07/08/31 06:34:32
「今は昔、ある農村にボス(村長)と一緒に八十数名の農民が穏やかな生活を営んでいた。
ある夜突然、馬に乗った野武士がこの村を襲い、略奪そして女や子供まで惨殺され、
村は焼き打ちされた。殺された村人は、村長であるボスを中心に一致団結し七代祟ると
誓ったのだった。この野武士の親方の子孫がゆみ子だった。この実情を知ったときボス達の
気持ちも痛いほど分かるし、だからといって、ゆみ子を連れて(殺されること)行かせることはできない。
そこで、ある妥協案を持ちかけた。(注 ボス達殺しの手法は、家人の目を盗みゆみ子を連れ出し、
川に飛び込ませたり、交通事故などであり、防止するため解決するまで母親と相談しクサリで
つないである。玄関はもちろん、トイレの窓から出ようともした。)
「ボス私の話を聞いてほしい。貴方たち村人全員の供養をするから、ゆみ子を連れて行くのを
あきらめてほしい。」この提案をしたときボスは、「皆と相談するから返事を待ってくれ。」と
その言葉に追いかぶせるように「このまま攻防を続けることはボス達にはなにもメリットはない。
今までこの一族を散々いたぶったではないか。ゆみ子を連れてったところで、君たちは
幸せになれるというのか。ここの先祖を供養したのを見ていただろう。
この千載一隅の機会を除いては、このような素晴らしい供養は受けられないぞ!」「わかっている。
相談がまとまるまで待ってくれ。」・・・・・・・それから永い永い何年もたったと思われる程永く感じる
時が過ぎた。やっと霊界からの返事が来た。時計をみると六時間ほどたっていた。
「待たせてすまなかった。話はまとまったが、ゆみ子の事を諦めるのには、二つの条件があるが、
聞き届けてくれるか。」「条件とはなんだ。」「ひとつめは、全員に戒名をつけて、ていねいに葬式し、
七回忌までの法事をすること。」それを聞いて、母親(父親は仕事で留守)がうなずいたので「承知した。
して、もうひとつの条件は?」「実は、わしの妻と子がいないのだ。
二人を連れて来て一緒に供養してくれるなら受けよう。」「分かった。