07/06/12 04:32:30
台湾の李登輝前総統(84)は9日、11日間の訪日を終えた。過去2回の訪日では
できなかった講演や記者会見を実現し、靖国神社にも参拝するなど、これまでにない
派手な言動を見せたが、日中両政府を巻き込む騒ぎにはならなかった。日中関係の改善
に加え、李氏の影響力が低下していることも背景にあるようだ。
李氏は9日夜、台湾桃園国際空港に到着し、「大成功だった」と訪日を総括した。
李氏の日本滞在中、中国政府は「台湾独立分子とその勢力に政治的な舞台を提供して
はならない」などと日本政府を牽制(けんせい)したものの、靖国参拝には反応しな
かった。8日の日中首脳会談でも訪日への直接的な批判は避けた。中国の抑制的な
対応は、訪日前に「いま中国は日本とけんかしたくない」と述べていた李氏の読み
通りだったと言える。
ただ、別の見方もある。台湾の最大野党・国民党の立法委員(国会議員)は「李氏
は過去の人で、もはや中台問題に影響がないことを示した」と話す。李氏は今年2月
に台湾独立否定とも取れる発言をし、支持基盤の独立勢力の間でも人気の陰りが指摘
された。
事前に李氏の講演草稿を入手するなどして中国の出方を探った日本政府も、「日中
関係が改善傾向にあること、騒げば騒ぐほど李氏を利することなどを、中国は考慮した
のだろう」(外交筋)と胸をなでおろした。
(続く)
■ソース(朝日新聞)(06月10日01時12分)
URLリンク(www.asahi.com)