は未来世には頭が馬で身体が人間の形をしている
馬頭という鬼となる。
また在家の人々でも、自分の父母が地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ち
て苦しみを受けているのを弔わないで、自分は衣服、飲食に飽き満ち、
牛馬、眷族は充満して、自分の心に任せて楽しむ人を、どれほど父母
はうらやみ恨まれているであろうか。
僧のなかにも父母、師匠の命日を弔う人はまれである。きっと天の日月、
地の地神は怒り、憤って、不孝の者と思っておられるだろう。このような
不孝の人は、形は人間であっても畜生のようなものである。人頭鹿とも
いうべきである