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フリードリヒ・ハイエク
オーストリア学派の代表的学者の一人であり、経済学、政治哲学、法思想、さらに心理学にまで渡る多岐な業績を残した。
1944年に発表した「隷属への道」(The road to serfdom)では社会主義、共産主義、ナチズムが同根の集産主義であると批判し
当時のベストセラーとなる。
彼は集産主義と計画主義には市場のどの参加者よりも一部のエリートの方が賢明であるという前提があると考えた。
だが実際においては市場の情報や知識をすべて知ることは不可能であり、部分的な情報を熟知する参加者達が参加する市場こそが
もっとも効率のよい経済運営の担い手であると説いた。
さらにハイエクは特にフランスに見られるような「理性」に至上の地位を与えるような合理主義には常に反対していた。
人間は現存の秩序をすべて破壊し、そこにまったく新しい秩序を建設できるほど賢明ではないとし、既存の秩序、
つまり「自然発生的秩序」の重要性を説いた。
彼の自由主義は、あくまでイギリス・アメリカ的なものである。
コモン・ローなどがその代表例としてあげられる。彼は理性の傲慢さのもたらす危険性を常に問題視していた。