天才についてat KYOTO
天才について - 暇つぶし2ch250:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:52:09
 わたしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者>の園におられた。そのとき一人の容色麗しい神が、
夜半を過ぎたころジェータ林を隈なく照らして、師のもとに近づいた。そうして師に礼して
傍らに立った。そうしてその神は、師に詩を以て呼びかけた。

258 「多くの神々と人間とは、幸福を望み、幸せを思っています。最上の幸福わ説いて下さい。」

259 諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、─これがこよなき幸せである。

260 適当な場所に住み、あらかじめ功徳を積んでいて、みずからは正しい誓願を起こしていること、─これがこよなき幸せである。

261 深い学識あり、技術を身につけ、身をつつしむことをよく学び、ことばがみごとであること、─これがこよなき幸せである。

262 父母につかえること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、─これがこよなき幸せである。

263 施与と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為、─これがこよなき幸せである。

251:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:53:28
264 悪をやめ、悪を離れ、飲酒をつつしみ、徳行をゆるがせにしないこと、─これがこよなき幸せである。

265 尊敬と謙遜と満足と感謝と(適当な)時に教えを聞くこと、─これがこよなき幸せである。

266 耐え忍ぶこと、ことばのやさしいこと、諸々の(道の人)に会うこと、適当な時に理法について聞くこと─これがこよなき幸せである。

267 修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること、安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること、─これがこよなき幸せである。

268 世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れを離れ、安穏であること、─これがこよなき幸せである。

269 これらのことを行うならば、いかなることに関しても敗れることがない。あらゆることについて幸福に達する。─これがこよなき幸せである。

252:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:54:46
安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
─これがこよなき幸せである。

253:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:56:06
 わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師(ブッダ)はガヤー(村)のタンキク石床における
スーチローマという神霊(夜叉)の住居におられた。そのときカラという神霊とスーチローマという神霊
に言った、「かれは<道の人>である」と。(スーチローマという神霊は言った)、
かれは真の<道の人>であるか、或いは似而非の<道の人>であるかを、わたしが知らないうちは
、かれは真の<道の人>ではなくて、似而非の<道の人>である。」
 そこでスーチローマという神霊は、師のもとに至り、そうして身を師に近づけた。ところが師は身を退けた。
そこでスーチローマという神霊は師にいった、「<道の人>よ。汝はわたしを恐れるのか。」(師いわく)、
「友よ。わたしは汝を恐れているのではない。しかし汝に触れることは悪いのだ。」(スーチローマという
神霊はいった)、「<道の人>よ。わたしは汝に質問しよう。もしも汝がわたしに解答しないならば、汝の心を
乱し、汝の心臓を裂き、汝の両足をとらえてガンジス河の向こう岸に投げつけよう。」
 (師は答えた)、「友よ。神々・悪魔・梵天を含む世界において、道の人・バラモン・神々・人間を含む生けるもの
どものうちで、わが心を乱し、わが心臓を裂き、わが両足をとらえてガンジス河の向こう岸に投げつけ得るような人を、
実にわたしは見ない。友よ。汝が聞きたいと欲することを、何でも聞け。」
 そこでスーチローマという神霊は、次の詩を以て、師に呼びかけた。─

254:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:57:43
270 貪欲と嫌悪とはいかなる原因から生じるのであるか。好きと嫌いと身の毛もよだつこと
(戦慄)とはどこから生ずるのであるか。諸々の妄想はどこから起こって、心を投げうつのであるか?─あたかもこどもらが鳥を投げて棄てるように。

271 貪欲と嫌悪とは自身から生ずる。好きと嫌いと身の毛もよだつこととは、自身から生ずる。
諸々の妄想は、自身から生じて心を投げうつ、─あたかもこどもらが鳥を投げて棄てるように。

272 それらは愛執から起こり、自身から現われる。あたかもバニヤンの新しい若木が枝から
生ずるようなものである。それらが、ひろく諸々の執著していることは、譬えば、つる草が林の
中にはびこっているようなものである。

273 神霊よ、聞け。それらの煩悩がいかなる原因にもとずいて起こるかを知る人々は、煩悩を除き
さる。かれらは、渡りがたく、未だかって渡った人のいないこの激流を渡り、もはや再び生存をうけることがない。

255:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:59:06

神霊よ、聞け。
^^^^^^^

もはや再び生存をうけることがない。
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256:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:15:29
274 理法にかなった行い、清らかな行い、これが最上の宝であると言う。
たとい在家から出て家なきに入り、出家の身となったとしても、

275 もしもかれが荒々しいことばを語り、他人を苦しめ悩ますことを好み、
獣(のごとく)であるならば、その人の生活はさらに悪いものとなり、自分の塵汚れを増す。

276 争論を楽しみ、迷妄の性質に蔽われている修行僧は、目ざめた人(ブッダ)の説きたもうた理法を、説明されても理解しない。

277 かれは無明に誘われて、修養をつんだ他の人を苦しめ悩まし、煩悩が地獄に赴く道であることを知らない。

278 実にこのような修行僧は、苦難の場所に陥り、母胎から他の母胎へと生まれかわり、
暗黒から暗黒へと赴く。死後には苦しみを受ける。

279 あたかも糞坑が年をへると糞に充満したようなものであろう。不潔な人は、実に清めることがむずかしい。

280 修行僧らよ。このような出家修行僧を、実は、<家にたよっている人、邪まな欲望あり、
邪まな思いあり、邪まな行いをなし、悪いところにいる人>であると知れ。

281 汝らはすべて一致協力して、かれを斥けよ。籾殻を吹き払え。屑を取り除け。

282 次いで、実は<道の人>であると思いなしている籾殻どもを除き去れ。
─悪を欲し、悪い行いをなし、悪いところにいるかれらを吹き払って。

283 みずからは清き者となり、互いに思いやりをもって、清らかな人々と共に住むようにせよ。
そこで、聡明な者どもが、ともに仲よくして、苦悩を終滅せしめるであろう。

257:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:17:12
苦難の場所に陥り、母胎から他の母胎へと生まれかわり、
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暗黒から暗黒へと赴く。死後には苦しみを受ける。
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258:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:18:42
 わたしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者>の園におられた。そのときコーサラ国に住む、多くの、
大富豪であるバラモンたち─かれらは老いて、年長け、老いぼれて、年を重ね、老齢に達していたが
─は師のおられるところに近づいた。そうして師と会釈した。喜ばしい思い出に関する挨拶のことばを
交わしたのち、かれらは傍らに坐した。そこで大富豪であるバラモンたちは師に言った、「ゴータマ(ブッダ)さま。
そもそも今のバラモンは昔のバラモンたちの守っていたバラモンの定めにしたがっているでしょうか?」[
師は答えた]、「バラモンたちよ。今のバラモンたちは昔のバラモンたちの守ったバラモンの法に従ってはいない。」
「では、ゴータマさそは、昔のバラモンたちの守ったバラモンの法をわれらに話してください。─もしもゴータマさま
にお差支えがなければ。」「では、バラモンたちよ、お聞きなさい、よく注意なさい。わたしは話してあげましょう。」
「どうぞ」と、大富豪であるバラモンたちは、師に答えた。

 師は次のことを告げた。─

259:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:20:29
284 昔の仙人たちは自己をつつしむ苦行者であった。
かれは五種の欲望の対象をすてて、自己の(真実の)理想を行った。

285 バラモンたちには家畜もなかったし、黄金もなかったし、穀物もなかった。
しかしかれらはヴェーダ読誦を財産ともなし、穀物ともなし、ブラフマンを倉として守っていた。

286 かれらのために調理せられ家の戸口に置かれた食物、すなわち信仰心を
こめて調理せられた食物、を求める(バラモンたち)に与えようと、かれら(信徒)は考えていた。

287 豊かに栄えていた地方や国々の人々は、種々に美しく染めた衣服や
臥床や住居をささげて、バラモンたちに敬礼した。

288 バラモンたちは法によって守られていたので、かれらを殺してはならず、
うち勝ってもならなかった。かれらがかれらが家々の戸口に立つのを、なんびとも決して妨げなかった。

289 かれら昔のバラモンたちは四十八年間、童貞の清浄行を行った。知と行とを求めていたのであった。

290 バラモンたちは他の(カーストの)女を娶らなかった。かれらはまたその妻を買うこともなかった。
ただ相愛して同棲し、相和合して楽しんでいたのであった。

291 (同棲して楽しんだのではあるけども)、バラモンたちは、(妻に近づき得る)時を除いて
月経のために遠ざかったときは、その間は決して婬欲の交わりを行わなかった。

260:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:22:02
292 かれらは、不婬の行と戒律と正直と温順と苦行と柔和と不傷害と耐え忍びとをほめたたえた。

293 かれらのうちで勇猛堅固であった最上のバラモンは、実に婬欲の交わりを夢に見ることさえもなかった。

294 この世における聡明な性の或る人々は、かれの行いにならいつつ、不婬と戒律と耐え忍びとをほめたたえた。

295 米と臥具と衣服とバターと油とを乞い、法に従って集め、それによって祭祀をととのえ行った。
かれらは、祭祀を行うときにも、決して牛を殺さなかった。

296 母や父や兄弟や、また他の親族のように、牛はわれらの最上の友である。牛からは薬が生ずる。

297 それから(牛から生じた薬)は食料となり、気力を与え、皮膚に光沢を与え、また楽しませてくれる。
(牛に)このような利益のあることを知って、かれらは決して牛を殺さなかった。

298 バラモンたちは、手足が優美で、身体が大きく、容色端麗で、名声あり、自分のつとめに従って、
為すべきことを為し、為してはならぬことは為さないということに熱心に努力した。
かれらが世の中にいた間は、この世の人々は栄えて幸福であった。

299 しかるにかれらに誤つた見解が起こった。次第に王者の栄華と化粧盛装した女人を見るにしたがって、

300 また駿馬に牽かせた立派な車、美しく彩られた縫物、種々に区画され部分ごとにほど良くつくられた邸宅や住居を見て、

261:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:23:39
301 バラモンたちは、牛の群が栄え、美女の群を擁するすばらしい人間の享楽を得たいと熱望した。

302 そこでかれはヴェーダの呪文を編纂して、かの甘蔗王のもとに赴いていった、
「あなたは財宝も穀物も豊かである。祭祀を行いなさい。あなたの富は多い。祭祀を行いなさい。あなたの財産は多い。」

303 そこで戦車兵の主である王は、バラモンたちに勧められて、
─馬の祀り、人間の祀り、擲棒の祀り、ヴァージャペッヤの祀り、誰にでも供養する祀り
、─これらの祀りを行なって、バラモンたちに財を与えた。

304 牛、臥具、衣服、盛装化粧した女人、またよく造られた駿馬に牽かせる車、美しく彩られた縫物─、

305 部分ごとによく区画されている美事な邸宅に種々の穀物をみたして、(これらの)財をバラモンたちに与えた。

306 そこでかれらは財を得たのであるが、さらにそれを蓄積することを願った
。かれらは欲に溺れて、さらに欲念が増長した。そこでかれらはヴェーダの呪文を編纂して、再び甘蔗王に近づいた。

307 「水と地と黄金と財と穀物とが生命あるひとびとの用具であるように、牛は人々の用具である。
祭祀を行いなさい。あなたの富は多い。祭祀を行いなさい。あなたの財産は多い。」

308 そこで戦車兵の主である王は、バラモンたちに勧められて、幾百千の多くの牛を犠牲のために屠らせた。

309 牛は、脚を以ても、何によっても決して(他のものを)害うことがなくて、羊に等しく柔和で、
瓶をみたすほど乳を搾らせてくれる。しかるに王は、角をとらえて、刃を以てこれを屠らせた。

310 刃が牛におちるや、そのとき神々と祖霊と帝釈天と阿修羅と羅刹たちは、「不法なことだ!」と叫んだ。

262:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:24:55
311 昔は、欲と飢えと老いという三つの病いがあっただけであった。
ところが諸々の家畜を祀りのために殺したので、九十八種の病いが起った。

312 このように(殺害の)武器を不法に下すということは、昔から行われて、
今に伝わったという。何ら害のない(牛が)殺される。祭祀わ行う人は理法に背いているのである。

313 このように昔からのこのつまらぬ風俗は、識者の非難するものである。
人はこのようなことを見るごとに、祭祀実行者を非難する。

314 このように法が廃れたときに、隷民(シュードラ)と庶民(ヴァイシヤ)との両者が分裂し、
また諸々の王族がひろく分裂して仲たがいし、妻はその夫を蔑むようになった。

315 王族も、梵天の親族(バラモン)も、並びに種姓(の制度)によって
守られている他の人々も、生れる誇る論議を捨てて、欲望に支配される至った、と。

 このように説かれたときに、大富豪であるバラモンたちは、師にいった、
「すばらしいことです! ゴータマ (ブッダ)さま。すばらしいことです! ゴータマさま。
あたかも倒れた者を起こすように、覆われているものを開くように、方向に迷った者を示すように、
あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって暗闇の中で灯火をかかげるように、
ゴータマさまは種々のしかたで理法を明らかにされた。ここで、われらはゴータマさまに帰依したてまつる。
また真理と修行僧のつどいに帰依したてまつる。ゴータマさまは、われわれを在俗信者として、
受け入れてください。今日から命の続く限り帰依いたします。」

263:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:19:32
316 ひとがもしも他人から習って理解を知るならば、あたかも神々がインドラ神(帝釈天)を敬うがごとくになすべきである。
学識の深いその(師)は、尊敬されれば、その人に対して心からよろこんで、真理を顕示する。

317 思慮ある人は、そのことを理解し傾聴して、理法にしたがった教えを順次に実践し、
このような人に親しんで怠ることがなとならば、識者・弁え知る者・聡明なる者となる。

318 未だことがらを理解せず、嫉妬心のある、くだらぬ人・愚者に親しみつかえるならば、
ここで真理(理法)を弁え知ることなく、疑いを超えないで、死に至る。

319 あたかも人が水かさが多く流れの疾い河に入ったならば、かれは流れにはこばれ、
流れに沿って過ぎ去るようなものである。かれはどうして他人を渡すことができるであろうか。

320 それと同じく、真理(理法)を弁え知らず、学識の深い人にことがらの意義を聞かないならば、
みずから知らず、疑いを超えていない人が、どうして他人の心を動かすことができるであろうか。

321 堅牢な船に乗って、橈と舵とを具えているならば、操縦法を知った巧みな経験者は、他の多くの人々をそれに乗せて渡すように、

322 それと同じく、ヴェーダ(真理の知識)に通じ、自己を修養し、多く学び、動揺しない(師)は、
実に(みずから)知っているで、傾聴し侍坐しようという気持をお越した他の人々の心を動かす。

323 それ故に、実に聡明にして学識の深い立派な人に親しめ。ものごとを知って実践しつつ、真理を理解した人は、安楽を得るであろう。

264:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:21:51
あたかも神々がインドラ神(帝釈天)を敬うがごとくになすべきである。
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学識の深いその(師)は、尊敬されれば、その人に対して心からよろこんで、真理を顕示する。

ヴェーダ(真理の知識)に通じ、自己を修養し、多く学び、動揺しない(師)は、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


265:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:22:50
324 いかなる戒めをまもり、いかなる行いをなし、いかなる行為を増大せしめるならば、
人は正しく安立し、また最上の目的を達し得るのであろうか。

325 長上を敬い、嫉むな。諸々の師に見えるのに適当な時を知り、
法に関する話しを聞くのに正しい時機を知れ。みごとに説かれたことを謹んで聞け。

326 強情をなくし謙虚な態度で、時に応じて師のもとに行け。
ものごとと真理と自制と清らかな行いとを心に憶い、かつ実行せよ。

327 真理を楽しみ、真理を喜び、真理に安住し、真理の定めを知り、
真理をそこなうことばを口にするな。みごとに説かれた真実にもとずいて暮らせ。

328 笑い、だじゃれ、悲泣、嫌悪、いつわり、詐欺、貪欲、高慢、激昂、
粗暴なことば、汚濁、耽溺をすてて、驕りを除去し、しっかりとした態度で行え。

329 みごとに説かれたことばは、聞いてそれを理解すれば、精となる。聞きかつ知ったことは、
精神の安定を修すると、精になる。人が性急であってふらついているならば、かれには知慧も学識も増大することがない。

330 聖者の説きたもうた真理を喜んでいる人々は、ことばでも、こころでも、行いでも、最上である。
かれらは平安と柔和と瞑想とのうちに安立し、学識と智慧との真髄に達したのである。

266:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:23:42
331 起てよ、座れ。眠って汝らに何の益があろう。矢に射られて
苦しみ悩んでいる者どもは、どうして眠られようか。
> 332 起てよ、座れ。平安を得るために、ひたすらに修行せよ。
汝らが怠惰でありその[死王の]力に服したことを死王が知って、汝らを迷わしめることなかれ。
333 神々も人間も、ものを欲しがり、執著にとらわれている。この執著を超えよ。
わずかの時を空しく過ごすことなかれ。時を空しく過ごしたひとは地獄に堕ちて悲しむからである。

334 怠りは塵垢である。怠りによって塵垢がつもる。つとめはげむことによって、
また明知によって、自分にささった矢を抜け。

267:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:24:45
335 [師(ブッダ)がいった]、ラーフラよ。しばしばともに住むのに慣れて、
お前は賢者を軽蔑するのではないか? 諸人のために炬火をかざす人を、汝は尊敬しているか?」

336 (ラーフラは答えた)、「しばしばともに住むのに慣れて賢者を軽蔑するようなことを、
わたくしは致しません。諸人のために炬火をかざす人を、わたくしは常に尊敬しています。」以上、序の詩

337 「愛すべく喜ばしい五欲の対象をすてて、信仰心によって家から出て、苦しみを終滅せしめる者であれ。

338 善い友だちと交われ。人里はなれ奥まった騒音の少ないところに坐臥せよ。飲食に量を知る者であれ。

339 衣服と、施された食物と、(病人のための)物品と坐臥の所、
─これらのものに対して欲を起こしてはならない。再び世にもどってくるな。

340 戒律の規定を奉じて、五つの五官を制し、そなたの身体を観ぜよ(身体について心を専注せよ)。
切に世を厭い嫌う者となれ。

341 愛欲があれば(汚いものでも)清らかに見える。その(美麗な)外形を避けよ。
(身は)不浄であると心に観じて、心をしずかに統一せよ。

342 無相ののおもいを修せよ。心にひそむ傲慢をすてよ。そうすれば汝は傲慢をほろぼして、
心静まったものとして日を送るであろう。」

 実に尊き師(ブッダ)はこのようにラーフラさんにこれらの詩を以て繰返し教えられた。

268:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 22:28:13
 わたしがこのように聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はア-ラヴィー
におけるアッガーラウァ霊樹のもとにおられた。そのとき、ヴァンギーサさんの師で
ニグローダ・カッパという名の長老が、アッガーラウァ霊樹のもとで亡くなってから、
間がなかった。そのときヴァンギーサさんは、ひとり閉じこもって沈思していたが、
このような思念が心に起こった、─「わが師は実際に亡くなったんだろうか、
あるいはまだ亡くなっていないのだろうか?」と。
そこでヴァンギーサさんは、夕方に沈思から起き出て、師のいますところに赴いた。
そこで師に挨拶して、傍らに坐った。傍らに坐ったヴァンギーサさんは師にいった、
「尊いお方さま。わたくしがひとり閉じこもって沈思していたとき、このような思念が心に起こりました
。─<わが師は実際に亡くなったのだろうか、或いはまだ亡くなっていないのだろうか?>」と。
そこでヴァンギーサさんは座から立ち上がって、衣を左の肩にかけて右肩をあらわし、
師に向かって合掌し、師にこの詩を以て呼びかけた。

269:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 22:29:28
343 「現世において、もろもろの疑惑を断たれた無上の智慧ある師におたずね致します。
─世に知られ、名声あり、心が安らぎに帰した[ひとりの]修行者が、アッガーラウァ[霊樹のもと]で亡くなりました。

344 先生! あなたは、そのバラモンに『ニグローダ・カッパ』という名をつけられました。
ひたすらに真理を見られた方よ。かれは、あなたを礼拝し、解脱をもとめ、つとめ励んでおりました。

345 サッカ(釈迦族の人、釈尊)よ、あまねく見る人よ。われらはみな、
(あなたの)かの弟子のことを知ろうと望んでいます。われわれの耳は、聞こうと待ちかまえています。
あなたはわれらの師です。あなたは、この上ない方です。

346 われらの疑惑を断ってください。これをわたくしに説いてください。智慧ゆたかな方よ。
かれらが亡くなったのかどうかを知って、われらの間で説いてください。
─千の眼ある帝釈天が神々の間で説くように。あまねく見る方よ。

347 この世で、およそ束縛なるものは、迷妄の道であり、無智を棚とし、疑いによって存するが、
全き人(如来)にあうと、それらはすべてなくなくなってしまう。この(全き人)は人間のための最上の眼であります。

348 風が密雲を払いのけるように、[この人](ブッダ)が煩悩の汚れを払うのでなければ、
全世界は覆われて、暗黒となるでありましょう。光輝ある人々も輝かないでありましょう。

349 聡明な人々は世を照らします。聡明な方よ。わたしは、あなたをそのような人だと思います。
われらはあなたを<如実に見る人>であめと知って、みもとに近づきました。集会の中で、
われらのために(ニグローダ)カッパのことを明かにしてください。

270:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 22:31:03
350 すみやかに、いとも妙なる声を発してください。白鳥がその頸をもたげて徐ろに鳴くように、
よくととのった円やかな声を徐に発してください。われらはすべて、すなおに聞きましょう。

351 生死を残りなく捨て、悪を払い除いた(ブッダ)に請うて、真理を説いていただきましょう。
諸々の凡夫は、[知ろうと欲し言おうと]欲することをなしとげることができないが、
諸々の全き人(如来)たちは、慎重に思慮してなされるからです。

352 この完全な確定的な説明が、正しい智者であるあなたによって、よく持たれているのです。
わたくしは、さらにこの合掌をささげます。(みずからは)知りながら(語らないで、われらを)迷わしたもうな。智慧すぐれた方よ。

353 あれこれの尊い理法を知っておられるのですから、(みずからは)知りながら[語らないで、
われらを]迷わしたりなさいますな。励むことにすぐれた方よ。夏に暑熱に苦しめられた人が水をもとめるように、
わたしは(あなたの)ことばを望むのです。聞く者に[ことばの雨を]降らしてください。

354 カッパ師が清らかな行いを行って達成しようとした目的は、かれにとって空しかったのでしょうか? 
かれは、消え滅びたのでしょうか? それとも生存の根源を残して安らぎに帰したのでしょうか? 
かれはどのように解脱したのでしょうか、─わたくしたちはそれを聞きたいのです。」

355 師は答えた、「かれはこの世において、名称と形態とに関する妄執を断ち切ったのである。
長いあいだ陥っていた黒魔の流れを断ち切ったのである」五人の修行者の最上者であった尊き師はそのように語られた。

356 [ヴァンギーサいわく、─]「第七の仙人(ブッダ)さま。あなたのおことばを聞いて、わたしは喜びます。
わたしの問いは、決してむだではありませんでした。バラモンであるあなたは、わたくしをだましません。

357 目ざめた人(ブッダ)の弟子(ニグローダ・カッパ)は、ことばで語ったとおりに実行した人でした。
ひとを欺く死魔のひろげた堅固な網を破りました。

358 先生! カッパ師は執著の根元を見たのです。ああ、カッパ師は、いとも渡りがたい死魔の領域を超えたのです。」

271:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/28 21:35:17
359 「智慧ゆたかに、流れを渡り、彼岸に達し、安全な安らぎを得て、こころ安住した聖者におたずね致します。
家から出て諸々の欲望を除いた修行者が、正しく世の中を遍歴するには、どのようにしたらよいのでしょうか。」

360 師はいわれた、「瑞兆の占い、天変地異の占い、夢占い、相の占いを完全にやめ、
吉凶の判断をともにすてた修行者は、正しく世の中を遍歴するであろう。

361 修行者が、迷いの生存を超越し、理法をさとって、
人間及び天界の諸々の享楽に対する貪欲を慎しむならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

362 修行者がかげぐちをやめ、怒りと物惜しみとを捨てて
、順逆の念を離れるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

363 好ましいものも、好ましくないものも、ともに捨てて、何ものにも執著せず、
こだわらず、諸々の束縛から離脱しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

364 かれが、生存を構成する要素のうちに堅固に実体を見出さず、諸々の執著されるものに対する貪欲を慎しみ、
こだわることなく、他人に誘かれないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

365 ことばによっても、こころによっても、行為によっても、逆らうことなく、
正しく理法を知って、ニルヴァーナの境地をもとめるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

366 修行者が、『かれはわれを拝む』と思って高ぶることなく、罵られても心にふくむことなく、
他人から食物を与えられたからとて驕ることがないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

272:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/28 21:52:39
ニルヴァーナの境地をもとめるならば
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

273:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/28 21:53:31
367 修行者が、貪りと迷いの生存(煩悩の)矢を抜いたのであれば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

368 修行者が、自分に適当なことを知り、世の中で何ものをも害うことなく、
如実に理法を知っているのであるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

369 かれにとっては、いかなる潜在的妄執も存せず、悪の根が根こそぎにされ、
ねがうこともなく、求めることがないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

370 煩悩の汚れはすでに尽き、高慢を断ち、あらゆる貪りの路を超え、みずから制し、
安らぎに帰し、こころが安立しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

371 信念あり、学識ある賢者が、究極の境地に至る定まった道を見、
諸々の仲間の間にありながら仲間に盲従せず、貪欲と嫌悪と憤怒とを慎しむならば、
かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

372 清らかな行いによって煩悩にうち克った勝者であり、覆いを除き、諸々の事物を支配し、
彼岸に達し、妄執の動きがなくなって、生存を構成する諸要素を滅ぼす
認識を立派に完成するならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

373 過去及び未来のものに関して(妄りなる)はからいを超え、極めて清らかな智慧あり、
あらゆる変化的生存の領域から解脱しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。

374 究極の境地を知り、理法をさとり、煩悩の汚れを断ずることを明らかに見て、
あらゆる<生存を構成する要素>を滅しつくすが故に、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。」

375 「尊いお方(ブッダ)<さま。まことにこれはそのとおりです。このように生活し、
みずから制する修行者は、あらゆる束縛を超えているのです。かれは正しく世の中を遍歴するでしょう。」

274:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:39:47
わたくしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者の園>におられた。そのときダンミカという在俗信者が五百人の
在俗信者とともに師のおられるところに近づいた。そして師に挨拶し、かたわらに坐った。
そこで在俗信者ダンミカは師に向かって詩を以て呼びかけた。

376 「智慧ゆたかなゴータマ(ブッダ)さま。わたしはあなたにお尋ねしますが、教えを聞く人は、
家から出て出家する人であろうと、また在家の信者であろうと、どのように行うのが善いのですか?

377 実にあなたは神々とこの世の人々の帰趣と究極の目的とを知っておられます。
奥深いことがらを見る方で、あなたに比ぶ人はいません。世人はあなたを、
優れた目ざめた人(ブッダ) だと呼んでいます。

378 あなたはすっかり証りおわって、生けるものどもをあわれんで、智識と理法を説かれます
。あまねく見る人よ。あなたは世の覆いを開き、汚れなくして、ひろく全世界に輝きたもう。

275:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:41:14
379 エーラーヴァナと名づける象王は、あなたが勝利者(ブッダ)であると聞いたので、
あなたのもとに来ましたるかれもまたあなたと相談して、(あなたの話を)聞いて、
『いいなあ』といって、喜んで去りました。

380毘沙門天王であるクヴェーラも、また教えを請おうとして、あなたに近づいてきました。
賢者よ。かれに尋ねられたときにも、あなたは話をなさいました。かれもまた(あなたの話を)聞いて、喜んだ姿を示しました。

381 アージーヴィカ教徒であろうとも、ジャイナ教徒であろうとも、論争を習いとする
これらのいかなる異説の徒でも、すべて、智慧であなたを超えることはできません。
立ったままでいる人が急いで走ってゆく人を追い越すことができないよえなものです。

382 論争を習いとするいかなるバラモンでも、老年であろうとも、あるいは(中年、あるしは青年の)
バラモンであろうとも、またそのほか『われこそは論客である』と自負している人々でも、
すべてあなたから<ためになることがら>を得ようと望んでいるのです。

383 先生! あなたがみごとに説きたもうたこの教えは幽微であり、また楽しいものです。
あなたにお尋ねしますが、どうぞわれらにお説きください。最高の<目ざめた方>(ブッダ)よ。

384 これらの出家修行者たち、並びに在俗信者たちは、すべて、(目ざめた人の教えを)聞こうとして、
ここに集まってきたのです。けがれなき人(目ざめた人)がさとり、みごとに説いた理法を聞け。
─神々がインドラ神のことばを聞くように。」

385 (師は答えた)、「修行者たちよ、われに聞け。煩悩を除き去る修行法を汝らに説いて聞かせよう。
汝らすべてはそれを持て。目的をめざす思慮ある人は、出家にふさわしいそのふるまいを習い行え。

276:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:42:41

煩悩を除き去る修行法

目的をめざす思慮ある人は、出家にふさわしいそのふるまいを習い行え。


277:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:43:33
386 修行者は時ならぬのに歩き廻るな。定められたときに、
托鉢のために村に行け。時ならぬのに出て歩くな、執著に縛られるからである。
それ故に諸々の(目ざめた人々)は時ならぬのに出て歩くことはない。

387 諸々の色かたち・音声・味・香り・触れられるものは、ひとびとをすっかり酔わせるものである。
これらのものに対する欲望を慎んで、定められたときに、朝食を得るために(村に)入れよ。

388 そうして修行僧は、定められたときに施しの食物を得たならば、ひとり退いて、
ひそかに坐れよ。自己を制して、内に顧みて思い、こころを外に放ってはならぬ。

389 もしもかれが、教えを聞く人、或るは他の修行者とともに語る場合があるならば、
その人にすぐれた真理を示してやれ。かんげぐちや他の誹謗することばを発してはならぬ。

390 実に或る人々は(誹謗の)ことばに反発する。かれらは浅はかな小賢しい人々をわれは称賛しない。
(論争の)執著があちこちから生じて、かれらを束縛し、かれらはそこでおのが心を遠くへ放ってしまう。

391 智慧のすぐれた人(ブッダ)の弟子は、幸せな人(ブッダ) の説きたもうた法を聞いて、
食物と住所と臥具と大衣の塵を洗い去るための水とを、よく気をつけて用いよ。

392 それ故に、食物と住所と臥具と大衣の塵を洗い去るための水、
─これらのものに対して、修行者は執著して汚れることがない。
─蓮の葉に宿る水滴[が汚されない]ようなものである。

393 次に在家の者の行うつとめを汝らに語ろう。このように実行する人は善い
<教えを聞く人>(仏弟子)である。純然たる出家修行者に関する規定は、
所有のわずらいある人(在家者)がこれを達成するのは実に容易ではない。

278:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:45:04
394 生きものを(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。
また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ。世の中の強剛な者どもでも、
また怯えている者どもでも、すべての生きものに対する暴力を抑えて─。

395 次に教えを聞く人は、与えられていないものは、何ものであっても、
またどこにあっても、知ってこれを取ることを避けよ。また(他人をして)取らせることなく、
(他人が)取りさるのを認めるな。なんでも与えられていないものを取ってはならぬ。

396 ものごとの解った人は婬行を回避せよ。─燃えさかる炭火の坑を回避するように。
もし不婬を修することができなければ、(少なくとも)他人の妻を犯してはならぬ。

397 会堂にいても、団体のうちにいても、何人も他人に向かって偽りを言ってはならぬ。
また他人をして偽りを言わせてもならぬ。また他人が偽りを語るのを容認してはならぬ。すべて虚偽を語ることを避けよ。

398 また飲酒を行ってはならぬ。この(不飲酒の)教えを喜ぶ在家者は、他人をして飲ませてもならぬ。
他人が酒を飲むのを容認してもならぬ。─これは終に人を狂酔せしめるものであると知って─。

399 けだし諸々の愚者は酔いのために悪事を行い、また他人の人々をして怠惰ならしめ、
(悪事を)なさせる。この禍いの起るもとを回避せよ。それは愚人の愛好するところであるが、しかしひとを狂酔せしめ迷わせるものである。

400 (1)生きものを害してはならぬ。(2)与えられないものを取ってはならぬ。(3)嘘をついてはならぬ。
(4)酒を飲んではならぬ。(5)婬事たる不浄の行いをやめよ。(6)夜に時ならぬ食事をしてはならぬ。

279:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:48:06

(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。
また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ。


すべての生きものに対する暴力を抑えて─。


ものごとの解った人は婬行を回避せよ。
もし不婬を修することができなければ、(少なくとも)他人の妻を犯してはならぬ。



飲酒を行ってはならぬ。この(不飲酒の)教えを喜ぶ在家者は、
他人をして飲ませてもならぬ。他人が酒を飲むのを容認してもならぬ。


愚者は酔いのために悪事を行い、また他人の人々をして怠惰ならしめ、
(悪事を)なさせる。この禍いの起るもとを回避せよ。それは愚人の愛好するところであるが、
しかしひとを狂酔せしめ迷わせるものである。


1)生きものを害してはならぬ。
(2)与えられないものを取ってはならぬ
(3)嘘をついてはならぬ。(
4)酒を飲んではならぬ。
(5)婬事たる不浄の行いをやめよ。
(6)夜に時ならぬ食事をしてはならぬ。

280:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:49:03
401 (7)花かざりを着けてはならぬ。芳香を用いてはならぬ。
(8)地上に床を敷いて伏すべし。これこそ実に八っの項目より成るウポーサタ(斎戒)であるという。
苦しみを修滅せしめるブッダが宣示したもうたものである。

402 そうしてそれぞれ半月の第八日、第十四日、第十五日にウポーサタを修せよ。
八つの項目より成る完全なウポーサタを、きよく澄んだ心で行え。また特別の月においてもまた同じ。

403 ウポーサタを行なった<ものごとの解った人>は次に、
きよく澄んだ心で喜びながら、翌朝早く食物とを適宜に修行僧の集いにわかち与えよ。

404 正しい法(に従って得た)財を以て母と父とを養え。正しい商売を行え。
つとめ励んでこのように怠ることなく暮らしている在家者は、(
死後に)<みずから光を放つ>という名の神々のもとに赴く。」

<小なる章>第二おわる

この章のまとめの句

 宝となまぐちと、恥と、こよなき幸せと、スーチローマと理法にかなった行いと
、バラモンにふさわしいことと、船の経と、いかなる戒めを、と、精励と、ラーフラと、
ヴァンギーサと正しい遍歴と、さらにダンミカと─ これらの十四の経が「小なる章」と言われる。

281:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:50:00

(死後に)<みずから光を放つ>という名の神々のもとに赴く。

282:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:45:33
405 眼ある人(釈尊)はいかにして出家したのであるか、かれはどのように考えたのちに、
出家を喜んだのであるか、かれの出家をわれは述べよう。

406 「この在家の生活は狭苦しく、煩わしくて、塵のつもる場所である。ところが出家は、
ひろびろとした野外であり、(煩いがない)」と見て、出家されたのである。

407 出家されたのちには、身による悪行をはなれた。ことばによる悪行をもすてて、生活をすっかり清められた。

408 目ざめた人(ブッダ)はマガダ国の(首都)・山に囲まれた王舎城に行った。
すぐれた相好にみちた(目ざめた)人は托鉢のためにそこへ赴いたのである。

409 (マガダ王)ビンビサーラは高殿の上に進み出て、かれを見た。
すぐれた相好にみちた(目ざめた)人を見て、(侍臣に)このことを語った。

410 「汝ら、この人をみよ。美しく、大きく、清らかで、行いも具わり、眼の前を見るだけである。

411 かれは眼を下に向けて気をつけている。この人は賤しい家の出身ではないようだ。
王の使者どもよ、走り追え。この修行者はどこへ行くのだろう。」

412 派遣された王の使者どもは、かれのあとを追って行った。
─「この修行者はどこへ行くのだろう。かれはどこに住んでいるのだろう」と。

413 かれは、諸々の感官を制し、よくまもり、正しく自覚し、気をつけながら、
家ごとに食を乞うて、その鉢を速やかにみたした。

414 聖者は托鉢を終えて、その都市の外に出て、パンダヴァ山に赴いた。
─かれはそこに住んでいるのであろう。

283:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:46:49
415 [ゴータマ(ブッダ)がみずから]住所に近づいたのを見て、
そこで諸々の使者はかれに近づいた。そうして一人の使者は(王城に)もどって、王に報告した、─

416 「大王さま。この修行者はパンダヴァ山の山窟の中に、また獅子のように座しています」と。

417 使者のことばを聞き終るや、そのクシャトリヤ(ビンビサーラ王)は
荘厳な車に乗って、急いでパンダヴァ山に赴いた。

418 かのクシャトリヤ(王)は、車に乗って行けるところまで車を駆り、
車から下りて、徒歩で赴いて、かれに近づいて坐した。

419 王は坐して、それから挨拶のことばを喜び交わした。挨拶のことばを交わしたあとで、
このことを語った。─

420 「あなたは若く青春に富み、人生の初めにある若者です。
容姿も端麗で、生れ貴いクシャトリヤ(王族)のようだ。

421 象の群を先頭とする精鋭な軍隊を整えて、わたしはあなたに財を与えよう。
それを享受なさい。わたしはあなたの生れを問う。これを告げなさい。」

422 (釈尊がいった)、「王さま。あちらの雪山(ヒマーラヤ)の側に、
一つの正直な民族がいます。昔からコーサラ国の住民であり、富と勇気を具えています。

423 姓に関しては<太陽の裔>といい、種族に関しては<シャカ族>(釈迦族)といいます。
王さまよ。わたしはその家から出家したのです。欲望をかなえるためではありません。

424 諸々の欲望に憂いがあることを見て、また出離こそ安穏であると見て
、つとめはげむために進みましょう。わたくしの心はこれを楽しんでいるのです。」

284:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:48:22
425 ネーランジャラー河の畔にあって、安穏を得るために、
つとめはげみ専心し、努力して瞑想していたわたくしに、

426 (悪魔)ナムチはいたわりのことばを発しつつ近づいてきて、言った、
あなたは痩せてして、顔色も悪い。あなたの死が近づいた。

427 あなたが死なないで生きられる見込みは、千に一つの割合だ。きみよ、
生きよ。生きたほうがよい。命があってこそ諸々の善行をもなすこともできるのだ。

428 あなたがヴェーダ学生としての清らかな行いをなし、聖火にに供物をささげてこそ、
多くの功徳を積むことができる。(苦行に)つとめはげんだところで、何になろうか。

429 つとめはげむ道は、行きがたく、行いがたく、達しがたい」この詩を唱えて、
悪魔は目ざめた人(ブッダ)の側に立っていた。

430 かの悪魔がこのように語ったときに、尊師(ブッダ)は次のように告げた。
─「怠け者の親族よ、悪しき者よ。汝は(世間の)善業を求めてここに来たのだが、

431 わたしはその(世間の)善業を求める必要は微塵もない。
悪魔は善業の功徳を求める人々にこそ語るがよい。

432 わたしには信念があり、努力があり、また知慧がある。
このように専心しているわたしくしに、汝はどうして生命をたもつことを尋ねるのか?

433 (はげみから起る)この風は、河水の流れも涸らすであろう。
ひたすら専心しているわが身の血がどうして涸渇しないであろうか。

285:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:50:01
434 (身体の)血が涸れたならば、胆汁も痰も涸れるであろう。肉が落ちると、
心はますます澄んでくる。わが念いと智慧と統一した心とはますます安立するに至る。

435 わたしはこのように安住し、最大の苦痛をうけているのであるから、
わが心は諸々の欲望にひかれることがない。見よ、心身の清らかなことを。

436 汝の第一の軍隊は欲望であり、第二の軍隊は嫌悪であり、
第三の軍隊は飢餓であり、第四の軍隊は妄執といわれる。

437 汝の第五の軍隊はものうさ、睡眠であり、第六の軍隊は恐怖といわれる。
汝の第七の軍隊は疑惑であり、汝の第八の軍隊はみせかけと強情と、

438 誤って得られた利得と名声と尊敬と名誉と、また自己をほめたたえて他人を軽蔑することである。

439 ナムチよ、これは汝の軍勢である。黒き魔(Kanha)の攻撃軍である。
勇者でなければ、かれにうち勝つことができない。(勇者は)うち勝って楽しみを得る。

440 このわたくしがムンジャ草を取り去るだろうか? (敵に降参してしまうだろうか?)
この場合、命はどうでもよい。わたくしは、敗れて生きながらえるよりは、戦って死ぬほうがましだ。

441 或る修行者たち・バラモンどもは、この(汝の軍隊)のうちに埋没してしまって
、姿が見えない。そうして徳行ある人々の行く道をも知っていない。

442 軍勢が四方を包囲し、悪魔が象に乗ったのを見たからには、
わたくしは立ち迎えてかれらと戦おう。わたくしをこの場所から退けることなかれ。



286:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:51:15
443 神々も世間の人々も汝の軍勢を破り得ないが、
わたくしは智慧の力で汝の軍勢をうち破る。─焼いてない生の土鉢を石で砕くように。


444 みずから思いを制し、よく念い(注意)を確立し、国から国へと遍歴しよう。─教えを聞く人々をひろく導きながら。

445 かれらは、無欲となったわたくしの教えを実行しつつ、
怠ることなく、専心している。そこに行けば憂えることのない境地に、かれは赴くであろう。」

446 (悪魔はいった)、
「われは七年間も尊師(ブッダ)に、一歩一歩ごとにつきまとうていた。
しかもよく気をつけている正覚者には、つけこむ隙をみつけることができなかった。

447 烏が脂肪の色をした岩石の周囲をめぐって『ここに柔かいものが見つかるだろうか? 
味のよいものがあるだろうか?』といって飛び廻ったようなものである。

448 そこに美味が見つからなかったので、烏はそこから飛び去った。
岩石ら近づいたその烏のように、われらは厭いてゴータマ(ブッダ)を捨て去る。」

449 悲しみにうちしおれた悪魔の脇から、琵琶がパタッと落ちた。
ついで、かの夜叉は意気しょう沈してそこに消え失せた。

287:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:03:07
 わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師ブッダはサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者の園>におられた。そのとき師は諸々の<道の人>に呼びかけられた、
「修行僧たちよ」と。「尊き師よ」と、<道の人>たちは師に答えた。師は告げていわれた、
「修行僧たちよ。四つの特徴を具えたことばは、みごとに説かれたのである。悪しく説かれたのではない。
諸々の智者が見ても欠点なく、非難されないものである。その四つとは何であるか? 道の人たちよ、ここで修行僧が、
[Ⅰ]みごとに説かれたことばのみを語り、悪しく説かれたことばを語らず、[Ⅱ]理法のみを語って理にかなわぬことを語らず、
[Ⅲ]好ましいことのみを語って、好ましからぬことを語らず、[Ⅳ]真理のみを語って、虚妄を語らないならば、
この四つの特徴を具えていることばは、みごとに説かれたのであって、悪しく説かれたのではない。諸々の智者が見ても欠点なく、
非難されないものである。」尊き師はこのことを告げた。そのあとでまた、<幸せな人>である師は、次のことを説いた。

450 立派な人々は説いた─[Ⅰ]最上の善いことばを語れ。(これが第一である。)[Ⅱ]正しい理を語れ、
理に反することを語るな。これが第二である。[Ⅲ] 好ましいことばを語れ。好ましからぬことばを語るな。これが第三である。
[Ⅳ]真実を語れ。偽りを語るな。これが第4である。
 そのときヴァンギーサ長老は座から起ち上がって、衣を一つの肩にかけ(右肩をあらわして)、
師(ブッダ)のおられる方に合掌して、師に告げていった、「ふと思い出すことがあります! 幸せな方よ」と。
「思い出せ、ヴァンギーサよ」と、師は言われた。そこでヴァンギーサ長老は師の面前で、ふさわしい詩を以て師をほめ称えた。

288:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:04:03
451 自分を苦しめず、また他人を害しないことばのみを語れ。
これこそ実に善く説かれたことばなのである。

452 好ましいことばのみを語れ。その言葉は人々に歓び迎えられることばである。
感じの悪いことばを避けて、他人の気に入ることばのみを語るのである。

453 真実は実に不滅のことばである。これは永遠の理法である。
立派な人々は、真実の上えに、ためになることの上に、また理法の上に安立しているといわれる。

454 安らぎに達するために、苦しみを終減させるために、
仏の説きたもうおだやかなことばは、実に諸々のことばのうちで最上のものである。

289:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:05:19
わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師(ブッダ)はコーサラ国のスンダリカー河の岸に滞在しておらめれた。
ちょうどその時に、バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、スンダリカー河の岸辺で聖火をまつり、
火の祀りを行なった。さてバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、聖火をまつり、火の祀りを行なったあとで、
座から立ち、あまねく四方を眺めていった、─「この供物のおさがりを誰にたべさせようか。」
バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、遠からぬところで尊き師(ブッダ)が或る樹の根もとで
頭まで衣をまとって坐っているのを見た。見おわってから、左手で供物のおさがりをもち、右手で水瓶をもって
師のおられるところに近づいた。そこで師はかれの足音を聞いて、頭の覆いをとり去った。そのときバラモンである
スンダリカ・バーラドヴァーシャは「この方は頭を剃っておられる。この剃髪者である」といって、そこから戻ろうとした。
そうしてかれはこのように思った、「この世では、或るバラモンたとは、頭を剃っているということもある。さあ、
わたしはかれに近づいてその生れ(素姓)を聞いてみよう」と。
そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは師のおられるところに近づいた。それから師にいった、
「あなたの生まれは何ですか?」とそこで師は、バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャに詩を以て呼びかれた。

290:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:07:08
455 「わたしはバラモンではないし、王族の者でもない。わたしはヴァイシヤ族(庶民)の者でもないし、また他の何ものでもない。

456 わたしは家なく、重衣を着け、髭髪(ひげかみ)を剃り、こころを安らかならしめて、この世で人々に汚されることなく、歩んでいる。
 バラモンよ。あなたがわたしに姓をたずねるのは適当でない。」

457 「バラモンはバラモンと出会ったときは、『あなたはバラモンではあられませんか?』とたずねるものです。」
「もしもあなたがみずからバラモンであるというならば、バラモンでないわたしに答えなさい。
わたしは、あなたに三句二十四字より成るかのサーヴィトリー讃歌のことをたずねます。」

458 「この世の中では、仙人や王族やバラモンというような人々は、何のために神々にいろいろと供物を献じたのですか?」
 (師が答えた)、「究極に達したヴェーダの達人が祭祀のときに或る(世俗の人の)献供を受けるならば、
その(世俗の)人の(祭祀の行為は)効果をもたらす、とわたくしは説く。」

459 バラモンがいった、「わたくしはヴェーダの達人であるこのような立派な方にお目にかかったのですから、
実にその方に対する(わたくしの)献供はきっと効果があるでしょう。(以前には)あなたのような方に
お目にかからなかったので、他の人が献供の菓子(のおさがり)を食べていたのです。」

460 (師が答えた)、「それ故に、バラモンよ、あなたは求めるところあってきたのであるから、こちらに近づいて問え。
恐らくここに、平安で、(怒りの)煙の消えた、苦しみなく、欲求のない聡明な人を見出すであろう。」

291:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:11:11
461 (バラモンがいった)、「ゴータマ(ブッダ) さま。わたくしは祭祀を楽しんでいるのです。
祭祀を行おうと望むのです。しかしわたくしははっきりとは知っていません。
あなたはわたくしに教えてください。何にささげた献供が有効であるかを言ってください。」

 (師が答えた)、「では、バラモンよ、よく聞きなさい。わたくしはあなたに理法を説きましょう。

462 生れを問うことなかれ。行いを問え。火は実にあらゆる薪から生ずる。
賤しい家に生まれた人でも、聖者として道心堅固であり、恥を知って慎むならば高貴のの人となる。

463 真実もてみずから制し、(諸々の感官を)慎しみ、ヴェーダの奥義に達し、清らか行いを修めた人、
─そのような人にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

464 諸々の欲望を捨てて、家なくして歩み、よくみずから慎んで、梭のよえに真直ぐな人々、
─そのような人々にそこ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

465 貪欲を離れ、諸々の感官を静かにたもち、月がラーフの捕われから脱したように(捕われることのない)人々
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

466 執著することなくして、常に心をとどめ、わがものと執したものを(すべて)捨て去って、世の中を歩き廻る人々、
─そのよえな人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

467 諸々の欲望を捨て、欲にうち勝ってふるまい、生死のはてを知り、平安に帰し、
清涼なること湖水のような<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

292:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:14:07

生れを問うことなかれ。行いを問え。
聖者として道心堅固であり、恥を知って慎むならば高貴のの人となる。

ヴェーダの奥義に達し、清らか行いを修めた人、


執著することなくして、常に心をとどめ、わがものと執したものを(すべて)捨て去って、世の中を歩き廻る人々、


諸々の欲望を捨て、欲にうち勝ってふるまい、生死のはてを知り、平安に帰し、
清涼なること湖水のような<全き人>(如来)は、

293:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:15:02
468 全き人(如来)は、平等なるもの(過去の目ざめた人々、諸仏)と等しくして、
平等ならざる者どもから遙かに遠ざかっている。かれは無限の智慧あり、
この世でもかの世でも汚れに染まることがない。<全き人>(如来)はお供えの菓子を受けるにふさわしい。

469 偽りもなく、慢心もなく、貪欲を離れ、わがものとして執著することなく、
欲望をもたず、怒りを除き、こころ静まり、憂いの垢を捨て去ったバラモンである
<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

470 こころの執著をすでに断って、何らとらわれるところがなく、
この世についてもかの世についてもとらわれることがない<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

471 こころをひとしく静かにして激流をわたり、最上の知見によって理法を知り、
煩悩の汚れを滅しつくして、最後の身体をたもっている<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

472 かれは、生存の汚れも、荒々しいことばも、除き去られ滅びてしまって、存在しない。
かれはヴェーダに通じた人であり、あらゆることがらに関して解脱している<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

473 執著を超えていて、執著をもたず、慢心にとらわれている者どものうちにあって慢心にとらわれることなく、
畑及び地所(苦しみの起る因縁)とともに苦しみを知りつくしている<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

474 欲望にもとづくことなく、遠ざかり離れることを見、他人の教える異なった見解を超越して、
何らこだわってとらわれることのない<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

475 あれこれ一切の事物をさとって、それらが除き去られ滅びてしまって存在しないで、
平安に帰し、執著を滅ぼしつくして解脱している<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

294:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:18:28


偽りもなく、慢心もなく、貪欲を離れ、わがものとして執著することなく、欲望をもたず、怒りを除き、こころ静まり、憂いの垢を捨て去った

こころの執著をすでに断って、何らとらわれるところがなく、この世についてもかの世についてもとらわれることがない

こころをひとしく静かにして激流をわたり、最上の知見によって理法を知り、煩悩の汚れを滅しつくして、最後の身体をたもっている
かれはヴェーダに通じた人であり、あらゆることがらに関して解脱している

執著を超えていて、執著をもたず、慢心にとらわれている者どものうちにあって慢心にとらわれることなく、

欲望にもとづくことなく、遠ざかり離れることを見、他人の教える異なった見解を超越して、何らこだわってとらわれることのない
あれこれ一切の事物をさとって、それらが除き去られ滅びてしまって存在しないで、平安に帰し、執著を滅ぼしつくして解脱している<全き人>

295:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:41:39
476 煩悩の束縛と迷いの生存への生れかわりとが滅び去った究極の境地を見、
愛欲の道を断って余すところなく、清らかにして、過ちなく、汚れなく、透明である
<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。

477 自己によって自己を観じ(それを)認めることなく、こころが等しくしずまり、身体が真直ぐで、
みずから安立し、動揺することなく、疑惑のない(全き人)(如来)は、お供えの供物を受けるにふさわしい。

478 迷妄にもとづいて起る障りは何ら存在せず、あらゆることがらについて智見あり、
最後の身体をたもち、めでたい無上のさとりを得、─これだけでも人の霊(タマシイ)は清らかとなる。
─(全き人)(如来)は、お供えの供物を受けるにふさわしい。」

479 「あなたのようなヴェーダの達人にお会いできたのですから、わが供物は真実の供物であれかし。
梵天こそ証人としてみそなわせ。先生! ねがわくはわたくしから受けてください。先生! ねがわくはわがお供えの菓子を召し上がってください。」

480 「詩を唱えて得たものを、わたくしは食うてはならない。バラモンよ、これは正しく見る人々
(目ざめた人々、諸仏)のなすきまりではない。詩を唱えて得たものを目ざめた人々(諸仏)は斥けたもう。
バラモンよ。このきまりが存するのであるから、これが(目ざめた人々、諸仏の)行いのしかた(実践法)である。

481 全き者である大仙人、煩悩の汚れをほろぼし尽し悪行による悔恨の消滅した人に対しては、
他の飲食をささげよ。けだしそれは功徳を積もうと望む者(福)田であるからである。」

482 「先生! わたくしのような者の施しを受け得る人、祭祀の時に探しもとめて供養すべき人、
をわたくしは─あなたの教えを受けて─どうか知りたいのです。」

296:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:43:30

煩悩の束縛と迷いの生存への生れかわりとが滅び去った究極の境地を見、
愛欲の道を断って余すところなく、清らかにして、過ちなく、汚れなく、透明である


自己によって自己を観じ(それを)認めることなく、こころが等しくしずまり、


迷妄にもとづいて起る障りは何ら存在せず、あらゆることがらについて智見あり、
最後の身体をたもち、めでたい無上のさとりを得、─これだけでも人の霊(タマシイ)は清らかとなる。



297:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:44:28
483 「争いを離れ、心に濁りなく、諸々の欲望を離脱し、ものうさ(無気力)を除き去った人、

484 限界を超えたもの(煩悩)を制し、生死を究め、聖者の特性を身に具えたそのような聖者が祭祀のために来たとき、

485 かれに対して眉をひそめて見下すことをやめ、合掌してかれを礼拝せよ。
飲食物をささげて、かれを供養せよ。このような施しは、成就して果報をもたらす。」

486 「目ざめた人(ブッダ)であるあなたさまは、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
あなたは最上の福田であり、全世界の布施を受ける人であります。あなたにさし上げた物は、果報が大きいです。」

 そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、尊き師にいった、
「すばらしいことです。ゴータマ(ブッダ)さま。すばらしいことです、ゴータマさま。
あたかも倒れた者を起こすように、覆われたものを開くように、方向に迷った者に道を示すように、
あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって暗闇の中に灯火をかかげるように、
ゴータマさまは種々のしかたで理法を明らかにされました。だから、わたくしはゴータマさまに帰依したてまつる。
また法と修行僧のつどい帰依したてまつる。わたくしはゴータマさまのもとで出家し、完全な戒律(具足戒) を受けたいものです。」
 そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、師のもとで出家し、完全な戒律を受けた。それからまもなく、
このスンダリカ・バーラドヴァーシャさんは独りで他から遠ざかり、怠ることなく精励し専心していたが、
まもなく、無上の清らかな行いの究極─諸々の立派な人たち(善男子)はそれを得るために
正しく家を出て家なき状態に赴いたのであるが─を現世においてみずからさとり、証し、具現して、
日を送った。「生まれることは尽きた。清らかな行いはすでに完成した。なすべきことをなしおえた。
もはや再びこのような生存を受けることはない」とさとった。そうしてスンダリカ・バーラドヴァーシャさんは聖者の一人となった。

298:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:45:39
 わたくしが聞いたところによると、─或るとき尊き師(ブッダ) は、王舎城の<鷲の峰>という山におられた。
そのときマーガ青年は師のおられるところに赴いた。そこに赴いて師に挨拶した。喜ばしい、思い出の挨拶の
ことばを交したのち、かれらは傍らに坐した。そこでマーガ青年は師に言った、─
 「ゴータマ(ブッダ)さま。わたくしは実に、与える人、施主であり、寛仁にして、他人からの施しの求めに応じ
、正しい法によって財を求めます。そのあとで、正しい法によって獲得して儲けた財物を、一人にも与え、
二人にも与え、三人にも与え、四人にも与え、五人にも与え、六人にも与え、七人にも与え、八人にも与え、
九人にも与え、十人にも与え、二十人にも与え、三十人にも与え、四十人にも与え、五十人にも与え、
百人にも与え、さらに多くの人にも与えます。ゴータマさま。わたくしがこのように与え、このようにささげるならば、多くの福徳を生ずるでしょうか。」
 「青年よ。実にあなたはそのように与え、そのようにささげるならば、、多くの福徳を生ずる。誰であろうとも、
実に、与える人、施主であり、寛仁にして、施しの求めに応じ、正しい法によって財わ求め、そのあとで、
法によって獲得して儲けた財物を、一人にも与え、さらにつづいては百人にも与え、さらに多くの人にも与える人は、多くの福徳を生ずるのである。」

299:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:46:50
487 マーガ青年がいった、「袈裟を着け家なくして歩む寛仁なるゴータマさまに、わたくしはお尋ねします。
この世で、施しの求めに応ずる在家の施主、福徳をめざして供物をささげ、他人に飲食物を与える人が、
祀りを実行するときには、何者にささげた供物が清らかとなるのでしょうか。」

488 尊い師は答えた、「マーガよ。施しの求めに応ずる在家の施主、福徳をもとめ福徳をめざして
供物をささげる人が、この世で他人に飲食物を与えるならば、まさに施与を受けるにふさわしい人々とともに目的を達成することになるであろう。」

489 マーガ青年はいった、「施しの求めに応ずる在家の施主、福徳をもとめ福徳をめざして供物をささげる人が、
この世で他人に飲食物を与えるに当って、<まさに施与を受けるにふさわしい人々>のことをわたしに説いてください。先生!」

490 実に執著することなく世間を歩み、無一物で、自己を制した<全き人>がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささけよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

491 一切の結び・縛めを断ち、みずから慎しみ、解脱し、苦しみなく、欲求のない人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささけよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

492 一切の結び・縛めから解き放たれ、みずから慎しみ、解脱し、苦しみなく、欲求のない人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

493 貪欲と嫌悪と迷妄とを捨てて、煩悩の汚れを減しつくし、清らかな行いを修めている人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

494 偽りもなく、慢心もなく、貪欲を離れ、わがものとして執することなく、欲望をもたぬ人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

300:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:48:00

解脱し、苦しみなく、欲求のない人々がいる。




301:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:48:46
495 実に諸々の愛執に耽らず、すでに激流をわたりおわって、わがものという執著なしに歩む人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

496 この世でもかの世でも、いかなる世界についても、移りかわる生存への妄執の存在しない人々がいる
。─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

497 諸々の欲望を捨てて、家なくして歩み、よくみずから制して、梭のように真直ぐな人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

498 欲望を離れ、諸々の感官をよく静かにたもち、月がラーフの捕われから脱したように(捕われることのない)人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

499 安らぎに帰して、貪欲を離れ、怒ることなく、この世で(生存の諸要素を)捨て去って
もはや(迷いの生存)に行く道のない人々がいる。─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。
─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

500 生と死とを捨てて余すところなく、あらゆる疑惑を超えた人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

302:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/05 19:49:21

生と死とを捨てて余すところなく、あらゆる疑惑を超えた人々

303:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 21:26:56
501 自己を洲(よりどころ)として世間を歩み、無一物で、あらゆることに関して解脱している人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

502 『これは(わたしの)最後の生存であり、もはや再び生を享けることはない』ということを、この世で如実にしっている人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

503 ヴェーダに通じ、安らいだ心を楽しみ、落ち着いて気を着けていて、全きさとりに達し、多くの人々に帰依されている人々がいる。
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。

504 (マーガがいった)、「実にわたくしの質問はむだではありませんでした。尊き師は、まさに施与を受けるにふさわしい人々のことを、
わたくしに説いてくださいました。先生! あなたはこの世ですべてのことがらを如実にしっておられます。あなたはこの理法を知っておられるからです。」

505 マーガ青年が(さらにつづけて)いった、「この世で施しの求めに応ずる在家の施主、
福徳をもとめ福徳をめざして供物をささげる人が、他人に飲食を与えるに当って、
どうしたならば祀りが成功成就するかということをわたくしに説いてください。先生!」

506 尊き師(ブッダ)は答えた、「マーガよ。祀りを行え。祀り実行者はあらゆる場合に心を清らしめよ。
祀り実行者の専心することは祀りである。かれはここに安立して邪悪を捨てる。

507 かれは貪欲を離れ、憎悪を制し、無量の慈しみの心を起して、日夜つねに怠らず、
無量の(慈しみの)心をあらゆる方角にみなぎらせる。」

304:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 21:31:03

自己を洲(よりどころ)として世間を歩み、無一物で、あらゆることに関して解脱している人々がいる。

『これは(わたしの)最後の生存であり、もはや再び生を享けることはない』

ヴェーダに通じ、安らいだ心を楽しみ、落ち着いて気を着けていて、全きさとりに達し、多くの人々に帰依されている人々がいる。

尊き師(ブッダ)は答えた、「マーガよ。祀りを行え。祀り実行者はあらゆる場合に心を清らしめよ。
祀り実行者の専心することは祀りである。かれはここに安立して邪悪を捨てる。


305:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 21:32:02
508 (マーガがいった)、「誰が清らかとなり、解脱するのですか? 誰が縛せられるのですか? 
何によってひとはみずから梵天界に至るのですか? 聖者よ、お尋ねしますが、わたくしは知らないのですから、
説いてください。尊き師は、わたくしの<あかし>です。わたくしは今梵天をまのあたり見たのです。
真にあなたはわれわれにとっては梵天に等しいかただからです。光輝ある方よ。どうしたならば、梵天界に生まれるのでしょうか?」

509 尊き師は答えた、「マーガよ。三種の条件を具えた完全な祀りを実行するそのような人は、
施与を受けるにふさわしい人々を喜ばせる。施しの求めに応ずる人が、このように正しく祀りを行うならば、梵天界に生まれる、と、わたくしは説く。」

 このように説かれたときに、マーガ青年は師にいった、「すばらしいことです。ゴータマ(ブッダ)さま。
すばらしいことです。ゴータマさま。あたかも倒れた者を起こすように、覆われたものを開くように、
方角に迷った者に道を示すように、あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって
暗闇の中で灯火をかかげるように、ゴータマさま種々のしかたで真理を明らかにされました。
だから、わたくしはゴータマさまに帰依したてまつる。また真理と修行僧のつどいとに帰依したてまつる。
ゴータマさまはわたくしを在家信者として受け入れてください。今日から命の続く限り帰依いたします。」

306:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 21:33:29

尊き師は答えた、「そのような人は、・・・・・・・・・・・
梵天界に生まれる、と、わたくしは説く。」

307:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 23:24:26
 わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師(ブッダ)は王舎城の竹園林にある栗鼠飼養の所に住んでおられた。
そのとき遍歴の行者サビヤに、昔の血縁者であるが(今は神となっている)一人の神が質問を発した、
─「サビヤよ。<道の人>であろうとも、バラモンであろうとも、汝が質問したときに明確に答えることのできる人がいるならば、
汝はその人のもとで清らかな行いを修めなさい」と。そこで遍歴の行者サビヤは、その神からそれらの質問を受けて、
次の[六師]のもとに至って質問を発した。すなわちプーラナ・カッサパ、マッカリ・ゴーサーラ、アジタ・ケーサカンバリ、
パクダ・カッチャーヤナ、ベッラーッティ族の子であるサンジャヤ、ナータ族の子であるニガタとであるが、かれは<道の人>
あるいはバラモンであり、衆徒をひきい、団体の師であり、有名で名声あり、教派の開祖であり、多くの人々から立派な人として崇められていた。

[しかるに]かれらは、遍歴の行者サビヤに質問されても、満足に答えることができなかった。そうして、
怒りと嫌悪と憂いの色をあらわしたのみならず、かえって遍歴の行者サビヤに反問した。そこで遍歴の行者サビヤはこのように考えた、
「これらの<道の人>またはバラモンであられる方々は衆徒をひきい、団体の師であり、有名で名声あり、教派の開祖であり、
多くの人々から立派な人として崇められている。かれら、すなわちプーラナ・カッサパからさらについにナータ族の子である
ニガンタに至るまで人々は、わたしに質問されても、満足に答えることが出来なかった。満足に答えることができないで、
怒りと嫌悪と憂いの色をあらわにしたのみならず、わたしに反問した。さあ、わたしは低く劣った状態(在俗の状態)に戻って諸々の欲望を享楽することにしょう」と。

 そのとき遍歴の行者サビヤはまたこのように考えた、「ここにおられる<道の人>ゴータマもまた衆徒をひきい、団体の師であり、
有名で名声あり、教派の開祖であり、多くの人々から立派な人として崇められている。さあ、わたしは<道の人>ゴータマに近づいて、これらの質問を発することにしよう」と。




308:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 23:25:17
 さらに遍歴の行者であるサビヤは次のように考えた、「ここにおられる<道の人>・バラモンがたは、
年老いて、年長け、老いぼれて、年を重ね、老齢に達しているが、長老であり、経験を積み、出家してからすでに久しく、
衆徒をひきい、団体の師であり、有名で名声あり、教派の開祖であり、多くの人々から立派な人として崇められている。
すなわちプーラナ・カッサパからさらにナータ族の子ニガンダに至るまでの人々であるが、かれらは、わたくしに質問されても、
満足に答えることができなかった。満足に答えられないで、怒りと嫌悪と憂いの色をあらわしたのみならず、
かえってそこでわたくしに反問した。<道の人>ゴータマはわたくしの発したこれらの質問に明確に答え得るであろうか。
<道の人>ゴータマは生年も若いし、出家したのも新しいことだからである」と。

 次いで遍歴の行者サビヤはこのように考えた、「<道の人>は若いからといって侮ってはならない。軽蔑してはならない。
たといかれが若い<道の人>であっても、かれは大神通があり、大威力がある。さあ、わたしは<道の人>ゴータマのもとに赴いて、この質問を発してみよう」と。

 そこで遍歴の行者サビヤは王舎城に向かって順次に歩みを進め、王舎城の竹園林にある栗鼠飼養所に
おられる尊き師(ブッダ)のもとに赴いた。そうして、師に挨拶した。喜ばしい、思い出の挨拶のことばを交わしたのち、
かれは傍らに坐した。それから遍歴の行者サビヤは師に詩を以て呼びかけた。─

510 サビヤがいった、「疑いがあり、惑いがあるので、わたくしは質問しょう

309:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/06 23:26:26
510 サビヤがいった、「疑いがあり、惑いがあるので、わたくしは質問しょうと願って、ここに来ました。
わたくしのためにそれを解決してください。わたくしが質問したならば、順次に、適切に、明確に答えてください。」

511 師は答えた、「サビヤよ。あなたは質問しようと願って、遠くからやって来ましたね。あなたのために、
それを解決してあげましょう。あなたが質問したならば、順次に、適切に、明確に答えましょう。

512 サビヤよ。何でも心の中で思っていることを、わたくしに質問なさい。わたくしは一つ一つ質問を解決してあげましょう。」

 そのとき遍歴の行者であるサビヤはこのように考えた、「まことにすばらしいことだ。まことに珍しいことだ、
─わたくしが他の<道の人>たち、バラモンたちのところでは機会さえも得られなかったのに、道の人ゴータマがこの機会を与えてくれた」と。かれは、こころ喜び、楽しく、嬉しく、欣快の心を生じて、師に質問した。

513 サビヤがいった、「<修行僧>とは何ものを得た人のことをいうのですか? 何によって<温和な人>となるのですか? 
どのようにしたならば、<自己を制した人>と呼ばれるのですか? どうして<目ざめた人>(ブッダ)と呼ばれるのですか? 
先生! おたずねしますが、わたくしに説明してください。」

514 師は答えた、「サビヤよ。みずから道を修して完全な安らぎに達し、疑いを超え、生存と衰滅とを捨て、
(清らかな行いに)安立して、迷いの世の再生を滅ぼしつくした人、─かれが<修行僧>である。

515 あらゆることがらに関して平静であり、こころを落ち着け、全世界のうちで何ものをも害うことなく、
流れをわたり、濁りなく、情欲の昂まり増すことのない<道の人>、─かれは<温和な人>である。

310:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/07 16:59:15
516 全世界のうちで内面的にも外面的にも諸々の感官を修養し、この世とかの世とを厭(いと)い離れ
身を修めて、死ぬ時の到来を願っている人、─かれは(自己を制した人)である。

517 あらゆる宇宙時期と輪廻と(生ある者の)生と死とを二つながら思惟弁別して、
塵を離れ、汚れなく、清らかで、生を滅ぼしつくすに至った人、─彼を(目ざめた人)(ブッダ)という」
 そこで、遍歴の行者であるサビヤは、師の説かれたことをよろこび
、随喜し、こころ喜び、楽しく、嬉しく、欣快の心を生じて、さらに師に質問を発した。

518 サビヤがいった、「何を得た人を<バラモン>と呼ぶのですか? 何によって<道の人>と呼ぶのですか? 
どうして<沐浴をすませた者>と呼ぶのですか? どうして<竜>と呼ぶのですか? 
先生! おたずねしますが、わたくしに説明してください。」

519 師が答えた、「サビヤよ。一切の悪を斥け、汚れなく、よく心をしずめ持って、みずから安立し、
輪廻を超えて完全な者となり、こだわることのない人、─このような人は<バラモン>と呼ばれる。

520 安らぎに帰して、善悪を捨て去り、塵を離れ、この世とかの世とを知り、生と死とを超越した人、
─このような人がまさにその故に<道の人>と呼ばれる。

521 全世界のうちで内面的にも外面的にも一切の罪悪を洗い落とし、時間に支配される神々と
人間とのうちにありながら妄想分別におもむかない人、─かれを(沐浴をすませた者)と呼ぶ。

311:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/07 17:01:16

全世界のうちで内面的にも外面的にも諸々の感官を修養し、この世とかの世とを厭(いと)い離れ、
身を修めて、死ぬ時の到来を願っている人、─かれは(自己を制した人)である。

あらゆる宇宙時期と輪廻と(生ある者の)生と死とを二つながら思惟弁別して、
塵を離れ、汚れなく、清らかで、生を滅ぼしつくすに至った人、─彼を(目ざめた人)(ブッダ)という」



師が答えた、「、輪廻を超えて完全な者となり、こだわることのない人、─このような人は<バラモン>と呼ばれる。
生と死とを超越した人、─このような人がまさにその故に<道の人>と呼ばれる。

時間に支配される神々と人間とのうちにありながら妄想分別におもむかない人、─かれを(沐浴をすませた者)と呼ぶ。

312:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/07 17:04:07
522 世間のうちにあっていかなる罪悪をもつくらず、一切の結び目・束縛を捨て去り、
いかなることにもとらわれることなく解脱している人、─このような人はまさにその故に<竜>とよばける。」
 そこで、遍歴の行者サビヤは師の諸説をよろこび随喜し、こころ喜び、楽しく、嬉しく、欣快の心を生じて、さらに師に質問を発した。

523 サビヤがいった、「諸々の目ざめた人(ブッダ)は誰を<田の勝者>と呼ぶのですか? 
何によって巧みなのですか? どうして<賢者>なのですか? どうして<聖者>と呼ばれるのですか?
 先生! おたずねしますが、わたくしに説明してください。」

524 師が答えた、「サビヤよ。天の田・梵天の田という一切の田を弁別して、
一切の田の根本の束縛から離脱した人、─このような人がまさにその故に<田の勝者>と呼ばれるのである。

525 天の蔵・人の蔵・梵天の蔵なる一切の蔵を弁別して、一切の蔵の根本の束縛から離脱した人、
─このような人がまさにその故に(巧みな人)とよばれるのである。

526 内面的にも外面的にも二つながらの白く浄らかなものを弁別して、清らかな知慧あり
、黒と白(善悪業)を超越した人はまさにその故に(賢者)と呼ばれる。

527 全世界のうちで内面的にも外面的にも生邪の道理を知っていて、
人間と神々の崇敬を受け、執著の網を超えた人、─かれは<聖者>である。」
 そこで、遍歴の行者サビヤは師の諸説をよろこび随喜し、こころ喜び、楽しく、
嬉しく、欣快の心を生じて、さらに師に質問を発した。

313:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/07 17:05:43

いかなることにもとらわれることなく解脱している人、─このような人はまさにその故に<竜>とよばける。」


一切の田の根本の束縛から離脱した人、

一切の蔵の根本の束縛から離脱した人、
清らかな知慧あり、黒と白(善悪業)を超越した人はまさにその故に(賢者)と呼ばれる。

全世界のうちで内面的にも外面的にも生邪の道理を知っていて、
人間と神々の崇敬を受け、執著の網を超えた人、─かれは<聖者>である。」


314:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/07 17:15:33
528 サビヤがいった、「何を得た人を<ヴェーダの達人>とよぶのですか? 
何によって<知りつくした人>となるのですか? いかにして<勤め励む者>となるのですか? 
<育ちの良い人>とはそもそも何ですか? 先生! おたずねしますが、どうかわたくしに説明してください。」

529 師が答えた、「サビヤよ、道の人ならびにバラモンどもの有するすべてのヴェーダを弁別して、
一切の感受したものに対する貪りを離れ、一切の感受を超えている人、─かれは<ヴェーダの達人>である。

530 内的には差別的<妄想とそれにもとづく名称と形態>とを究め知って、また外的には病いの根源を究め知って、
一切の病いの根源である束縛から脱れている人、─そのような人が、まさにその故に<知りつくした人>と呼ばれるのである。

531 この世で一切の罪悪を離れ、地獄の責苦を超えて努め励む者、精励する賢者、─そのような人が<勤め励む者>と呼ばれるのである。

532 内面的にも外面的にも執著の根源である諸々の束縛を断ち切り、一切の執著の根源である束縛から脱れている人、
─そのような人が、まさにその故に<育ちの良い人>と呼ばれるのである。」
 そこで、遍歴の行者サビヤは師の諸説をよろこび随喜し、こころ喜び、楽しく、嬉しく、欣快の心を生じて、さらに師に質問を発した。

533 サビヤがいった、「何を得た人を<学識ある人>と呼ぶのですか? 何によって<すぐれた人>となるのですか?
 またいかにして<行いの具わった人>となるのですか? <遍歴行者>とはそもそも何ですか? 先生! おたずねしますが、わたくしに説明してください。」

534 師が答えた、「サビヤよ。教えを聞きおわって、世間における欠点あり或いは欠点のない
ありとあらゆることがらを熟知して、あらゆることがらについて征服者・疑惑のない者・解脱した者、煩悩に悩まされない者を、<学識のある人>と呼ぶ。



315:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/07 17:18:44

すべてのヴェーダを弁別して、一切の感受したものに対する貪りを離れ、
一切の感受を超えている人、─<ヴェーダの達人>である。

内的には差別的<妄想とそれにもとづく名称と形態>とを究め知って、
また外的には病いの根源を究め知って、一切の病いの根源である束縛から脱れている人

内面的にも外面的にも執著の根源である諸々の束縛を断ち切り、一切の執著の根源である束縛から脱れている人、

あらゆることがらについて征服者・疑惑のない者・解脱した者、煩悩に悩まされない者を、<学識のある人>


316:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/09 16:51:09
535 諸々の汚れと執著のよりどころを断ち、智に達した人は、母胎に赴くことがない。
三種想いと汚泥とを除き断って、妄想分別に赴かない、─かれを<すぐれた人>と呼ぶ。

536 この世において諸々の実践を実行し、有能であって、常に理法を知り、いかなることがらにも執著せず、
解脱していて、害しようとする心の存在しない人、─かれは<行いの具わった人>である。

537 上にも下にも横にも中央にも、およそ苦しみの報いを受ける行為を回避して、よく知りつくして行い、
偽りと慢心と貪欲と怒りと<名称と形態>(個体のもと)とを滅ぼしつくし、得べきものを得た人、─かれを<遍歴の行者>と呼ぶ。」
 そこで、遍歴の行者サビヤは師の諸説をよろこび随喜し、こころ喜び、楽しく、嬉しく、欣快の心を生じて、
座から起ち上って、上衣を一方の肩にかけ(右肩をあらわし)、師に向かって合掌して、ふさわしい詩を以て目のあたり師を讃嘆した。

538 「智慧ゆたかな方よ。諸々の<道の人>の論争にとらわれた、名称と文字と表象とに
もとづいて起った六十三種の異説を伏して、激流をわたのたもうた。

539 あなたは苦しみを滅ぼし、彼岸に達せられた方です。あなたは真の人(拝まれる人)です。
あなたは完全にさとりを開かれた方です。あなたは煩悩の汚れを滅ぼされた方だと思います。
あなたは光輝あり、理解あり、智慧ゆたかな方です。苦しみを滅ぼした方よ。あなたはわたくしを救ってくださいました。

540 あなたはわたくしに疑惑のあるのを知って、わたくしの疑いをはらしてくださいました。
わたくしはあなたに敬礼します。聖者の道の奥をきわめた人よ。心に荒みなき、太陽の末裔よ。あなたはやさしい方です。

317:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/09 16:53:25

智に達した人は、母胎に赴くことがない。三種想いと汚泥とを除き断って、妄想分別に赴かない

常に理法を知り、いかなることがらにも執著せず、解脱していて、害しようとする心の存在しない人

<名称と形態>(個体のもと)とを滅ぼしつくし、得べきものを得た人



318:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/09 16:54:39
541 わたくしが昔いだいていた疑問をあなたははっきりと説き明してくださいました。眼ある方よ。
聖者よ。まことにあなたは<さとりを開いた人>です。あなたは、妨げの覆いがありません。

542 あなたの悩み悶えは、すべて破られ断たれています。あなたは清涼となり、
身を制し、堅固で、誠実に行動する方です。

543 象の中の象王であり偉大な英雄であるあなたが説くときには、
すべて神々は、ナーラダ、パッバタの両[神群]とともに随喜します。

544 尊い方よ。あなたに敬礼します。最上の人よ。あなたに敬礼します。
神々を含めた全世界のうちで、あなたに比べられる人はおりません。

545 あなたは覚った人です。あなたは師です。あなたは悪魔の征服者です、賢者です。
あなたは煩悩の潜在的な可能力を断って、みずから[彼岸に]渡りおわり、またこの人々を渡すのです。

546 あなたは生存の要因を超越し、諸々の煩悩の汚れを滅ぼしておられます、あなたは獅子です。
何ものにもとらわれず、恐れおののきを捨てておられます。

547 麗しい百蓮華が泥水に染まらないように、あなたは善悪の両者に汚されません、
雄々しき人よ、両足をお伸ばしなさい。サビヤは師を礼拝します。」

 そこで、遍歴の行者サビヤは尊き師(ブッダ)の両足に頭をつけて礼して、言った、
─「すばらしいことです、譬えば倒れた者を起こすように、覆われたものを開くように、
方角に迷った者に道を示すように、あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』と
いって暗闇の中で灯火をかかげるように、ゴータマさま種々のしかたで真理を明らかにされました。
ここでわたくしはゴータマ(ブッダ)さまに帰依したてまつる。また真理と修行僧のつどいとに帰依したてまつる。
わたくしは師のもとで出家したいのです。完全な戒律を受けたいのです。」

319:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/09 16:56:56
 (師はいわれた)、
「サビヤよ。かって異説の徒であった者が、この教えと戒律とにおいて出家しようと望み、
完全な戒律を受けようと望むならば、かれは四カ月の間別に住む。四カ月たってから、
もういいな、と思ったならば、諸々の修行僧はかれを出家させ、完全な戒律を受けさせて、
修行僧となるようにさせる。しかしこの場合は、人によって(期間の)差異のあることが認められる。」

 「尊いお方さま。もしもかつて異説の徒であった者が、この教えと戒律とにおいて出家しようと望み、
完全な戒律を受けようと望むならば、かれは四カ月の間別に住み、四カ月たってから、もういいな、
と思ったならば、諸々の修行僧がかれを出家させ、完全な戒律を受けさせて、修行僧となるよう
にさせるのであるならば、わたくしは(四カ月ではなくて)、四年間別に住みましょう。そうして四年
たってから、もういいな、と思ったならば、諸々の修行僧はわたくしを出家させて、
完全な戒律を受けさせて、修行僧となるようにさせてください。」

 さて遍歴の行者サビヤは(直ちに)師のもとで出家し、完全な戒律を受けた。それからまもなく、
この長者サビヤは独りで他人から遠ざかり、怠ることなく精励し専心していたが、
やがて無上の清らかな行いの究極─諸々の立派に人々はそれを得るために正しく家を出て
家なき状態に赴いたのであるが─を現世においてみずからさとり、証し、具現して日を送った。


「生まれることは尽きた。清らかな行いはすでに完成した。なすべきことをなしおえた。
もはや再びこのような生存を受けることはない」とさとった。そうしてサビヤ長老は聖者の一人となった。

320:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:00:25
わたくしが聞いたところによると、─或るとき師は大勢の修行僧千二百五十人とともにアングッタラーパ
[という地方]を遍歴して、アーバナと名づけるアングッタラーパの或る町に入られた。結髪の行者ケーニヤは
こういうことを聞いた、「シャカ族の子である<道の人>ゴータマ(ブッダ)は、シャカ族の家から出家して、
修行僧千二百五十人の大きなつどいとともに、アングッタラーパを遍歴して、アーバナに達した。
そのゴータマさまには、次のような好い名声がおとずれている。─すなわち、かの師は、
真の人・さとりを開いた人・明知と行いを具えた人・幸せな人・世間を知った人・無上の人・人々を
調える御者・神々と人間との師・目ざめた人(ブッダ)・尊い師であるといわれる。かれは、みずからさとり、
体得して、神々・悪魔・梵天を含むこの世界や<道の人>・バラモン・神々・人間を含む生けるものどもに教えを説く。

かれは、初めも善く、中ほども善く、終りも善く、意義も文字もよく具わっている教えを説き、完全円満で
清らかな行いを説き明かす、と。ではそのような立派な尊敬さるべき人に見えるのは幸せ、みごとな善いことだ。」

 そこで結髪の行者ケーニヤは師のおられるところに赴いた。そうして、師に挨拶した。喜ばしい、思い出の挨拶の
ことばを交わしたのち、かれは傍らに坐した結髪の行者ケーニヤに対して師は法に関する話を説いて、指導し、
元気づけ、喜ばされた。結髪の行者ケーニヤは、師に法に関する話を説かれ、指導され、元気づけられ、喜ばされて、
師にこのように言った、「ゴータマさまは修行僧の方々とともに、明日わたくしのささげる食物をお受けください。」

321:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:01:19
 そのように告げられて、師は結髪の行者ケーニヤに向かって言われた、
「ケーニヤよ。修行僧のつどいは大勢で、千二百五十人もいます。またあなたはバラモンがたを信奉しています。」

 結髪の行者ケーニヤは再び師に言った、「ゴータマさま。修行僧の方々は大勢で、
千二百五十人もいるし、またわたくしはバラモンがたを信奉していますが、
しかしゴータマさまは修行僧の方々とともに、明日わたくしのささげる食物をお受けください。」

 師は結髪の行者ケーニヤに再び言われた、「ケーニヤよ。修行僧のつどいは大勢で、
千二百五十人もいます。またあなたはバラモンがたを信奉しています。」

 結髪の行者ケーニヤは三たび師に言った、「ゴータマさま。修行僧のつどいは大勢で、
千二百五十人もいるし、またわたくしはバラモンがたを信奉していますが、
しかしゴータマさまは修行僧の方々とともに、明日わたくしのささげる食物をお受けください。」
師は沈黙によって承諾された。

 そこで結髪の行者ケーニヤは、師が承諾されたのを知って、座から起って、自分の庵に赴いた。
それから、友人・朋輩・近親・親族に告げていった、「友人・朋輩・近親・親族の皆さん。わたくしの
ことばをお聞きなさい。わたくしは<道の人>ゴータマを修行僧の方々とともに、明日の食事に招
待しました。だから皆さんは、身を動かしてわたくしに手伝ってください。」

 結髪の行者ケーニヤの友人・朋輩・近親・親族は、「承知しました」と、かれに答えて、或る者は竈
の坑を掘り、或る者は薪を割り、或る者は器を洗い、或る者は水瓶を備えつけ、或る者は座席を設
けた。また結髪の行者ケーニヤはみずから(白い帳を垂れた)円い集会場をしつらえた。

322:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:02:28
 ところでそのときセーラ・バラモンはアーバナに住んでいたが、かれは三ヴェーダの奥義に達し、
語彙論・活用論・音韻論・語源論(第四のアタルヴァ・ヴェーダと)第五としての史詩に達し、語句と文
法に通じ、順世論や偉人の観相に通達し、三百人の少年にヴェーダの聖句を教えていた。そのとき
結髪の行者ケーニヤはセーラ・バラモンを信奉していた。

 ときにセーラ・バラモンは三百人の少年に取り巻かれていたが、(長く坐っていたために生じた疲労
を除くために)膝を伸ばす散歩をし、あちこち歩んでいたが、結髪の行者ケーニヤの庵に近づいた。
そこでセーラ・バラモンは、ケーニヤの庵に属する結髪の行者たちが、或る者は竈の坑を掘り、
或る者は薪を割り、或る者は器を洗い、或る者は水瓶を備えつけ、或る者は座席を設け、
また結髪の行者ケーニヤはみずから円い集会場をしつらえているのを見た。見てから結髪の
行者ケーニヤに問うた、「ケーニヤさんは息子の嫁取りがあるのでしょうか? あるいは息女の
嫁入りがあるのでしょうか? 大きな祭祀が近く行われるのですか? 
あるいはマガダ王セーニヤ・ビンビサーラが軍隊とともに明日の食事に招待されたのですか?」



323:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:03:38
 「セーラよ。わたくしには息子の嫁取りがあるのでもなく、息女の嫁入りがあるのでもなく、
マガダ王セーニヤ・ビンビサーラが軍隊とともに明日の食事に招かれているのでもありません。
そうではなくて、わたくしは近く大きな祭祀を行うことになっています。シャカ族の子・道の人ゴータマ(ブッダ)は、
シャカ族の家から出家して、アングッタラーパ国を遊歩して、大勢の修行僧千二百五十人とともに
アーバナに達しました。そのゴータマさまには次のような好い名声がおとずれている。
─すなわち、かの師は、真の人・さとりを開いた人・明知と行いを具えた人・幸せな人・世間を知った人・
無上の人・人々を調える御者・神々と人間との師・目ざめた人(ブッダ)・尊き師であるといわれる。
わたくしはあの方を修行僧らとともに明日の食事に招きました。」

 「ケーニヤさん。あなたはかれを<目ざめた人>(ブッダ)と呼ぶのか?」
 「セーラさん。わたくしはかれを<目ざめた人>と呼びます。」
 「ケーニヤさん。あなたはかれを<目ざめた人>と呼ぶのか?」
 「セーラさん。わたくしはかれを<目ざめた人>と呼びます。」

 そのときセーラ・バラモンは心に思った。「<目ざめた人>という語を聞くことは、世間においてはむずかしいのである。
ところでわれわれの聖典の中に偉人の相が三十二伝えられている。それを具えている偉人にはただ二つの途があるのみで、
その他の途はありえない。[第一に]もしもかれが在家の生活を営むならば、かれは転輪王となり、
正義を守る正義の王として四方を征服して、国土人民を安定させ、七宝を具有するに至る。すなわちかれは
輪という宝・象という宝・馬という宝・珠という宝・資産者という宝・及び第七に指揮者という宝が現われるのである。
またかれには千人以上の子があり、みな勇敢で雄々しく、外敵をうち砕く。かれは、四海の果てるに至るまで、
この大地を武力によらず刀剣を用いずに、正義によって征服して支配する。[第二に]しかしながら、
もしもかれが家から出て出家者となるならば、真の人・覚りを開いた人となり、世間における諸々の煩悩の覆いをとり除く」と。

324:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:05:09
 「ケーニヤさん。では真の人・覚りを聞いた人であられるゴータマさまは、いまどこにおられるのですか?」
 かれがこのように言ったときに、結髪の行者ケーニヤは、右腕を差し伸ばして、セーラ・バラモンに告げていった、
「セーラさん。この方角に当って一帯の青い林があります。(そこにゴータマさまはおられるのです)。」

 そこでセーラ・バラモンは三百人の少年とともに師のおられるところに赴いた。
そのときセーラ・バラモンはそれらの少年たちに告げていった、「きみたちは(急がすに)小股に歩いて、
響きを立てないで来なさい。諸々の尊き師は獅子のように独り歩む者であり、近づきがたいからです。
そうしてわたしが<道の人>ゴータマと話しているときに、きみたちは途中でことばを挿んではならない。
きみたちはわたしの話が終るのを待て。」

 さてセーラ・バラモンは尊き師のおられるところに赴いた。そこで、師に挨拶した。喜ばしい、
思い出の挨拶のことばを交わしたのち、かれは傍らに坐した。それから、セーラ・バラモンは
師の身に三十二の<偉人の相>があるかどうかを探した。セーラ・バラモンは、師の身体に、
ただ二つの相を除いて、三十二の偉人の相が殆んど具わっているのを見た。
ただ二つの<偉人の相>に関しては、(それらがはたして師にあるかどうかを)かれは疑い惑い、
(<目ざめた人(ブッダ)>)であるということを)信用せず、
信仰しなかった。その二つとは体の膜の中におさめられた隠所と広長舌相とである。



325:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:05:32
 そのとき師は思った、「このセーラ・バラモンはわが身に三十二の偉人の相を殆んど見つけているが、
ただ二つの相を見ていない。ただ体の膜の中におさめられた隠所と広長舌相という二つの偉人の相に関しては、
(それらがはたしてわたくしの身にあるかどうかを)かれは疑い惑い、(目ざめた人(ブッダ)であるということを)信用せず、信仰してしない」と。

 そこで師は、セーラ・バラモンが師の体の膜の中におさめられた隠所を見得るような神通を示現した。
次に師は舌を出し、舌で両耳孔を上下になめまわし、両耳孔を上下になめまわし、前の額を一面に舌で撫でた。

 そこでセーラ・バラモンは思った、─「道の人ゴータマは三十二の偉人の相を完全に身に具えていて、
不完全ではない。しかしわたしは、『かれがブッダであるか否か』ということをまだ知らない。ただわたしは、
年老い齢高く師またはその師であるバラモンたちが『諸々の<尊敬さるべき人、完全な覚りを開いた人>は、
自分が讃嘆されるときには、自身を示現する』と語るのを聞いたことがある。さあ、わたしは、適当な詩を以て、
<道の人>ゴータマ(ブッダ)をその面前において讃嘆しましょう」と。
そこでセーラ・バラモンはふさわしい詩を以て尊き師をその面前において讃嘆した。─

326:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:12:48
548 「先生! あなたは身体が完全であり、よく輝き、生れも良く、見た目も美しい。
黄金の色があり、歯は極めて白い。あなたは精力ある人です。

549 実に、生れの良い人の具えるすがた・かたちは、すべて、偉人の相として、あなたの身体のうちにあります。

550 あなたは、眼が清らかに、容貌も美しく、(身体は)大きく、真っ直ぐで、
光輝あり、<道の人>の群の中にあって、太陽のように輝いています。

551 あなたは見るも美しい修行者(比丘)で、その膚は黄金のようです。
このように容色が優れているのに、どうして<道の人>となる必要がありましょうか。

552 あなたは転輪王(世界を支配する帝王)となって、戦車兵の主となり、
四方を征服し、ジャンブ州(全インド)の支配者となるべきです。

553 クシャトリヤ(王侯たち)や地方の王どもは、あなたに忠誠を誓うでしょう。
ゴータマ(ブッダ)よ。王の中の王としてね人類の帝王として、統治をなさってください。」

554 師(ブッダ)は答えた、「セーラよ。わたくしは王ではありますが、無上の真理の王です。
真理によって輪をまわすのです。─(だれも)反転しえない輪を。」

555 セーラ・バラモンがいった、「あなたは<完全にさとった者>であると、みずから称しておられます。
ゴータマ(ブッダ)よ。あなたは『われは<無上の真理の王>であり、法によって輪をまわす』と説いておられます。

556 では、誰が、あなたの将軍なのですか? 師の相続者である弟子は、誰ですか? 
あなたがまわされたこの<真理の輪>を、誰が(あなたに)つづいてまわすのですか?」

557 師が答えた、「セーラよ。わたしがまわした輪、すなわち無上の<真理の輪>
(法輪)を、サーリプッタがまわす。かれは<全き人>につづいて出現した人です。



327:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:14:08

無上の真理の王です。
真理によって輪をまわすのです。─(だれも)反転しえない輪を。」


わたしがまわした輪、すなわち無上の<真理の輪>
(法輪)を、サーリプッタがまわす。かれは<全き人>につづいて出現した人です。

328:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:15:31
558 わたしは、知らねばならぬことをすでに知り、修むべきことをすでに修め、
断つべきことをすでに断ってしまった。それ故に、わたしは<さとった人>(ブッダ)である。バラモンよ。

559 わたしに対する疑惑をなくせよ。バラモンよ。わたしを信ぜよ。
もろもろの<さとりを開いた人>に、しばしば見えることは、いともむずかしい。

560 かれは(さとりを開いた人々)が、しばしば世に出現することは、そなたらにとって、
いとも得がたいことであるが、わたしは、その<さとった人>なのである。バラモンよ、
わたしは(煩悩の)矢を抜き去る最上の人である。

561 わたしは神聖な者であり、無比であり、悪魔の軍勢を撃破し、
あらゆる敵を降服させて、なにものをも恐れることなしに喜ぶ。」

562 (セーラは弟子どもに告げていった)、─「きみたちよ。眼ある人の語るところを聞け。
かれは(煩悩の)矢を断った人であり、偉大な健き人である。あたかも、獅子が林の中で吼えるようなものである。

563 神聖な者、無比なる者、悪魔の軍勢を撃破する者、を見ては、
だれが信ずる心をいだかないであろうか。たとい、色の黒い種族の生れの者でも、(信ずるであろう)。

564 従おうと欲する者は、われにわれに従え。また従いたくない者は、去れ。
わたしもすぐれた智慧ある人のもとで出家しましょう。」

565 (セーラの弟子どもが言った)、─「もしもこの<完全にさとった人>の教えを、
先生が喜ばれるのでしたら、わたくしたちもまた、すぐれた智慧ある人のもとで、出家しましょう。」

566 (セーラは言った)、─「これら三百人のバラモンたちは、合掌してお願いしています。
『先生! わたくしたちは、あなたのみもとで、清らかな行いを実践しましょう。』

567 師(ブッダ)が答えた─「セーラよ。清らかな行いが、みごとに説かれている。
それは目のあたり、即時に果報をもたらす。怠りなく道を学ぶ人が、出家して(清らかな行いを修めるのは)空しくはない」

329:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/11 14:17:59
568 火への供養は祭祀のうちで最上のものである。サーヴィトリー[讃歌]は
ヴェーダの詩句のうちで最上のものである。王は人間のうちでは最上の者である。大洋は、諸河川のうちで最上のものである。

569 月は、諸々の星のうちで最上のものである。太陽は、輝くもののうちで最上のものである。
修行僧の集いは、功徳を望んで供養を行う人々にとって最上のものである。

 師はこれらの詩を唱えて結髪の行者ケーニヤに喜びの意を示して、座から起って、去って行かれた。

 そこでセーラさんは、自分の仲間とともに、独りで他人から遠ざかり、怠ることなく、
精励し専心していたが、まもなく─諸々の立派な人々がそれらを得るために正しく
家を出て家なきに赴く目的であるところの─無上の清らかな行いの究極を現世に
おいてみずからさとり、得し、具現していた。「(迷いの生存のうちに)生まれることは消滅した。
清らかな行いはすでに完成した。なすべきことをなしおえた。もはや再びこのような生存を
受けることはない」とさとったそしてセーラさんとその仲間とは、聖者の一人一人となった。

 そののちセーラさんはその仲間とともに師のおられるところに赴いた。そうして、
衣を一方の(左の)肩にかけて[右肩を洗わして]、師に向かって合掌し、次の詩を以て師に呼びかけた。─

570 「先生! 眼ある方よ。今から八日以前に、われらはあなたに帰依しましたが、
七日のあいだに、われらはあなたの教えの中で身をととのえました。

571 あなたは覚った方(ブッダ)です。あなたは師です。あなたは悪魔を征服した聖者です。
あなたは煩悩の潜在的な可能力を断って、みずから渡りおわり、またこの人々を渡してくださいます。

572 あなたは生存の素因を超越し、諸々の煩悩の汚れを滅ぼしておられます。
あなたは執著することのない獅子のようです。恐れおののきを捨てておられます。

573 これら三百人の修行僧は、合掌して立っています。健き人よ、
足をお伸ばしください。諸々の竜(行者)をして師を拝ませましょう。」

330:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/12 11:10:14
574 この世における人々の命は、定まった相なく、
どれだけ生きられるかも解らない。惨ましく、短くて、苦悩をともなっている。

575 生まれたものどもは、死を遁れる道がない。
老いに達しては、死ぬ。実に生ある者どもの定めは、このとうりである。

576 熟した果実は早く落ちる。それと同じく、
生まれた人々は、死なねばならぬ。かれらにはつねに死の怖れがある。

577 たとえば、陶工のつくった土の器が終りには
すべて破壊されてしまうように、人々の命もまたそのとうりである。

578 若い人も壮年の人も、愚者も賢者も、
すべて死に屈服してしまう。すべての者は必ず死に至る。

579 かれらは死に捉えられてあの世に去って行くが、
父もその子を救わず親族もその親族を救わない。

580 見よ。見まもっている親族がとめどもなく悲嘆にくれているのに、
人は屠所に引かれる牛のように、一人ずつ、連れ去られる。

581 このように世間の人々は死と老いとによって害われる。
それ故に賢者は、世のなりゆきを知って、悲しまない。

582 汝は、来た人の道を知らず、また去った人の道を知らない。
汝は(生と死の)両端を見きわめないで、わめいて、いたずらになき悲しむ。

583 迷妄にとらわれて自己を害なっている人が、
もしもなき悲しんでなんらかの利を得ることがあるならば、賢者もそうするがよかろう。

584 泣き悲しんでは、心の安らぎは得られない。
ただかれにはますます苦しみが生じ、身体がやつれるだけである。

331:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/12 11:12:37


このように世間の人々は死と老いとによって害われる。
それ故に賢者は、世のなりゆきを知って、悲しまない。

汝は、来た人の道を知らず、また去った人の道を知らない。
汝は(生と死の)両端を見きわめないで、わめいて、いたずらになき悲しむ。

迷妄にとらわれて自己を害なっている人が、
もしもなき悲しんでなんらかの利を得ることがあるならば、賢者もそうするがよかろう。


332:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/12 11:13:18
585 みずから自己を害いながら、身は痩せ醜くなる。
そうしたからとて、死んだ人々はどうにもならない。嘆き悲しむのは無益である。

586 人が悲しむのをやめないならば、ますます苦悩を受けることになる。
亡くなった人のことを嘆くならば、悲しみに捕らわれてしまったのだ。

587 見よ。他の(生きている)人々はまた自分のつくった業にしたがって死んで行く。
かれら生あるものどもは死に捕らえられて、この世で慄えおののいている。

588 ひとびとがいろいろと考えてみても、結果は意図とは異なったものとなる。
壊れて消え去るのは、このとうりである。世の成りゆくさまを見よ。

589 たとい人が百年生きようとも、あるいはそれ以上生きようとも、
終には親族の人々すら離れて、この世の生命を捨てるに至る。

590 だから(尊敬されるべき人)の教えを聞いて、人が死んで亡くなったのを見ては、
「かれはもうわたしの力の及ばぬものなのだ」とさとって、嘆き悲しみを去れ。

591 たとえば家に火がついているのを水で消し止めるように、そのように知慧ある聡明な賢者、
立派な人は、悲しみが起こったのを速やかに滅ぼしてしまいなさい。─譬えば風が綿を吹き払うように。

592 已が悲嘆と愛執と憂いとを除け。已が楽しみを求める人は、已が(煩悩の)矢を抜くべし。

593 (煩悩の)矢を抜き去って、こだわることなく、心の安らぎを得たならば、
あらゆる悲しみを超越して、悲しみなき者となり、安らぎに帰する。

333:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/12 11:15:03

死んだ人々はどうにもならない。嘆き悲しむのは無益である。

已が悲嘆と愛執と憂いとを除け。已が楽しみを求める人は、已が(煩悩の)矢を抜くべし。

(煩悩の)矢を抜き去って、こだわることなく、心の安らぎを得たならば、
あらゆる悲しみを超越して、悲しみなき者となり、安らぎに帰する。

334:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/13 19:38:37
600 師が答えた、「ヴェーダよ。そなたらのために、諸々の生物の生れ(種類の)区別を、
順次にあるがままに説明してあげよう。それらの生れは、いろいろと異なっているからである。

601 草や木にも(種類の区別のあることを)知れ。しかしかれらは(「われは草である」とか、
「我等は木である」とか)言い張ることはないかれらの特徴は生まれにもとづいている。
かれらの生まれはいろいろと異なっているからである。

602 次に蛆虫や蟋蟀から蟻類に至るまでのものにも(種類の区別のあることを)知れ。
かれらの特徴は生れにもとづいているのである。かれらの生れは、いろいろと異っているからである。

603 小さいものでも、大きなものでも、四足獣にも、(種類の区別のあることを)知れ。
かれらの特徴は生れにもとづいているのである。かれらの生れは、いろいろと異っているからである。

604 腹を足としていて背の長い匍うものにも(種類の区別のあることを)知れ。
かれらの特徴は生れにもとづいている。かれらの生れは、いろいろと異っているからである。

605 次に、水の中に生まれ水に棲む魚どもにも、(種類の区別のあることを)知れ。
かれらの特徴は生れにもとづいている。かれらの生れは、いろいろと異なっているからである。

606 次に、翼を乗物として虚空を飛ぶ鳥どもにも、(種類の区別のあることを)知れ。
かれらの特徴は生れにもとづいている。かれらの生れは、いろいろと異っているからである。

607 これらの生類には生まれにもとづく特徴はいろいろと異なっているが、
人類にはそのように生まれにもとづく特徴がいろいろと異なっているということはない。

335:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/13 19:39:29



人類にはそのように生まれにもとづく特徴がいろいろと異なっているということはない。

336:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/13 19:40:06
608 髪についても、頭についても、耳についても、眼についても、口についても、鼻についても、唇についても、眉についても、

609 首についても、肩についても、腹についても、背についても、臀についても、胸についても、隠所についても、交合についても、

610 手についても、足についても、指についても、脛につていも、腿についても、容色についても、
音声についても、他の生類の中にあるような、生まれにもとづく特徴(の区別)は(人類のうちには)決して存在しない。

611 身を禀けた生きものの間ではそれぞれ区別があるが、人間の間ではこの区別は存在しない。
人間のあいだで区別表示が説かれるのは、ただ名称によるのみ。

612 人間のうちで、牧牛によって生活する人があれば、かれは農夫であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

613 人間のうちで、種々の技能によって生活する人があれば、かれは職人であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

614 人間のうちで売買をして生活する人があれば、かれは商人であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

615 人間のうちで他人に使われて生活する者があれば、かれは傭人であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

616 人間のうちで盗みをして生活する者があれば、かれは盗賊であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

617 人間のうちで武術によって生活する者があれば、かれは武士であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

618 人間のうちで司祭の職によって生活する者があれば、かれは司祭者であって、バラモンではないと知れ。ヴァーセッタよ。

337:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/13 19:40:51

人間の間ではこの区別は存在しない。
人間のあいだで区別表示が説かれるのは、ただ名称によるのみ。




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