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「子供に命の大切さを」…大平光代さん、僧籍に挑む
10代のころのいじめや自殺未遂、暴力団組長との結婚と離婚など、激動の半生を歩んだ
元大阪市助役の弁護士、大平光代さん(41)が僧籍に挑んでいる。
子供たちの自殺や事件に心を痛め、彼らがよりどころを模索する手助けをできればと、浄土
真宗本願寺派(本山・西本願寺)の通信教育を受講、先月末、“卒業試験”を終えた。
「宗教を土台に命の大切さを伝えたい」。思いの成就まで、あと一息にこぎ着けている。
大平さんは自らの経験を生かし、少年事件の弁護を数多く担当。様々な問題を抱えた子ら
と接していて、心の支えや芯になるものがないために他人を思いやれないのでは、と感じた。
どうすれば、それを探し出す手助けができるのか。宗教にその答えがあるように思え、学ぶ
ことにした。
実家が同派の門徒だったため、同派の僧侶を養成する中央仏教学院(京都市)に1年間、
通おうと計画。手続きをしようとした矢先の2003年12月に大阪市助役に就くことが決まり、
通学は断念したものの、あきらめ切れずに04年9月、同学院の通信教育専修課程(3年)
に入った。公務の合間を見つけては仏教や同派に関する教則本を読み、帰宅するとお経の
CDを聞いた。
05年10月に助役を辞任した後、結婚。06年9月に生まれた悠ちゃんには、心疾患の合併
症もあり、今年1月の手術の際には、約2か月間、病院で寄り添いながら、勉強を重ねた。
そして先月末、筆記や伝道の実演などの試験を受けた。
結果は7月末に通知される。ただ、僧侶になるには11日間の泊まり込みの修行「得度習礼」
が必要となるため、正式な得度は子育てが落ち着いてからにするという。大平さんは「生涯を
かけて勉強し、教えをかみ砕いて、心の大事な芯になるものを子供たちに教えていきたい」
と話している。
(2007年6月15日 読売新聞)
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