07/08/25 07:33:59
そこで両家の相談が始まった。そして合意に至った。
一座目の供養を見ているから、この素晴らしい供養を受けることができるならと
千載一遇のチャンス、話は早かった。供養が再び始まった。読経の途中、
経机の前が荒海と化し、溺れている人々の手が波間から見え隠れした。
手を差し伸べるから掴まりなさいと言いながら経机の方に手をやると、
波間から沢山の手が掴まってきた。気合をかけて引き上げる。
不動明王の加持力をおかりして吸い込んだ水を吐かせる。
すぐに身体を温めてあげるのに丼で暖かいとろろ昆布汁をつくり、
法をかけて人数分に増やして振舞う。
不動明王の火の応援を得て冷えた霊たちを暖める。
次に不動明王の慈悲の剣で傷の苦しみなどを癒す。
たて続けに仏の加持力をお借りして霊の苦しみを癒した。供養は続いた。
終わって一息入れたのは夜の九時をまわっていた。あの日本人形は
お預かりして護摩堂に居てもらった。三週間を過ぎようとしたある護摩法会の日、
お参りに来ていた人が、「このお人形の顔色良くなっている。」それは、
頬に赤みが差し、誰が見ても可愛い日本人形に戻っていた。それから一年後、
この奥さんがさっそうと自転車に乗っている姿を見れるようになった。
しかし悩みはあった。「体調が良くて、太っちゃったの。」因縁は深いもので、
この奥さんの弟さんが肺に水がたまる病気で亡くなっていた。
勿論、供養の時に肺の水を出して呼吸を整えてあげたことは、言うまでもない。