08/02/21 08:29:01
30 忽ちに大雲が現われて、雨を降らし、低地と丘とをみたした。
神が雨を降らすのを聞いて、ダニヤは次のことを語った。
31 「われらは尊き師にお目にかかりました、われらの得たところは実に大きいのです。
眼ある方よ。われらはあなたに帰依します。あなたはわれわれの師となってください。
大いなる聖者よ。
32 妻もわたしもともに従順であります。幸せな人(ブッタ)のもとで清らかな修行を行いましょう。
生死の彼岸に達して、苦しみを滅しましょう。」
33 悪魔パービマンがいった、
「子のある者は子について喜ぶ、また牛ある者は牛について喜ぶ。人間の執著(しゅうじゃく)
する元のものは喜びである。執著する元のない人は、実に喜ぶことがない。」
34 師は答えた、
子のある者は子について憂い、また牛ある者は牛について憂う。
実に人間の憂いは執著する元のもののない人は、憂うることがない。」
201:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 08:32:55
師は答えた、
「・・・・・・・・・・ 神よ、もし雨を降らそうと望むなら、雨を降らせよ。」
神よ
^^^^
「実に人間の憂いは、執著する元のもののない人は、憂うることがない。」
202:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 17:37:34
35 あらゆる生きものに対して暴力を加えることなく、あらゆる生きもののいずれをも悩ますことなく、また子を欲するなかれ。況や朋友をや。犀の角のようにただ独り歩め。
36 交わりをしたならば愛情が生じる。愛情にしたがってこの苦しみが起こる。愛情から禍い(わざわい)の生じることを観察して、犀の角のようにただ独り歩め。
37 朋友・親友に憐れみをかけ、心がほだされると、おのが利を失う。親しみにはこの恐れのあることを観察して、犀の角のようにただ独り歩め。
38 子や妻に対する愛著は、たしかに枝の広く茂った竹が互いに相絡むようなものである。筍が他のものにまつわりつくことのないように、犀の角のようにただ独り歩め。
39 林の中で、縛られていない鹿が食物を求めて欲するところに赴くように、聡明な人は独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
40 仲間の中におれば、休むにも、立つにも、行くにも、旅するにも、つねにひとに呼びかけられる。他人に従属しない独立自由をめざして、犀の角のようにただ独り歩め。
41 仲間の中におけば、遊戯と歓楽とがある。また子らに対する情愛は甚だ大である。愛しき者と別れることを厭いながらも、犀の角のようにただ独り歩め。
203:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 17:39:28
42 四方のどこでも赴き、害心あることなく、何でも得たもので満足し、
諸々の苦痛に堪えて、恐れることなく、犀の角のようにただ独り歩め。
43 出家者でありながらなお不満の念をいだいている人々がいる。
また家に住まう在家者でも同様である。だから他人の子女にかかわること少し、犀の角のようにただ独り歩め。
44 葉の落ちたコーヴィラーラ樹のように、在家者のしるしを捨て去って、
在家の束縛を断ち切って、健き人はただ独り歩め。
45 もしも汝が、<賢明で協同し行儀正しい明敏な同伴者>を得たならば、
あらゆる危難にうち勝ち、こころ喜び、気をおちつかせて、かれとともに歩め。
46 しかしもし汝が、<賢明で協同し行儀正しい明敏な同伴者>を得ないならば、
譬えば王が征服した国を捨て去るようにして、犀の角のようにただ独り歩め。
47 われわれは実に朋友を得る幸を讃め称える。自分より勝れあるいは等しい朋友には、
親しみ近づくべきである。このような朋友を得ることができなければ、罪過のない生活を楽しんで、犀の角のようにただ独り歩め。
48 金の細工人がみごとに仕上げた二つの輝く黄金の腕輪を、一つの腕にはめれば、ぶつかり合う。それを見て、犀の角のようにただ独り歩め。
204:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 17:41:33
49 このように二人でいるならば、われに饒舌といさかいとが起るであろう。
未来にこの恐れのあることを察して、犀の角のようにただ独り歩め。
50 実に欲望は色とりどりで甘美であり、心に楽しく、種々のかたちで、心を攪乱する。
欲望の対象にはこの患いのあることを見て、犀の角のようにただ独り歩め。
51 これはわたくしにとって災害であり、腫物であり、禍であり、病であり、矢であり、恐怖である。
諸々の欲望の対象にはこの恐ろしさのあることを見て、犀の角のようにただ独り歩め。
52 寒さと暑さと、飢えと渇えと、風と太陽の熱と、虻と蛇と、
─これらすべてのものにうち勝って、犀の角のようにただ独り歩め。
53 肩がしっかりと発育し蓮華のようにみごとな巨大な象は、その群を離れて、
欲するがままに森の中を遊歩する。そのように、犀の角のようにただ独り歩め。
54 集会を楽しむ人には、暫時の解脱に至るべきことわりもない。
太陽の末裔<ブッダ>のことばをこころがけて、犀の角のようにただ独り歩め。
55 相争う哲学的見解を越え、(さとりに至る)決定に達し、道を得ている人は、
「われは智慧が生じた。もはや他の人に指導される要がない」と知って、犀の角のようにただ独り歩め。
56 貪ることなく、詐ることなく、渇望することなく、(見せかけで)覆うことなく、
濁りと迷妄とを除き去り、全世界において妄執のないものとなって、犀の角のようにただ独り歩め。
57 義ならざるものを見て邪曲にとらわれている悪い朋友を避けよ。
貪りに耽って怠っている人に、みずから親しむな。犀の角のようにただ独り歩め。
205:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 17:44:35
58 学識ゆたかで真理をわきまえ、高邁・明敏な友と交われ。
いろいろと為になることがらを知り、疑惑を去って、犀の角のようにただ独り歩め。
59 世の中の遊戯や娯楽に、満足を感ずることなく、心ひかれることなく、
身の装飾を離れて、真実を語り、犀の角のようにただ独り歩め。
60 妻子も、父母も、財産も穀物も、親類やそのほかあらゆる欲望までも、すべて捨てて、犀の角のようにただ独り歩め。
61 「これは執著である。ここは楽しみは少し、快い味わいも少くて、苦しみが多い。
これは魚を釣る釣り針である」と知って、賢者は、犀の角のようにただ独り歩め。
62 水の中の魚が網を破るように、また火がすでに焼いたところに戻ってこないように、
諸々の(煩悩の)結び目を破り去って、犀の角のようにただ独り歩め。
63 俯して視、とめどなくうつろうことなく、諸々の感官を防いで守り、こころを護り(慎しみ)、
(煩悩の)流れ出ることなく、(煩悩の火に)焼かれることもなく、犀の角のようにただ独り歩め。
64 葉の落ちたパーリチャッタ樹のように、在家者の諸々のしるしを除き去って、
出家して袈裟の衣をまとい、犀の角のようにただ独り歩め。
65 諸々の味を貪ることなく、えり好みすることなく、他人を養うことなく、
戸ごとに食を乞い、家々に心をつなぐことなく、犀の角のようにただ独り歩め。
66 こころの五つの覆いを断ち切って、すべてに付随して起こる悪しき悩み(随煩悩)を除き去り、
なにものかにかたよることなく、愛念の過ちを断ち切って、犀の角のようにただ独り歩め。
206:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 17:47:51
67 以前に経験した楽しみと苦しみを擲ち、また快さと憂いとを擲って、清らかな平静と安らいとを得て、犀の角のようにただ独り歩め。
68 最高の目的を達成するために努力策励し、こころが怯むことなく、行いに怠ることなく、
堅固な活動をなし、体力と智力とを具え、犀の角のようにただ独り歩め。
69 独座と禅定を捨てることなく、諸々のことがらについて常に理法に従って行い、
諸々の生存には患いのあることを確かに知って、犀の角のようにただ独り歩め。
70 妄執の消滅を求めて、怠らず、明敏であって、学ぶこと深く、こころをとどめ、
理法を明らかに知り、自制し、努力して、犀の角のようにただ独り歩め。
71 音声に驚かない獅子のように、網にとらえられない風のように、
水に汚されない蓮のように、犀の角のようにただ独り歩め。
72 歯牙強く獣どもの王である獅子が他の獣にうち勝ち制圧してふるまうように、
辺地の坐臥に親しめ。犀の角のようにただ独り歩め。
73 慈しみと平静とあわれみと解脱と喜びとを時に応じて修め、
世間すべてに背くことなく、犀の角のようにただ独り歩め。
74 貪欲と嫌悪と迷妄とを捨て、結び目を破り、命の失うのを恐れることなく、犀の角のようにただ独り歩め。
75 今の人々は自分の利益のために、交わりを結び、また他人に奉仕する。今日、利益をめざさない友は、得がたい。
自分の利益のみを知る人間は、きたならしい。犀の角のようにただ独り歩め。
207:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 18:10:08
わたしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はマガダ国の南山にある
「一つの茅」というバラモン村におられた。そのとき田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャは、
種子を捲く時に五百挺の鋤を牛に結びつけた。
そのとき師(ブッダ)は朝早く内衣を着け、鉢と上衣とをたずさえて、田を耕す
バラモン・バーラドヴァーシャが仕事をしているところへ赴かれた。
ところでそのとき田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャは食物を配給していた。
そこで師は食物を配給しているところに近づいて、傍らに立たれた。田を耕す
バラモン・バーラドヴァーシャは、師が食を受けるために立っているのを見た。
そこで師に告げていった、「道の人よ。わたしは耕して種を播く。耕して種を播いたあとで食う。
あなたもまた耕せ、また種を播け。耕して種を播いたあとで食え。」と
> (師は答えた)、「バラモンよ。わたしもまた耕して種を播く。耕して種を播いてから食う」と。
(バラモンがいった)、「しかしわれらは、ゴータマさん(ブッダ)の軛も鋤も鋤先も突棒も
牛も見ない。それなのにゴータマさんは『バラモンよ。わたしもまた耕して種を播く。
耕して種を播いてから食う。』という」と。そこで田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャは
詩を以て師に呼びかけた。
76 「あなたは農夫であるとみずから称しておられますが、われらはあなたが耕作するのを
見たことがない。おたずねします。─あなたが耕作するということを、われわれが了解し得るように話してください。」
208:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 18:12:26
77 (師は答えた)「わたしにとっては、信仰が種である。苦行が雨である。智慧がわが軛(くびき)と鋤(すき)とである。
慚(はじること)が鋤棒である。心が縛る縄である。気を落ちつけることが鋤先と突棒とである。
78 身をつつしみ、ことばをつつしみ、食物を節して過食しない。
わたしは真実をまもることを草刈りとしている。柔和が私にとって(牛の)軛を離すことである。
79 努力がわが(軛をかけた牛)であり、安穏の境地に運んでくれる。
退くことなく進み、そこに至ったならば憂えることがない。
80 この耕作はこのようになされ、甘露の果実もたらす。この耕作を行ったならば、あらゆる苦悩から解き放たれる。」
そのとき田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャは、大きな青銅の鉢に乳粥を盛って、師(ブッダ)にささげた。
─「ゴータマさまは乳粥をめしあがれ。あなたは耕作者です。ゴータマさまは甘露の果実をもたらす耕作をなさるのですかから。」
81 詩を唱えて[報酬として]得たものを、わたくしは食うてはならない。
バラモンよ、このことは正しく見る人々(目ざめた人々)のならわしではない。
詩を唱えて得たものを、目ざめた人々(諸のブッダ)は斥ける。
バラモンよ、定めが存するのであるから、これが(目ざめた人々の)生活法なのである。
209:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 18:14:30
82 全き人である大仙人、煩悩の汚れをほろぼし尽し悪い行いを消滅した人に対しては、
他の飲食をささげよ。けだしそれは功徳を積もうと望む者のための(福)田であるからである。
「では、ゴータマ(ブッダ)さま、この乳粥をわたしは誰にあげましょうか?」
「バラモンよ。実に神々・悪魔・梵天とともなる世界において、神々・人間・道の人・バラモンを
含む生きものの中で、全き人(如来)とかれの弟子とを除いては、この乳粥を食べてすっかり
消化し得る人を見ない。だから、バラモンよ、その乳粥を青草の少いところに棄てよ、
或いは生物のいない水の中に沈めよ。」
そこで田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャはその乳粥を生物のいない水の中にうずめた。
210:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 18:16:46
さてその乳粥は、水の中に投げ棄てられると、チッチタ、チッチタと音を立てて、
大いに湯煙りを立てた。譬えば終日日に曝されて熱せられた鋤先を水の中に入れると、
チッチタ、チッチタと音を立て、大いに湯煙りを出すように、その乳粥は、
水の中に投げ棄てられると、チッチタ、チッチタと音を立て、大いに湯煙りを出した。
そのとき田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャは恐れおののいて、身の毛がよだち、
師(ブッダ)のもとに近づいた。そうして師の両足に頭を伏せて、礼拝してから、師にいった、
─「すばらしいことです、ゴータマさま。すばらしいことです、ゴータマさま。
譬えば倒れた者を起こすように、覆われたものを聞くように、方向に迷った者に
道を示すように、あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって
暗闇の中で灯火をかかげるように、ゴータマさまは種々のしかたで真理を明らかにされました。
故にわたくしはここにゴータマさまに帰依します。また真理と修行僧のつどいに帰依します。
わたしはゴータマさまのもとで出家し、完全な戒律(具足戒)をうけましょう。」
そこで田を耕すバラモン・バーラドヴァーシャは、師(ブッダ)のもとで出家し、完全な戒律を受けた。
それからまもなく、このバラモン・バーラドヴァーシャさんは独りで他の人々から遠ざかり、
怠ることなく精励し専心していたが、まもなく、無上の清らかな行いの究極─諸々の立派な人たち
211:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 18:43:57
善男子)はそれを得るために正しく家を出て家なき状態に赴いたのであるが
─を現世においてみずからさとり、証、具現して、日を送った。「生まれることは尽きた。
清らかな行いはすでに完成した。なすべきことをなしおえたた。
もはや再びこのような生存を受けることはない。」
とさとった。そうしてバーラドヴァーシャさんは聖者の一人となった。
212:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 19:07:03
83 鍛冶工のチュンダがいった、
「偉大な智慧ある聖者・目ざめた人・真理の主・妄執を離れた人・人類の最上者・優れた御者に、わたしはおたずねします。
─世間にはどれだけの修行者がいますか? どうぞお説きください。」
84 師(ブッダ)は答えた、
「チュンダよ。四種の修行者があり、第五の者はありません。面と向かって問われたのだから、それらをあなたに明かしましょう。
─<道による勝者>と<道を説く者>と<道において生活する者>と及び<道を汚す者>とです。」
85 鍛冶工チュンダはいった、
「目ざめた人々は誰を<道による勝者>と呼ばれるのですか?
また<道を習い覚える人>はどうして無比なのですか?
またおたずねしますが、<道によって生きる>ということを説いてください。また<道を汚す者>をわたくしに説き明かしてください。」
86 「疑いを越え、苦悩を離れ、安らぎ(ニルヴァーナ)を楽しみ、貪る執念をもたず、神々と世間とを導く人、
─そのような人を<道による勝者>であると目ざめた人々は説く。
213:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 19:08:32
87 この世で最高のものを最高のものであると知り、ここで法を説き判別する人、
疑いを絶ち欲念に動かされない聖者を修行者たちのうちで第二の<道を説く者>と呼ぶ
88 みごとに説かれた<理法にかなったことば>である<道>に生き、みずから制し、
落ち着いて気をつけていて、とがのないことばを奉じている人を、修行者たちのうちで
第三の<道によって生きる者>と呼ぶ。
89 善く誓戒を守っているふりをして、ずうずうしくて、家門を汚し、傲慢で、いつわりをたくらみ、
自制心なく、おしゃべりで、しかも、まじめそうにふるまう者、─かれは<道を汚す者>である。
90 (彼らの特長を)聞いて、明らかに見抜いて知った在家の立派な信徒は、
『かれら(四種の修行者)はすべてこのとおりである』と知って、かれらを洞察し、
このように見ても、その信徒の信仰はなくならない。かれはどうして、
汚れた者と汚れていない者と、清らかな者と清らかでない者とを同一視してよいであろうか。」
214:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 22:55:09
91 「われらは、<破滅する人>のことをゴータマ(ブッダ)におたずねします。
破滅への門は何ですか? 師にそれを聞こうとしてわれわれはここに来たのですが、─。」
92 (師は答えた)、
「栄える人を識別することは易く、破滅を識別することも易い。理法を愛する人は栄え、理法を嫌う人は敗れる。」
93 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第一の破滅です。
先生! 第二のものを説いてください。破滅への門はなんですか?」
94 「悪い人々を愛し、善き人々を愛することなく、悪人のならいを楽しむ。これは破壊への門である。」
95 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第二の破滅です。
先生! 第三のものを説いてください。破滅への門は何ですか?」
96 睡眠の癖あり、集会の癖あり、奮励することなく、怠りなまけ、
怒りっぽいので名だたる人がいる、─これは破滅への門である。」
215:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 22:56:08
97 「よく分かりました。おっしゃるとおりです。これが第三の破滅です。先生! 第四のものを説いてください。破滅への門は何ですか?」
98 「みずからは豊かで楽に暮らしているのに、年老いて衰えた母や父を養わない人がいる、─これは破滅への門である。」
99 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第四の破滅です。先生! 第五のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
100 「バラモンまたは<道の人>または他の<もの乞う人>を、嘘をついてだますならば、これは破滅の門である。」
101 「よくわかりました。おっしゃるとうりです。これが第五の破滅です。先生! 第六のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
102 「おびただしい富あり、黄金あり、食物ある人が、ひとりおいしいみのを食べるならば、これは破滅への門である。」
103 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第六の破滅です。先生! 第七のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
104 「血統を誇り、財産を誇り、また氏姓を誇っていて、しかも已が親戚を軽蔑する人がいる、─これは破滅への門である。」
216:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 22:57:00
105 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第七の破滅です。先生! 第八のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
106 「女に溺れ、酒にひたり、賭博に耽り、得るにしたがって得たものをその度ごとに失う人がいる、─これは破滅への門である。」
107 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第八の破滅です。先生! 第九のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
108 「おのが妻に満足せず、遊女に交わり、他人の妻に交わる、─これは破滅への門である。」
109 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第九の破滅です。先生! 第十のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
110 「青春を過ぎた男が、ティンバル果のように盛り上がった乳房のある若い女を誘き入れて、かの女について嫉妬から夜も眠れない、─これは破滅への門である。」
217:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/21 22:57:56
111 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第十の破滅です。先生! 第十一のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
112 「酒肉に荒み、財を浪費する女、またはこのような男に、実権を託すならば、これは破滅への門である。」
113 「よくわかりました。おっしゃるとおりです。これが第十一の破滅です。先生! 第十二のものを説いてください。破滅の門は何ですか?」
114 「クシャトリヤ(王族)の家に生まれた人が、財力が少いのに欲望が大きくて、この世で王位を獲ようと欲するならば、これは破滅への門である。
115 世の中にはこのような破滅のあることを考察して賢者・すぐれた人は真理を見て、幸せな世界を体験する。」
218:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:27:51
わたしが聞いたところによると、─あるとき師(ブッダ)は、サーヴァッティーのジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者>の園におられた。そのとき師は朝のうちに内衣を着け、
鉢と上衣とをたずさえて、托鉢のためにサーヴァッティーに入った。
そのとき火に事えるバラモン・バーラドヴァーシャの住居には、聖火がともされ、供物がそなえられていた。
さて師はサーヴァッティー市の中を托鉢して、かれの住居に近づいた。
火に事えるバラモン・バーラドヴァーシャは師が遠くから来るのを見たる
そこで、師にいった、「髪を剃った奴よ、そこにおれ。にせの<道の人>よ、そこにおれ。
賤しい奴よ、そこにおれ」と。そう言われたので、師は、火に事えるバラモン・バーラドヴァーシャに
言った、「バラモンよ。あなたはいったい賤しい人しはなにかを知っているのですか?
また賤しい人たらしめる条件を知っているのですか?」
「ゴータマさん(ブッタ)。わたしは人を賤しい人とする条件をも知っていないのです。
どうか、わたしが賤しい人を賤しい人とさせる条件を知り得るように、ゴータマさんはわたくしに
その定めを説いてください。」
「バラモンよ、ではお聞きなさい。よく注意なさい。わたくしは説きましょう。」
「どうぞ、お説きください」、と火に事えるバラモン・バーラドヴァーシャは師に答えた。
師は説いていった、
116 「怒りやすく恨みをいだき、邪悪にして、見せかけであざむき、誤った見解を奉じ、たくらみのある人、
─かれを賤しい人であると知れ。
117 一度生まれたものを(胎生)でも、二度生まれるもの(卵生)でも、この世で生きものを害し、生きものに対するあわれみのない人、
─かれを賤しい人であると知れ。
118 村や町を破壊し、包囲し、圧制者として一般に知られる人、─かれを賤しい人であると知れ。
119 村にあっても、林にあっても、他人の所有物をば、与えられないのに盗み心をもって取る人、─かれを賤しい人であると知れ。
219:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:32:08
120 実際に負債ががあるのに、返済するように督促されると、『あなたからの負債はない』といって言い逃れる人、
─かれを賤しい人であると知れ。
121 実に僅かの物を欲しくて路行く人を殺害して、僅かの物を奪い取る人。─かれを賤しい人であると知れ。
122 証人として尋ねられたとき、自分のために、他人のため、また財のために、偽りを語る人、─かれを賤しい人であると知れ。
123 或いは暴力を用い、或いは相愛して、親族または友人の妻と交わる人、─かれを賤しい人であると知れ。
124 己れは財豊かであるのに、年老いて衰えた母や父を養わない人、─かれを賤しい人であると知れ。
125 母・父・兄弟・姉妹或いは義母を打ち、またはことばで罵る人、─かれを賤しい人であると知れ。
126 相手の利益となることを問われたのに不利益を教え、隠し事をして語る人、─かれを賤しい人であると知れ。
127 悪事を行なっておきながら、『誰もわたしのしたことを知らないように』と望み、隠し事をする人、
─かれを賤しい人であると知れ。
128 他人の家に行っては美食をもてなされながら、客として来た時には、返礼としてもてなさない人、
─かれを賤しい人であると知れ。
129 バラモンまたは<道の人>、または他の<もの乞う人>を嘘をついてだます人、─かれを賤しい人であると知れ。
130 食事のときが来たのに、バラモンまたは<道の人>をことばて罵り食を与えない人、─かれを賤しい人であると知れ。
220:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:34:37
131 この世に迷妄に覆われ、わずかの物が欲しくて、事実でないことを語る人─かれを賤しい人と知れ。
132 自分をほめたたえ、他人を軽蔑し、みずからの慢心のために卑しくなった人、─かれを賤しい人であると知れ。
133 人を悩まし、欲深く、悪いことを欲し、ものおしみをし、あざむいて(徳がないのに敬われようと欲し)、恥じ入る心のない人、─かれを賤しい人であると知れ。
134 目ざめた人(ブッダ)をそしり、或いは出家・在家のその弟子(仏弟子)をそしる人、─かれを賤しい人であると知れ。
135 実際は尊敬さるべき人ではないのに尊敬さるべき人(聖者)であると自称し、梵天を含む世界の盗賊である人、─かれこそ実に最下の賤しい人である。
わたしがそなたたちに説き示したこれらの人々は、実に<賤しい人>と呼ばれる。
136 生まれによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンともなる。
137 わたしは次にこの実例を示すが、これによってわが説示を知れ。チャンダーラ族の子で犬殺しのマータンガという人は、世に知られた令名の高い人であった。
138 かれマータンガはまことに得がたい最上の名誉を得た。多くの王族やバラモンたちはかれのところに来て奉仕した。
139 かれは神々の道、塵汚れを離れた大道を登って、情欲を離れて、ブラフマン(梵天)の世界に赴いた。(賤しい)生まれ、ヴェーダの文句に親しむバラモンたちも、しばしば悪い行為を行なっているのが見られる。
140 ヴェーダ読誦者の家に生まれ、ヴェーダの文句に親しむバラモンたちも、しばしば悪い行為を行っているのが見られる。
141 そうすれば、現世においては非難せられ、来世においては悪いところに生まれる。(身分の高い) 生れも、かれらが悪いところに生まれまた非難されるのを防ぐことはできない。
221:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:35:58
142 生まれによって賤しい人となるのではない、生まれによってバラモンとなるのではない。
行為によって賤しい人となり、行為によってバラモンともなる。
このように説かれたときに、火に事えるバラモン・バーラドヴァーシャは、師にいった、
「すばらしいことです。ゴータマ(ブッダ)さま。すばらしいことです、ゴータマさま。
あたかも倒れた者をおこすように、覆われたものを開くように方角に迷った者に道を示すように、
あるいは『眼ある人々は色を見るであろう』といって暗夜に灯火をかかげるように、
ゴータマさまは種々のしかたで法を明らかにされました。
ですから、わたしは、ゴータマさまに帰依したてまつる。また真理と修行僧のつどいに帰依したてまつる。
ゴータマさまは、わたくしを在俗信者として受けいれてください。今日以降命の続く限り帰依します。」
222:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:45:36
135 実際は尊敬さるべき人ではないのに尊敬さるべき人(聖者)であると自称し、梵天を含む世界の盗賊である人、
─かれこそ実に最下の賤しい人である。
梵天
~~~~~~
136 生まれによって賤しい人となるのではない。生まれによってバラモンとなるのではない。
行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモンともなる。
139 かれは神々の道、塵汚れを離れた大道を登って、情欲を離れて、ブラフマン(梵天)の世界に赴いた。
(賤しい)生まれ、ヴェーダの文句に親しむバラモンたちも、しばしば悪い行為を行なっているのが見られる。
ブラフマン(梵天)の世界に赴いた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
141 そうすれば、現世においては非難せられ、来世においては悪いところに生まれる。
(身分の高い) 生れも、かれらが悪いところに生まれまた非難されるのを防ぐことはできない。
来世においては悪いところに生まれる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
223:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:48:17
143 究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。
能力あり、直く、正しく、ことばやさしく、柔和で、思い上がることのない者であらねばならぬ。
144 足ることを知り、わずかの食物で暮し、雑務少く、生活もまた簡素であり、
諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪ることがない。
145 他の識者の非難を受けるような下劣な行いを、決してしてはならない。
一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。
146 いかなる生物生類であっても、怯えているものでも強剛なものでも、悉く、長いものでも、
大きいものでも、中ぐらいのものでも、短いものでも、微細なものでも、粗大なものでも、
147 目に見えるものでも、見えないものでも、遠くに住むものでも、近くに住むものでも
すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。
224:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:49:23
148 何びとも他人を欺いてはならない。たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。
悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。
149 あたかも、母が已が独り子を命を賭けて護るように、
そのように一切の生きとし生れるものどもに対しても、無量の(慈しみの)意を起すべし。
150 また全世界に対して無量の慈しみの意を起こすべし。
上に、下に、また横に、障害なく怨みなく敵意なき(慈しみを行うべし)。
151 立ちつつも、歩みつつも、坐しつつも、臥つつも、眠らないでいる限りは、
この(慈しみの)心づかいをしっかりとたもて。この世では、この状態を崇高な境地と呼ぶ。
152 諸々の邪まな見解にとらわけず、戒を保ち、見るはたらきを具えて、
諸々の欲望に関する貪りを除いた人は、決して再び母胎に宿ることがないであろう。
225:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 18:53:07
148 何びとも他人を欺いてはならない。たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。
悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。
他人を軽んじてはならない。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
149 あたかも、母が已が独り子を命を賭けて護るように、
そのように一切の生きとし生れるものどもに対しても、無量の(慈しみの)意を起すべし。
無量の(慈しみの)意を起すべし。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
150 また全世界に対して無量の慈しみの意を起こすべし。
上に、下に、また横に、障害なく怨みなく敵意なき(慈しみを行うべし)。
全世界に対して無量の慈しみ
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
151 立ちつつも、歩みつつも、坐しつつも、臥つつも、眠らないでいる限りは、
この(慈しみの)心づかいをしっかりとたもて。この世では、この状態を崇高な境地と呼ぶ。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
152 諸々の邪まな見解にとらわけず、戒を保ち、見るはたらきを具えて、
諸々の欲望に関する貪りを除いた人は、決して再び母胎に宿ることがないであろう。
再び母胎に宿ることがないであろう。
226:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:32:21
153 七岳という神霊(夜叉)がいった、
「今日は十五日のウポーサタである。みごとな夜が近づいた。さあ、われわれは世にもすぐれた名高い師ゴータマ(ブッダ)にお目にかかろう。」
154 雪山に住む者という神霊(夜叉)がいった、
「このように立派な人のこころは一切の生きとし生けるものに対してよく安立しているのだろうか。
望ましいものに対しても、望ましくないものに対しても、かれの意欲はよく制されているのであろうか?」
155 七岳という神霊は答えた、
「このように立派なかれ(ブッダ)のこころは、一切の生きとし生けるものに対してよく安立している。
また望ましいものに対しても、望ましくないものに対しても、かれの意欲はよく制されている。」
156 雪山に住む者という神霊がいった、
「かれは与えられないものを取らないであろうか? かれは生きものを殺さないように心がけているであろうか?
かれは怠惰から遠ざかっているであろうか? かれは精神の統一をやめないであろうか?」
157 七岳という神霊は答えた、
「かれは与えられないものを取らない。かれは生きものを殺さないように心がけている。
かれは怠惰から遠ざかっている。目ざめた人(ブッダ)は精神の統一をやめることができない。」
158 雪山に住む者という神霊がいった、
「かれは嘘をつかないであろうか? 粗暴なことばを発しないであろうか?
中傷の悪口を言わないだろうか? くだらぬおしゃべりを言わないだろうか?」
159 七岳という神霊は答えた、
「かれは嘘をつかない。粗暴なことばを発しない。また中傷の悪口を言わない。 くだらぬおしゃべりを言わない。」
227:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:34:44
「かれは与えられないものを取らない。かれは生きものを殺さないように心がけている。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
目ざめた人(ブッダ)は精神の統一をやめることができない。」
「また中傷の悪口を言わない。 くだらぬおしゃべりを言わない。」
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
228:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:38:02
160 雪山に住む者という神霊がいった、
「かれは欲望の享楽に耽らないだろうか? その心は濁っていないだろうか?
迷妄を越えているであろうか? 諸々のことがらを明らかに見とおす眼をもっているだろうか?」
161 七岳という神霊は答えた、
「かれは欲望の享楽に耽らない。その心は濁っていない。迷妄を越えている。
目ざめた人として諸々のことがらを明らかに見とおす眼をもっている。」
162 雪山に住む者という神霊がいった、
「かれは明知を具えているだろうか? かれの行いは全く清らかであろうか?
かれの煩悩の汚れは消滅しているであろうか? かれはもはや再び世に生まれるということがないであろうか?」
163 七岳という神霊は答えた、
「かれは明知を具えている。またかれの行いは清らかである。
かれのすべての煩悩の汚れは消滅している。かれはもはや再び世に生まれるということがない。」
163a (雪山に住む者という神霊がいった)、
「聖者の心は行動とことばとをよく具現している。明知と行いとを完全に
具えているかれを汝が讃嘆するのは、当然である。」
163b 「聖者の心は行動とことばとをよく具現している。明知と行いとを完全に具えているかれに、そなたが随喜するのは、当然である。」
164 (七岳という神霊がいった)、
「聖者の心は行動とことばとをよく具現している。さあ、われらは明知と行いとを完全に具えているゴータマに見えよう。」
165 (雪山に住む者という神霊がいった)、
「かの聖者は羚羊のような脛があり、痩せ細って、聡明であり、小食で、貪ることなく
森の中で静かに瞑想している、来たれ、われらはゴータマ(ブッダ)に見えよう。
229:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:40:51
かれのすべての煩悩の汚れは消滅している。かれはもはや再び世に生まれるということがない。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
痩せ細って、聡明であり、小食で、貪ることなく、森の中で静かに瞑想している
^^^^^^^^^^^^^^^ ^^^^^^^^^^^^^
230:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:43:25
166 諸々の欲望をかえりみることなく、あたかも獅子のように象のように独り行くかれに近づいて、われらは尋ねよう、─死の縛めから解き放たれる道を。」
167 (その二つの神霊がいった)、「説き示す人、説き明かす人、あらゆることがらの究極をきわめ、怨みと恐れを越えた目ざめた人、ゴータマに、われらは問おう。」
168 雪山に住む者という神霊がいった、「何があるとき世界は生起するのですか? 何に対して親しみ愛するのですか? 世間の人々は何ものに執著しており、世間の人々は何ものに悩まされているのですか?」
169 師は答えた、「雪山に住むものよ。六つのものがあるとき世界が生起し、六つのものに対して親しみ愛し、世界は六つのものに執著しており、世界は六つのものに悩まされている。」
170 「それによって世間が悩まされる執著とは何であるか? お尋ねしますが、それからの出離の道を説いてください。どうしたら苦しみから解き放たれるのでしょうか。」
171 「世間には五種の欲望の対象があり、意(の対象)が第六であると説き示されている。それらに対する貪欲を離れたならば、すなわち苦しみから解き放たれる。
172 世間の出離であるこの道が汝らに如実に説き示された。このことを、われは汝らに説き示す、─このようにするならば、苦しみから解き放たれるのである。」
173 「この世において誰が激流を渡るのでしょうか? この世において誰が大海を渡るのでしょうか? 支えなくよるべのない深い海に入って、誰が沈まないのでしょうか?」
231:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:45:41
174 「常に戒を身にたもち、智慧あり、よく心を統一し、内省し、よく気をつけている人こそが、渡りがたい激流を渡り得る。
175 愛欲の想いを離れ、一切の結び目(束縛)を越え、歓楽による生存を滅しつくした人─、かれは深海のうちに沈むことがない。」
176 (雪山に住む者という神霊がいった)、「深い智慧があり、微妙な意義を見、何ものをも有せず、
欲の生存に執著せず、あらゆることがらについて解脱し、天の路を歩みつつあるかの大仙人を見よ。
177 世に名高く、微妙な意義を見、智慧をさずけ、欲望の起る根源に執著せず、
一切を知り、よく聡明であり、気高い路を歩みつつあるかの大仙人を見よ。
178 今日われわれは美しい[太陽]を見、美しく晴れた朝に逢い、気もちよく起き上がった。
激流をのり越え、煩悩の汚れのなくなった<覚った人>にわれらは見えたからである。
179 これらの千の神霊どもは、神通力あり、誉れたかきものどもであるが、
かれらはすべてあなたに帰依します。あなたはわれらの無上の師であります。
180 われらは、村から村へ、山から山へめぐり歩もう、─覚った人をも、真理のすぐれた所以をも礼拝しつつ。」
232:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 19:47:54
愛欲の想いを離れ、一切の結び目(束縛)を越え、歓楽による生存を滅しつくした人
^^^^^^^^^^^^^^^^^ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
─、かれは深海のうちに沈むことがない。
233:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 20:12:42
わたしか聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はア-ラヴィー国のアーラヴァカという
神霊(夜叉)の住居に住みたもうた。そのときアーラヴァカ神霊は師のいるところに近づいて、
師にいった、「道の人よ、出てこい」と。「よろしい、友よ」といって師は出てきた。
(また神霊はいった)、「道の人よ、入れ」と。「よろしい、友よ」といって、師は入った。
ふたたびアーラヴァカ神霊は師にいった、「道の人よ、出てこい」と。「よろしい、友よ」といって師は出て行った。
(また神霊はいった)、「道の人よ、入れ」と。「よろしい、友よ」といって師は入った。
三たびまたアーラヴァカ神霊は師にいった、「道の人よ、出てこい」と。よろしい、友よ」といって師は出てきた。
(また神霊はいった)、「道の人よ。入れ」と。「よろしい、友よ」といって師は入った。
四たびまたアーラヴァカ神霊は師にいった、「道の人よ、出てこい」と。
(師は答えた)、「では、わたしはもう出て行きません、汝のなすべきことをなさい」と。
(神霊がいった)、「道の人よ、わたしは汝に質問しよう。もしも汝がわたしに解答できないならば、
汝の心を乱し、汝の心臓を裂き、汝の両足をとらえてガンジス河の向こうの岸に投げつけよう。」
(師は答えた)、「友よ。神々・悪魔・梵天を含む世界において、道の人・バラモン・神々・人間を含む
生けるものどものうちで、わが心を乱し、わが心臓を裂き、わか両足をとらえてガンジス河の
向こうの岸に投げつけ得るような人を、実にわたしは見出さない。友よ。
汝が聞きたいと欲することを、何でも聞け」と。そこでアーラヴァカ神霊は、
師に次の詩をもって呼びかけた。─
234:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 20:14:18
181 「この世で人間の最高の富は何であるか? いかなる善行が安楽をもたらすのか?
実に味の中での美味は何であるか? どのように生きるのが最上の生活であるというのか?」
182 「この世では信仰が人間の最上の富である。徳行に篤いことは安楽をもたらす。
実に真実が味の中で美味である。知慧によって生きるのが最高の生活であるという」
183 「ひとはいかにして激流を渡るのであるか? いかにして海を渡るのであるか?
いかにして苦しみを越えるのであろうか? いかにして全く清らかとなるのであるか?」
184 「ひとは信仰によって激流を渡り、精励によって海を渡る。
勤勉によって苦しみをを超え、知慧によって全く清らかとなる。」
185 「ひとはいかにして智慧を得るのであろうか? いかにして財を獲るのであるか?
いかにして名声を得るのであるか? いかにして交友を結ぶのであるか?
どうすれば、この世からかの世に赴いたときに憂いがないのであろうか?」
235:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 20:15:39
186 [師いわく、─]「諸々の尊敬さるべき人が安らぎを得る理法を信じ、精励し、
聡明であって、教えを聞こうと熱望するならば、ついに智慧を得る。
187 適宜に事をなし、忍耐づよく努力する者は財を得る。誠実をつくして名声を得、
何ものかを与えて交友を結ぶ。
188 信仰あり在家の生活を営む人に、誠実、真理、堅固、施与というこれら四種の徳があれば、
かれは来世に至って憂えることがない。
189 もしもこの世に誠実、自制、施与、耐え忍びよりもさらに勝れたものがあるならば、
さあ、それら他のものをも広く<道の人>、バラモンどもに問え。」
190 [神霊いわく、─]「いまやわたしは、どうして道の人、バラモンどもに広く問う要がありましょうか。
わたしは今日<来世のためになること>を覚り得たのですから。
191 ああ、目ざめた方がア-ラヴィーに住むためにおいでになったのは、
実はわたくしのためをはかってのことだったのです。
わたしは今日、何に施与すれば大いなる果報が得られるかということを知りました。
192 わたしは、村から村へ、町から町へめぐり歩こう、─覚った人を、また真理のすぐれた所以を、礼拝しつつ。」
236:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 20:49:24
193 或いは歩み、或いは立ち、或いは坐り、或いは臥し、身を屈め、或いは伸ばす、─これは身体の動作である。
194 身体は、骨と筋とによってつながれ、深皮と肉とで塗られ、表皮に覆われていて、ありのまま見られることがない。
195 身体は腸に充ち、胃に充ち、肝臓の塊・膀胱・心臓・肺臓・腎臓・脾臓あり、
196 鼻汁・粘液・汗・脂肪・血・関節液・胆汁・膏がある。
197 またその九つの孔んらはねつねに不浄物が流れ出る。眼からは目やに、耳からは耳垢、
198 鼻からは鼻汁、口からは或るときは胆汁を吐き、或るときは痰を吐く。全身からは汗と垢とを排泄する。
199 またその頭(頭蓋骨)は空洞であり、脳髄にみちている。しかるに愚か者は無明に誘われて、身体を清らかなものだと思いなす。
200 また身体が死んで臥するときには、膨れて、青黒くなり、墓場に棄てられて、親族もこれを顧みない。
237:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 20:50:23
201 犬や野狐や狼やは虫類がこれをくらい、鳥や鷲やその他の生きものがこれを啄む。
202 この世において知慧ある修行者は、覚った人(ブッダ)の言葉を聞いて、
このことを完全に了解する。なんとなれば、かれはあるがままに見るからである。
203 (かの死んだ身も、この生きた身のごとくであった。この生きた身も、
かの死んだ身のごとくになるであろう)と内面的にも外面的にも身体に対する欲を離れるべきである。
204 この世において愛欲を離れ、知慧ある修行者は、不死・平安・不滅なるニルヴァーナの境地に達した。
205 人間のこの身は、不浄で、悪臭を放ち、(花や香を以て)まもられている。
種々の汚物が充満し、ここかしこから流れ出る。
206 このような身体をもちながら、自分を偉いものだと思い、また軽蔑するならば、
かれは(見る視力が無い)という以外の何だろう。
238:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/22 20:52:51
知慧ある修行者は、覚った人(ブッダ)の言葉を聞いて、このことを完全に了解する。
なんとなれば、かれはあるがままに見るからである。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
この世において愛欲を離れ、知慧ある修行者は、
不死・平安・不滅なるニルヴァーナの境地に達した。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
239:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 00:11:02
207 親しみ慣れることから恐れが生じ、家の生活から汚れた塵が生ずる。
親しみ慣れることもなく家の生活もないならば、これが実に聖者のさとりである。
208 すでに生じた(煩悩の芽を)断ち切って、新たに植えることなく、現に生ずる(煩悩)を長ぜしめることがないならば、
この独り歩む人を<聖者>と名づける。かの大仙人は平安の境地を見たのである。
209 平安の境地、(煩悩の起こる)基礎を考究して、そのたねを弁(わきま)え知って、それを愛執する心を長せしめないならば、
かれは、実に生を滅ぼしつくした終極を見る聖者であり、妄想をすてて(迷える者の)部類に赴かない。
210 あらゆる執著の場所を知りおわって、そのいずれをも欲することなく、貪りを離れ、
欲のない聖者は、作為によって求めることがない。かれは彼岸に達しているからである。
211 あらゆるものにうち勝ち、あらゆるものを知り、いとも聡明で、あらゆる事物に汚されることなく、
あらゆるものを捨て、妄執が滅びて解脱した人、─諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
212 智慧の力あり、戒と誓いをよく守り、心がよく統一し、瞑想(禅定)を楽しみ、落ち着いて気をつけていて、
執著から脱して、荒れたところなく、煩悩の汚れのない人、─諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
213 独り歩み、怠ることのない聖者は、非難と賞賛とに心を動かさず、音声に驚かない獅子のように、網にとらえられない風のように、
水に汚されない蓮のように、他人に導かれることなく、他人を導く人、─諸々の賢者は、かれを(聖者)であると知る。
240:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 00:12:51
214 他人がことばを極めてほめたりそしったりしても、水浴場における柱のように泰然とそびえ立ち、欲情を離れ、諸々の感官をよく静めている人、─諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
215 梭のように真直ぐにみずから安立し、諸々の悪い行為を嫌い、正と不正とをつまびらかに考察している人、─諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
216 自己を制して悪をなさず、若いときでも、中年でも、聖者は自己を制している。かれは他人に悩まされることなく、また何びとをも悩まさない。諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
217 他人から与えられたもので生活し、[容器の]上の部分からの食物、中ほどからの食物、残りの食物を得ても、(食を与えてくれた人を)ほめることなく、またおとしめて罵ることもないならば、諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
218 婬欲の交わりを断ち、いかなるうら若き女人にも心をとどめず、驕りまたは怠りを離れ、束縛から解脱している聖者─かれを諸々の賢者は(真の)<聖者>であると知る。
219 世間をよく理解して、最高の真理を見、激流を超え海をわたったこのような人、束縛を破って、依存することなく、煩悩の汚れのない人、─諸々の賢者は、かれを<聖者>であると知る。
220 両者は住所も生活も隔たって、等しくない。在家者は妻を養うが、善く誓戒を守る者(出家者)は何ものをもわがものとみなす執著がない。在家者は、他のものの生命を害って、節制することがないが、聖者は自制していて、常に生命ある者を守る。
221 譬えば青頸の孔雀が、空を飛ぶときは、どうしても白鳥の速さに及ばないように、在家者は、世に遠ざかって林の中で瞑想する聖者・修行者に及ばない。
241:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 13:10:01
222 ここに集まった諸々の生きものは、地上のものでも、空中のものでも、
すべて歓喜せよ。そうしてこころを留めてわが説くところを聞け。
223 それ故に、すべての生きものよ、耳を傾けよ。昼夜に供物をささげる人類に、
慈しみを垂れよ。それ故に、なおざりにせず。かれらを守れ。
224 この世または来世におけるいかなる富であろうとも、天界における勝れた宝であろうとも、
われらの全き人(如来)に等しいものは存在しない。この勝れた宝は、目ざめた人(仏)のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
225 心を統一したサキヤムニは、(煩悩の)消滅・離欲・不死・勝れたものに到達された、
─その理法と等しいものは何も存在しない。このすぐれた宝は理法のうちに存在する。この真理によって幸せであれ。
226 最も勝れた仏が讃嘆したもうた清らかな心の安定を、「ひとびとは(さとりに向かって)間をおかぬ心の安定」と呼ぶ。
この(心の安定)と等しい者はほかに存在しない。このすぐれた宝は理法(教え)のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
227 善人のほめたたえる八輩の人はこれらの四双の人である。かれらは幸せ人(ブッダ)の弟子であり、施与を受けるべきである。
かれらに施したならば、大いなる果報をもたらす。この勝れた宝は<つどい>のうちにある。この真理によって幸せであれ。
228 ゴータマ(ブッダ)の教えにもとずいて、堅固な心をもってよく努力し、欲望がなく、不死に投入して、達すべき境地に達し、
代償なくして得て、平安の楽しみを享けている。この勝れた宝<つどい>のうちにある。この真理によって幸せであれ。
229 城門の外に立つ柱が地の中に打ち込まれていると、四方からの風にも揺るがないように、諸々の聖なる真理を観察して見る立派な人は、
これに譬えられるべきである、とわれは言う。この勝れた宝<つどい>のうちにある。この真理によって幸せであれ。
242:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 13:13:24
230 深い智慧ある人(ブッダ)がみごとに説きたもうた諸々の聖なる真理をはっきりと知る人々は、たとい大いになおざりに陥ることがあっても、
第八の生存を受けることはない。この勝れた宝は<つどい>のうちにある。この真理によって幸せであれ。
231 [Ⅰ]自身を実在とみなす見解と[Ⅱ]疑いと[Ⅲ]外面的な戒律・誓いという三つのことがらが少しでも存在するならば、
かれが知見を成就するとともに、それらは捨てられてしまう。かれは四つの悪い場所から離れ、また六つの重罪をつくるものとはなり得ない。
このすぐれた宝が<つどい>のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
232 またかれが身体によって、ことばによって、またはこころの中で、たとい僅かなりとも悪い行為をなすならば、かれはそれを隠すことができない。
隠すことができないということを、究極の境地を見た人は説きたもうた。このすぐれた宝が<つどい>のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
233 夏の月の初めの暑さに林の茂みでは枝が花を咲かせたように、それに譬うべき、安らぎに赴く妙なる教えを(目ざめた人、ブッダが)説きたもうた、
─ためになる最高のことがらのために。このすぐれた宝が目ざめた人(ブッダ)のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
234 勝れたものを知り、勝れたものを与え、勝れたものをもたらす勝れた無上の人が、妙なる教えを説きたもうた。
このすぐれた宝が<目ざめた人>(ブッダ)のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
243:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 13:14:42
235 古い(業)はすでに尽き、新しい(業)はもはや生じない。その心は未来に執著することなく、
種子をほろぼし、それが生長する事を欲しないそれらの賢者は、灯火のように滅びる。
このすぐれた宝が(つどい)のうちに存する。この真理によって幸せであれ。
236 われら、ここに集まった諸々の生きものは、地上のものでも、空中のものでも、
神々と人間のつかえるこのように完成した<目ざめた人>(ブッダ)を礼拝しょう。幸せであれ。
237 われら、ここに集まった諸々の生きものは、地上のものでも、空中のものでも、
神々と人間とのつかえるこのように完成した<教え>を礼拝しよう。幸せであれ。
238 われら、ここに集まった諸々の生きものは、地上のものでも、空中のものでも、
神々と人間とのつかえるこのように完成した<つどい>を礼拝しよう。幸せであれ。
244:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 18:58:49
239 「稷・ディングラカ・チーナカ豆・野菜・球根・蔓の実を善き人々から正しいしかたで得て食べながら、欲を貪らず、偽りを語らない。
240 よく炊がれ、よく調理されて、他人から与えられた純粋で美味な米飯の食物を舌鼓うって食べる人は、なまぐさを食うのである。カッサパよ。
241 梵天の親族(バラモン)であるあなたは、おいしく料理された鳥肉とともに米飯を味わって食べながら、しかも<わたしはなまぐさものを許さない>と称している。カッサパよ、わたしはあなたにこの意味を尋ねます。あなたの言う<なまぐさ>とはどんなものですか。」
242 「生物を殺すこと、打ち、切断し、縛ること、盗むこと、嘘をつくこと、詐欺、だますこと、邪曲を学習すること、他人の妻に親近すること、─これがなまぐさである。肉食することが<なまぐさい>のではない。
243 この世において欲望を制することなく、美味を貪り、不浄の(邪悪な)生活をまじえ、虚無論をいだき、不正の行いをなし、頑迷な人々、─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
244 粗暴・残酷であって、陰口を言い、友を裏切り、無慈悲で、極めて傲慢であり、ものおしみする性で、なんびとにも与えない人々、─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
245 怒り、驕り、強情、反抗心、偽り、嫉妬、ほら吹くこと、極端の傲慢、不良の徒と交わること、─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
246 この世で、性質が悪く、借金を踏み倒し、密告をし、法廷で偽証し、正義を装い、邪悪を犯す最も劣等な人々、─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
245:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/23 19:01:47
生物を殺すこと、打ち、切断し、縛ること、盗むこと、嘘をつくこと、詐欺、だますこと、邪曲を学習すること、他人の妻に親近すること、
欲望を制することなく、美味を貪り、不浄の(邪悪な)生活をまじえ、虚無論をいだき、不正の行いをなし、頑迷な人々、
粗暴・残酷であって、陰口を言い、友を裏切り、無慈悲で、極めて傲慢であり、ものおしみする性で、なんびとにも与えない人々、
怒り、驕り、強情、反抗心、偽り、嫉妬、ほら吹くこと、極端の傲慢、不良の徒と交わること、
この世で、性質が悪く、借金を踏み倒し、密告をし、法廷で偽証し、正義を装い、邪悪を犯す最も劣等な人々、
─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
246:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/24 16:14:45
247 この世でほしいままに生きものを殺し、他人のものを奪って、
かえってかれらを害しようと努め、たちが悪く、残酷で、粗暴で無礼な人々、
─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
248 これら(生けるものども)に対して貪り求め、敵対して殺し、
常に(害を)なすことにつとめる人々は、死んでからは暗黒に入り、
頭を逆さまにして地獄に落ちる、
─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
249 魚肉・獣肉(を食わないこと)も、断食も、裸体も、剃髪も、結髪も、
塵垢にまみえることも、粗い鹿の皮(を着ること)も、火神への献供につとめることも、
あるいはまた世の中でなされるような、不死を得るための苦行も、(ヴェーダの)呪文も、
供犠も、祭祀も、季節の荒行も、それらは、疑念を超えていなければ、その人を清めることができない。
247:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/24 16:16:09
250 通路(六つの機官)をまもり、機官にうち勝って行動せよ。理法のうちに安立し、
まっすぐで柔和なことを楽しみ、執著を去り、あらゆる苦しみを捨てた賢者は、見聞きしたことに汚されない。」
251 以上のことがらを尊き師(ブッダ)はくりかえし説きたもうた。ヴェーダの呪文に通じた人(バラモン)はそれを知った。
なまぐさを離れて、何ものにもこだわることのない、跡を追いがたい聖者(ブッダ)は、種々の詩句を以てそれを説きたもうた。
252 目ざめた人(ブッダ)のみごとに説きたもうた─なまぐさを離れ一切の苦しみを除き去る─ことばを聞いて、
(そのバラモンは、)謙虚なこころで、全き人(ブッダ)を礼拝し、即座に出家することをねがった。
248:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/24 16:20:44
この世でほしいままに生きものを殺し、他人のものを奪って、
かえってかれらを害しようと努め、たちが悪く、残酷で、粗暴で無礼な人々、
─これがなまぐさである。肉食することが(なまぐさい)のではない。
疑念を超えていなければ、その人を清めることができない。
249:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/24 16:22:22
253 恥じることを忘れ、また嫌って、「われは(汝の)友である」と言いながら、しかも為し得る仕事を引き受けない人、
─かれを「この人は(わが)友に非ず」と知るべきである。
254 諸々の友人に対して、実行がともなわないのに、ことばだけ気に入ることを言う人は、
「言うだけで実行しない人」であると、賢者たちは知りぬいている。
255 つねに注意して友誼の破れることを懸念して(甘いことを言い)、ただ友の欠点のみ見る人は、
友ではない。子が母の胸にたよるように、その人によっても、他人のためにその間を裂かれることのない人こそ、友である。
256 成果を望む人は、人間に相応した重荷を背負い、喜びを生じる境地と賞讃を博する楽しみを修める。
257 遠ざかり離れる味と平安となる味とを味わって、法の喜びの味を味わっている人は、苦悩わ離れ、悪を離れている。
250:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:52:09
わたしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者>の園におられた。そのとき一人の容色麗しい神が、
夜半を過ぎたころジェータ林を隈なく照らして、師のもとに近づいた。そうして師に礼して
傍らに立った。そうしてその神は、師に詩を以て呼びかけた。
258 「多くの神々と人間とは、幸福を望み、幸せを思っています。最上の幸福わ説いて下さい。」
259 諸々の愚者に親しまないで、諸々の賢者に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬すること、─これがこよなき幸せである。
260 適当な場所に住み、あらかじめ功徳を積んでいて、みずからは正しい誓願を起こしていること、─これがこよなき幸せである。
261 深い学識あり、技術を身につけ、身をつつしむことをよく学び、ことばがみごとであること、─これがこよなき幸せである。
262 父母につかえること、妻子を愛し護ること、仕事に秩序あり混乱せぬこと、─これがこよなき幸せである。
263 施与と、理法にかなった行いと、親族を愛し護ることと、非難を受けない行為、─これがこよなき幸せである。
251:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:53:28
264 悪をやめ、悪を離れ、飲酒をつつしみ、徳行をゆるがせにしないこと、─これがこよなき幸せである。
265 尊敬と謙遜と満足と感謝と(適当な)時に教えを聞くこと、─これがこよなき幸せである。
266 耐え忍ぶこと、ことばのやさしいこと、諸々の(道の人)に会うこと、適当な時に理法について聞くこと─これがこよなき幸せである。
267 修養と、清らかな行いと、聖なる真理を見ること、安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること、─これがこよなき幸せである。
268 世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れを離れ、安穏であること、─これがこよなき幸せである。
269 これらのことを行うならば、いかなることに関しても敗れることがない。あらゆることについて幸福に達する。─これがこよなき幸せである。
252:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:54:46
安らぎ(ニルヴァーナ)を体得すること、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
─これがこよなき幸せである。
253:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:56:06
わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師(ブッダ)はガヤー(村)のタンキク石床における
スーチローマという神霊(夜叉)の住居におられた。そのときカラという神霊とスーチローマという神霊
に言った、「かれは<道の人>である」と。(スーチローマという神霊は言った)、
かれは真の<道の人>であるか、或いは似而非の<道の人>であるかを、わたしが知らないうちは
、かれは真の<道の人>ではなくて、似而非の<道の人>である。」
そこでスーチローマという神霊は、師のもとに至り、そうして身を師に近づけた。ところが師は身を退けた。
そこでスーチローマという神霊は師にいった、「<道の人>よ。汝はわたしを恐れるのか。」(師いわく)、
「友よ。わたしは汝を恐れているのではない。しかし汝に触れることは悪いのだ。」(スーチローマという
神霊はいった)、「<道の人>よ。わたしは汝に質問しよう。もしも汝がわたしに解答しないならば、汝の心を
乱し、汝の心臓を裂き、汝の両足をとらえてガンジス河の向こう岸に投げつけよう。」
(師は答えた)、「友よ。神々・悪魔・梵天を含む世界において、道の人・バラモン・神々・人間を含む生けるもの
どものうちで、わが心を乱し、わが心臓を裂き、わが両足をとらえてガンジス河の向こう岸に投げつけ得るような人を、
実にわたしは見ない。友よ。汝が聞きたいと欲することを、何でも聞け。」
そこでスーチローマという神霊は、次の詩を以て、師に呼びかけた。─
254:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:57:43
270 貪欲と嫌悪とはいかなる原因から生じるのであるか。好きと嫌いと身の毛もよだつこと
(戦慄)とはどこから生ずるのであるか。諸々の妄想はどこから起こって、心を投げうつのであるか?─あたかもこどもらが鳥を投げて棄てるように。
271 貪欲と嫌悪とは自身から生ずる。好きと嫌いと身の毛もよだつこととは、自身から生ずる。
諸々の妄想は、自身から生じて心を投げうつ、─あたかもこどもらが鳥を投げて棄てるように。
272 それらは愛執から起こり、自身から現われる。あたかもバニヤンの新しい若木が枝から
生ずるようなものである。それらが、ひろく諸々の執著していることは、譬えば、つる草が林の
中にはびこっているようなものである。
273 神霊よ、聞け。それらの煩悩がいかなる原因にもとずいて起こるかを知る人々は、煩悩を除き
さる。かれらは、渡りがたく、未だかって渡った人のいないこの激流を渡り、もはや再び生存をうけることがない。
255:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/25 11:59:06
神霊よ、聞け。
^^^^^^^
もはや再び生存をうけることがない。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
256:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:15:29
274 理法にかなった行い、清らかな行い、これが最上の宝であると言う。
たとい在家から出て家なきに入り、出家の身となったとしても、
275 もしもかれが荒々しいことばを語り、他人を苦しめ悩ますことを好み、
獣(のごとく)であるならば、その人の生活はさらに悪いものとなり、自分の塵汚れを増す。
276 争論を楽しみ、迷妄の性質に蔽われている修行僧は、目ざめた人(ブッダ)の説きたもうた理法を、説明されても理解しない。
277 かれは無明に誘われて、修養をつんだ他の人を苦しめ悩まし、煩悩が地獄に赴く道であることを知らない。
278 実にこのような修行僧は、苦難の場所に陥り、母胎から他の母胎へと生まれかわり、
暗黒から暗黒へと赴く。死後には苦しみを受ける。
279 あたかも糞坑が年をへると糞に充満したようなものであろう。不潔な人は、実に清めることがむずかしい。
280 修行僧らよ。このような出家修行僧を、実は、<家にたよっている人、邪まな欲望あり、
邪まな思いあり、邪まな行いをなし、悪いところにいる人>であると知れ。
281 汝らはすべて一致協力して、かれを斥けよ。籾殻を吹き払え。屑を取り除け。
282 次いで、実は<道の人>であると思いなしている籾殻どもを除き去れ。
─悪を欲し、悪い行いをなし、悪いところにいるかれらを吹き払って。
283 みずからは清き者となり、互いに思いやりをもって、清らかな人々と共に住むようにせよ。
そこで、聡明な者どもが、ともに仲よくして、苦悩を終滅せしめるであろう。
257:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:17:12
苦難の場所に陥り、母胎から他の母胎へと生まれかわり、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
暗黒から暗黒へと赴く。死後には苦しみを受ける。
^^^^^^^^^^^^^
258:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:18:42
わたしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者>の園におられた。そのときコーサラ国に住む、多くの、
大富豪であるバラモンたち─かれらは老いて、年長け、老いぼれて、年を重ね、老齢に達していたが
─は師のおられるところに近づいた。そうして師と会釈した。喜ばしい思い出に関する挨拶のことばを
交わしたのち、かれらは傍らに坐した。そこで大富豪であるバラモンたちは師に言った、「ゴータマ(ブッダ)さま。
そもそも今のバラモンは昔のバラモンたちの守っていたバラモンの定めにしたがっているでしょうか?」[
師は答えた]、「バラモンたちよ。今のバラモンたちは昔のバラモンたちの守ったバラモンの法に従ってはいない。」
「では、ゴータマさそは、昔のバラモンたちの守ったバラモンの法をわれらに話してください。─もしもゴータマさま
にお差支えがなければ。」「では、バラモンたちよ、お聞きなさい、よく注意なさい。わたしは話してあげましょう。」
「どうぞ」と、大富豪であるバラモンたちは、師に答えた。
師は次のことを告げた。─
259:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:20:29
284 昔の仙人たちは自己をつつしむ苦行者であった。
かれは五種の欲望の対象をすてて、自己の(真実の)理想を行った。
285 バラモンたちには家畜もなかったし、黄金もなかったし、穀物もなかった。
しかしかれらはヴェーダ読誦を財産ともなし、穀物ともなし、ブラフマンを倉として守っていた。
286 かれらのために調理せられ家の戸口に置かれた食物、すなわち信仰心を
こめて調理せられた食物、を求める(バラモンたち)に与えようと、かれら(信徒)は考えていた。
287 豊かに栄えていた地方や国々の人々は、種々に美しく染めた衣服や
臥床や住居をささげて、バラモンたちに敬礼した。
288 バラモンたちは法によって守られていたので、かれらを殺してはならず、
うち勝ってもならなかった。かれらがかれらが家々の戸口に立つのを、なんびとも決して妨げなかった。
289 かれら昔のバラモンたちは四十八年間、童貞の清浄行を行った。知と行とを求めていたのであった。
290 バラモンたちは他の(カーストの)女を娶らなかった。かれらはまたその妻を買うこともなかった。
ただ相愛して同棲し、相和合して楽しんでいたのであった。
291 (同棲して楽しんだのではあるけども)、バラモンたちは、(妻に近づき得る)時を除いて
月経のために遠ざかったときは、その間は決して婬欲の交わりを行わなかった。
260:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:22:02
292 かれらは、不婬の行と戒律と正直と温順と苦行と柔和と不傷害と耐え忍びとをほめたたえた。
293 かれらのうちで勇猛堅固であった最上のバラモンは、実に婬欲の交わりを夢に見ることさえもなかった。
294 この世における聡明な性の或る人々は、かれの行いにならいつつ、不婬と戒律と耐え忍びとをほめたたえた。
295 米と臥具と衣服とバターと油とを乞い、法に従って集め、それによって祭祀をととのえ行った。
かれらは、祭祀を行うときにも、決して牛を殺さなかった。
296 母や父や兄弟や、また他の親族のように、牛はわれらの最上の友である。牛からは薬が生ずる。
297 それから(牛から生じた薬)は食料となり、気力を与え、皮膚に光沢を与え、また楽しませてくれる。
(牛に)このような利益のあることを知って、かれらは決して牛を殺さなかった。
298 バラモンたちは、手足が優美で、身体が大きく、容色端麗で、名声あり、自分のつとめに従って、
為すべきことを為し、為してはならぬことは為さないということに熱心に努力した。
かれらが世の中にいた間は、この世の人々は栄えて幸福であった。
299 しかるにかれらに誤つた見解が起こった。次第に王者の栄華と化粧盛装した女人を見るにしたがって、
300 また駿馬に牽かせた立派な車、美しく彩られた縫物、種々に区画され部分ごとにほど良くつくられた邸宅や住居を見て、
261:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:23:39
301 バラモンたちは、牛の群が栄え、美女の群を擁するすばらしい人間の享楽を得たいと熱望した。
302 そこでかれはヴェーダの呪文を編纂して、かの甘蔗王のもとに赴いていった、
「あなたは財宝も穀物も豊かである。祭祀を行いなさい。あなたの富は多い。祭祀を行いなさい。あなたの財産は多い。」
303 そこで戦車兵の主である王は、バラモンたちに勧められて、
─馬の祀り、人間の祀り、擲棒の祀り、ヴァージャペッヤの祀り、誰にでも供養する祀り
、─これらの祀りを行なって、バラモンたちに財を与えた。
304 牛、臥具、衣服、盛装化粧した女人、またよく造られた駿馬に牽かせる車、美しく彩られた縫物─、
305 部分ごとによく区画されている美事な邸宅に種々の穀物をみたして、(これらの)財をバラモンたちに与えた。
306 そこでかれらは財を得たのであるが、さらにそれを蓄積することを願った
。かれらは欲に溺れて、さらに欲念が増長した。そこでかれらはヴェーダの呪文を編纂して、再び甘蔗王に近づいた。
307 「水と地と黄金と財と穀物とが生命あるひとびとの用具であるように、牛は人々の用具である。
祭祀を行いなさい。あなたの富は多い。祭祀を行いなさい。あなたの財産は多い。」
308 そこで戦車兵の主である王は、バラモンたちに勧められて、幾百千の多くの牛を犠牲のために屠らせた。
309 牛は、脚を以ても、何によっても決して(他のものを)害うことがなくて、羊に等しく柔和で、
瓶をみたすほど乳を搾らせてくれる。しかるに王は、角をとらえて、刃を以てこれを屠らせた。
310 刃が牛におちるや、そのとき神々と祖霊と帝釈天と阿修羅と羅刹たちは、「不法なことだ!」と叫んだ。
262:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/26 14:24:55
311 昔は、欲と飢えと老いという三つの病いがあっただけであった。
ところが諸々の家畜を祀りのために殺したので、九十八種の病いが起った。
312 このように(殺害の)武器を不法に下すということは、昔から行われて、
今に伝わったという。何ら害のない(牛が)殺される。祭祀わ行う人は理法に背いているのである。
313 このように昔からのこのつまらぬ風俗は、識者の非難するものである。
人はこのようなことを見るごとに、祭祀実行者を非難する。
314 このように法が廃れたときに、隷民(シュードラ)と庶民(ヴァイシヤ)との両者が分裂し、
また諸々の王族がひろく分裂して仲たがいし、妻はその夫を蔑むようになった。
315 王族も、梵天の親族(バラモン)も、並びに種姓(の制度)によって
守られている他の人々も、生れる誇る論議を捨てて、欲望に支配される至った、と。
このように説かれたときに、大富豪であるバラモンたちは、師にいった、
「すばらしいことです! ゴータマ (ブッダ)さま。すばらしいことです! ゴータマさま。
あたかも倒れた者を起こすように、覆われているものを開くように、方向に迷った者を示すように、
あるいは『眼ある人々は色やかたちを見るであろう』といって暗闇の中で灯火をかかげるように、
ゴータマさまは種々のしかたで理法を明らかにされた。ここで、われらはゴータマさまに帰依したてまつる。
また真理と修行僧のつどいに帰依したてまつる。ゴータマさまは、われわれを在俗信者として、
受け入れてください。今日から命の続く限り帰依いたします。」
263:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:19:32
316 ひとがもしも他人から習って理解を知るならば、あたかも神々がインドラ神(帝釈天)を敬うがごとくになすべきである。
学識の深いその(師)は、尊敬されれば、その人に対して心からよろこんで、真理を顕示する。
317 思慮ある人は、そのことを理解し傾聴して、理法にしたがった教えを順次に実践し、
このような人に親しんで怠ることがなとならば、識者・弁え知る者・聡明なる者となる。
318 未だことがらを理解せず、嫉妬心のある、くだらぬ人・愚者に親しみつかえるならば、
ここで真理(理法)を弁え知ることなく、疑いを超えないで、死に至る。
319 あたかも人が水かさが多く流れの疾い河に入ったならば、かれは流れにはこばれ、
流れに沿って過ぎ去るようなものである。かれはどうして他人を渡すことができるであろうか。
320 それと同じく、真理(理法)を弁え知らず、学識の深い人にことがらの意義を聞かないならば、
みずから知らず、疑いを超えていない人が、どうして他人の心を動かすことができるであろうか。
321 堅牢な船に乗って、橈と舵とを具えているならば、操縦法を知った巧みな経験者は、他の多くの人々をそれに乗せて渡すように、
322 それと同じく、ヴェーダ(真理の知識)に通じ、自己を修養し、多く学び、動揺しない(師)は、
実に(みずから)知っているで、傾聴し侍坐しようという気持をお越した他の人々の心を動かす。
323 それ故に、実に聡明にして学識の深い立派な人に親しめ。ものごとを知って実践しつつ、真理を理解した人は、安楽を得るであろう。
264:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:21:51
あたかも神々がインドラ神(帝釈天)を敬うがごとくになすべきである。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
学識の深いその(師)は、尊敬されれば、その人に対して心からよろこんで、真理を顕示する。
ヴェーダ(真理の知識)に通じ、自己を修養し、多く学び、動揺しない(師)は、
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
265:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:22:50
324 いかなる戒めをまもり、いかなる行いをなし、いかなる行為を増大せしめるならば、
人は正しく安立し、また最上の目的を達し得るのであろうか。
325 長上を敬い、嫉むな。諸々の師に見えるのに適当な時を知り、
法に関する話しを聞くのに正しい時機を知れ。みごとに説かれたことを謹んで聞け。
326 強情をなくし謙虚な態度で、時に応じて師のもとに行け。
ものごとと真理と自制と清らかな行いとを心に憶い、かつ実行せよ。
327 真理を楽しみ、真理を喜び、真理に安住し、真理の定めを知り、
真理をそこなうことばを口にするな。みごとに説かれた真実にもとずいて暮らせ。
328 笑い、だじゃれ、悲泣、嫌悪、いつわり、詐欺、貪欲、高慢、激昂、
粗暴なことば、汚濁、耽溺をすてて、驕りを除去し、しっかりとした態度で行え。
329 みごとに説かれたことばは、聞いてそれを理解すれば、精となる。聞きかつ知ったことは、
精神の安定を修すると、精になる。人が性急であってふらついているならば、かれには知慧も学識も増大することがない。
330 聖者の説きたもうた真理を喜んでいる人々は、ことばでも、こころでも、行いでも、最上である。
かれらは平安と柔和と瞑想とのうちに安立し、学識と智慧との真髄に達したのである。
266:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:23:42
331 起てよ、座れ。眠って汝らに何の益があろう。矢に射られて
苦しみ悩んでいる者どもは、どうして眠られようか。
> 332 起てよ、座れ。平安を得るために、ひたすらに修行せよ。
汝らが怠惰でありその[死王の]力に服したことを死王が知って、汝らを迷わしめることなかれ。
333 神々も人間も、ものを欲しがり、執著にとらわれている。この執著を超えよ。
わずかの時を空しく過ごすことなかれ。時を空しく過ごしたひとは地獄に堕ちて悲しむからである。
334 怠りは塵垢である。怠りによって塵垢がつもる。つとめはげむことによって、
また明知によって、自分にささった矢を抜け。
267:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 13:24:45
335 [師(ブッダ)がいった]、ラーフラよ。しばしばともに住むのに慣れて、
お前は賢者を軽蔑するのではないか? 諸人のために炬火をかざす人を、汝は尊敬しているか?」
336 (ラーフラは答えた)、「しばしばともに住むのに慣れて賢者を軽蔑するようなことを、
わたくしは致しません。諸人のために炬火をかざす人を、わたくしは常に尊敬しています。」以上、序の詩
337 「愛すべく喜ばしい五欲の対象をすてて、信仰心によって家から出て、苦しみを終滅せしめる者であれ。
338 善い友だちと交われ。人里はなれ奥まった騒音の少ないところに坐臥せよ。飲食に量を知る者であれ。
339 衣服と、施された食物と、(病人のための)物品と坐臥の所、
─これらのものに対して欲を起こしてはならない。再び世にもどってくるな。
340 戒律の規定を奉じて、五つの五官を制し、そなたの身体を観ぜよ(身体について心を専注せよ)。
切に世を厭い嫌う者となれ。
341 愛欲があれば(汚いものでも)清らかに見える。その(美麗な)外形を避けよ。
(身は)不浄であると心に観じて、心をしずかに統一せよ。
342 無相ののおもいを修せよ。心にひそむ傲慢をすてよ。そうすれば汝は傲慢をほろぼして、
心静まったものとして日を送るであろう。」
実に尊き師(ブッダ)はこのようにラーフラさんにこれらの詩を以て繰返し教えられた。
268:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 22:28:13
わたしがこのように聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はア-ラヴィー
におけるアッガーラウァ霊樹のもとにおられた。そのとき、ヴァンギーサさんの師で
ニグローダ・カッパという名の長老が、アッガーラウァ霊樹のもとで亡くなってから、
間がなかった。そのときヴァンギーサさんは、ひとり閉じこもって沈思していたが、
このような思念が心に起こった、─「わが師は実際に亡くなったんだろうか、
あるいはまだ亡くなっていないのだろうか?」と。
そこでヴァンギーサさんは、夕方に沈思から起き出て、師のいますところに赴いた。
そこで師に挨拶して、傍らに坐った。傍らに坐ったヴァンギーサさんは師にいった、
「尊いお方さま。わたくしがひとり閉じこもって沈思していたとき、このような思念が心に起こりました
。─<わが師は実際に亡くなったのだろうか、或いはまだ亡くなっていないのだろうか?>」と。
そこでヴァンギーサさんは座から立ち上がって、衣を左の肩にかけて右肩をあらわし、
師に向かって合掌し、師にこの詩を以て呼びかけた。
269:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 22:29:28
343 「現世において、もろもろの疑惑を断たれた無上の智慧ある師におたずね致します。
─世に知られ、名声あり、心が安らぎに帰した[ひとりの]修行者が、アッガーラウァ[霊樹のもと]で亡くなりました。
344 先生! あなたは、そのバラモンに『ニグローダ・カッパ』という名をつけられました。
ひたすらに真理を見られた方よ。かれは、あなたを礼拝し、解脱をもとめ、つとめ励んでおりました。
345 サッカ(釈迦族の人、釈尊)よ、あまねく見る人よ。われらはみな、
(あなたの)かの弟子のことを知ろうと望んでいます。われわれの耳は、聞こうと待ちかまえています。
あなたはわれらの師です。あなたは、この上ない方です。
346 われらの疑惑を断ってください。これをわたくしに説いてください。智慧ゆたかな方よ。
かれらが亡くなったのかどうかを知って、われらの間で説いてください。
─千の眼ある帝釈天が神々の間で説くように。あまねく見る方よ。
347 この世で、およそ束縛なるものは、迷妄の道であり、無智を棚とし、疑いによって存するが、
全き人(如来)にあうと、それらはすべてなくなくなってしまう。この(全き人)は人間のための最上の眼であります。
348 風が密雲を払いのけるように、[この人](ブッダ)が煩悩の汚れを払うのでなければ、
全世界は覆われて、暗黒となるでありましょう。光輝ある人々も輝かないでありましょう。
349 聡明な人々は世を照らします。聡明な方よ。わたしは、あなたをそのような人だと思います。
われらはあなたを<如実に見る人>であめと知って、みもとに近づきました。集会の中で、
われらのために(ニグローダ)カッパのことを明かにしてください。
270:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/27 22:31:03
350 すみやかに、いとも妙なる声を発してください。白鳥がその頸をもたげて徐ろに鳴くように、
よくととのった円やかな声を徐に発してください。われらはすべて、すなおに聞きましょう。
351 生死を残りなく捨て、悪を払い除いた(ブッダ)に請うて、真理を説いていただきましょう。
諸々の凡夫は、[知ろうと欲し言おうと]欲することをなしとげることができないが、
諸々の全き人(如来)たちは、慎重に思慮してなされるからです。
352 この完全な確定的な説明が、正しい智者であるあなたによって、よく持たれているのです。
わたくしは、さらにこの合掌をささげます。(みずからは)知りながら(語らないで、われらを)迷わしたもうな。智慧すぐれた方よ。
353 あれこれの尊い理法を知っておられるのですから、(みずからは)知りながら[語らないで、
われらを]迷わしたりなさいますな。励むことにすぐれた方よ。夏に暑熱に苦しめられた人が水をもとめるように、
わたしは(あなたの)ことばを望むのです。聞く者に[ことばの雨を]降らしてください。
354 カッパ師が清らかな行いを行って達成しようとした目的は、かれにとって空しかったのでしょうか?
かれは、消え滅びたのでしょうか? それとも生存の根源を残して安らぎに帰したのでしょうか?
かれはどのように解脱したのでしょうか、─わたくしたちはそれを聞きたいのです。」
355 師は答えた、「かれはこの世において、名称と形態とに関する妄執を断ち切ったのである。
長いあいだ陥っていた黒魔の流れを断ち切ったのである」五人の修行者の最上者であった尊き師はそのように語られた。
356 [ヴァンギーサいわく、─]「第七の仙人(ブッダ)さま。あなたのおことばを聞いて、わたしは喜びます。
わたしの問いは、決してむだではありませんでした。バラモンであるあなたは、わたくしをだましません。
357 目ざめた人(ブッダ)の弟子(ニグローダ・カッパ)は、ことばで語ったとおりに実行した人でした。
ひとを欺く死魔のひろげた堅固な網を破りました。
358 先生! カッパ師は執著の根元を見たのです。ああ、カッパ師は、いとも渡りがたい死魔の領域を超えたのです。」
271:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/28 21:35:17
359 「智慧ゆたかに、流れを渡り、彼岸に達し、安全な安らぎを得て、こころ安住した聖者におたずね致します。
家から出て諸々の欲望を除いた修行者が、正しく世の中を遍歴するには、どのようにしたらよいのでしょうか。」
360 師はいわれた、「瑞兆の占い、天変地異の占い、夢占い、相の占いを完全にやめ、
吉凶の判断をともにすてた修行者は、正しく世の中を遍歴するであろう。
361 修行者が、迷いの生存を超越し、理法をさとって、
人間及び天界の諸々の享楽に対する貪欲を慎しむならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
362 修行者がかげぐちをやめ、怒りと物惜しみとを捨てて
、順逆の念を離れるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
363 好ましいものも、好ましくないものも、ともに捨てて、何ものにも執著せず、
こだわらず、諸々の束縛から離脱しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
364 かれが、生存を構成する要素のうちに堅固に実体を見出さず、諸々の執著されるものに対する貪欲を慎しみ、
こだわることなく、他人に誘かれないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
365 ことばによっても、こころによっても、行為によっても、逆らうことなく、
正しく理法を知って、ニルヴァーナの境地をもとめるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
366 修行者が、『かれはわれを拝む』と思って高ぶることなく、罵られても心にふくむことなく、
他人から食物を与えられたからとて驕ることがないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
272:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/28 21:52:39
ニルヴァーナの境地をもとめるならば
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
273:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/28 21:53:31
367 修行者が、貪りと迷いの生存(煩悩の)矢を抜いたのであれば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
368 修行者が、自分に適当なことを知り、世の中で何ものをも害うことなく、
如実に理法を知っているのであるならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
369 かれにとっては、いかなる潜在的妄執も存せず、悪の根が根こそぎにされ、
ねがうこともなく、求めることがないならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
370 煩悩の汚れはすでに尽き、高慢を断ち、あらゆる貪りの路を超え、みずから制し、
安らぎに帰し、こころが安立しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
371 信念あり、学識ある賢者が、究極の境地に至る定まった道を見、
諸々の仲間の間にありながら仲間に盲従せず、貪欲と嫌悪と憤怒とを慎しむならば、
かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
372 清らかな行いによって煩悩にうち克った勝者であり、覆いを除き、諸々の事物を支配し、
彼岸に達し、妄執の動きがなくなって、生存を構成する諸要素を滅ぼす
認識を立派に完成するならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
373 過去及び未来のものに関して(妄りなる)はからいを超え、極めて清らかな智慧あり、
あらゆる変化的生存の領域から解脱しているならば、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。
374 究極の境地を知り、理法をさとり、煩悩の汚れを断ずることを明らかに見て、
あらゆる<生存を構成する要素>を滅しつくすが故に、かれは正しく世の中を遍歴するであろう。」
375 「尊いお方(ブッダ)<さま。まことにこれはそのとおりです。このように生活し、
みずから制する修行者は、あらゆる束縛を超えているのです。かれは正しく世の中を遍歴するでしょう。」
274:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:39:47
わたくしが聞いたところによると、─あるとき尊き師(ブッダ)はサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者の園>におられた。そのときダンミカという在俗信者が五百人の
在俗信者とともに師のおられるところに近づいた。そして師に挨拶し、かたわらに坐った。
そこで在俗信者ダンミカは師に向かって詩を以て呼びかけた。
376 「智慧ゆたかなゴータマ(ブッダ)さま。わたしはあなたにお尋ねしますが、教えを聞く人は、
家から出て出家する人であろうと、また在家の信者であろうと、どのように行うのが善いのですか?
377 実にあなたは神々とこの世の人々の帰趣と究極の目的とを知っておられます。
奥深いことがらを見る方で、あなたに比ぶ人はいません。世人はあなたを、
優れた目ざめた人(ブッダ) だと呼んでいます。
378 あなたはすっかり証りおわって、生けるものどもをあわれんで、智識と理法を説かれます
。あまねく見る人よ。あなたは世の覆いを開き、汚れなくして、ひろく全世界に輝きたもう。
275:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:41:14
379 エーラーヴァナと名づける象王は、あなたが勝利者(ブッダ)であると聞いたので、
あなたのもとに来ましたるかれもまたあなたと相談して、(あなたの話を)聞いて、
『いいなあ』といって、喜んで去りました。
380毘沙門天王であるクヴェーラも、また教えを請おうとして、あなたに近づいてきました。
賢者よ。かれに尋ねられたときにも、あなたは話をなさいました。かれもまた(あなたの話を)聞いて、喜んだ姿を示しました。
381 アージーヴィカ教徒であろうとも、ジャイナ教徒であろうとも、論争を習いとする
これらのいかなる異説の徒でも、すべて、智慧であなたを超えることはできません。
立ったままでいる人が急いで走ってゆく人を追い越すことができないよえなものです。
382 論争を習いとするいかなるバラモンでも、老年であろうとも、あるいは(中年、あるしは青年の)
バラモンであろうとも、またそのほか『われこそは論客である』と自負している人々でも、
すべてあなたから<ためになることがら>を得ようと望んでいるのです。
383 先生! あなたがみごとに説きたもうたこの教えは幽微であり、また楽しいものです。
あなたにお尋ねしますが、どうぞわれらにお説きください。最高の<目ざめた方>(ブッダ)よ。
384 これらの出家修行者たち、並びに在俗信者たちは、すべて、(目ざめた人の教えを)聞こうとして、
ここに集まってきたのです。けがれなき人(目ざめた人)がさとり、みごとに説いた理法を聞け。
─神々がインドラ神のことばを聞くように。」
385 (師は答えた)、「修行者たちよ、われに聞け。煩悩を除き去る修行法を汝らに説いて聞かせよう。
汝らすべてはそれを持て。目的をめざす思慮ある人は、出家にふさわしいそのふるまいを習い行え。
276:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:42:41
煩悩を除き去る修行法
目的をめざす思慮ある人は、出家にふさわしいそのふるまいを習い行え。
277:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:43:33
386 修行者は時ならぬのに歩き廻るな。定められたときに、
托鉢のために村に行け。時ならぬのに出て歩くな、執著に縛られるからである。
それ故に諸々の(目ざめた人々)は時ならぬのに出て歩くことはない。
387 諸々の色かたち・音声・味・香り・触れられるものは、ひとびとをすっかり酔わせるものである。
これらのものに対する欲望を慎んで、定められたときに、朝食を得るために(村に)入れよ。
388 そうして修行僧は、定められたときに施しの食物を得たならば、ひとり退いて、
ひそかに坐れよ。自己を制して、内に顧みて思い、こころを外に放ってはならぬ。
389 もしもかれが、教えを聞く人、或るは他の修行者とともに語る場合があるならば、
その人にすぐれた真理を示してやれ。かんげぐちや他の誹謗することばを発してはならぬ。
390 実に或る人々は(誹謗の)ことばに反発する。かれらは浅はかな小賢しい人々をわれは称賛しない。
(論争の)執著があちこちから生じて、かれらを束縛し、かれらはそこでおのが心を遠くへ放ってしまう。
391 智慧のすぐれた人(ブッダ)の弟子は、幸せな人(ブッダ) の説きたもうた法を聞いて、
食物と住所と臥具と大衣の塵を洗い去るための水とを、よく気をつけて用いよ。
392 それ故に、食物と住所と臥具と大衣の塵を洗い去るための水、
─これらのものに対して、修行者は執著して汚れることがない。
─蓮の葉に宿る水滴[が汚されない]ようなものである。
393 次に在家の者の行うつとめを汝らに語ろう。このように実行する人は善い
<教えを聞く人>(仏弟子)である。純然たる出家修行者に関する規定は、
所有のわずらいある人(在家者)がこれを達成するのは実に容易ではない。
278:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:45:04
394 生きものを(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。
また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ。世の中の強剛な者どもでも、
また怯えている者どもでも、すべての生きものに対する暴力を抑えて─。
395 次に教えを聞く人は、与えられていないものは、何ものであっても、
またどこにあっても、知ってこれを取ることを避けよ。また(他人をして)取らせることなく、
(他人が)取りさるのを認めるな。なんでも与えられていないものを取ってはならぬ。
396 ものごとの解った人は婬行を回避せよ。─燃えさかる炭火の坑を回避するように。
もし不婬を修することができなければ、(少なくとも)他人の妻を犯してはならぬ。
397 会堂にいても、団体のうちにいても、何人も他人に向かって偽りを言ってはならぬ。
また他人をして偽りを言わせてもならぬ。また他人が偽りを語るのを容認してはならぬ。すべて虚偽を語ることを避けよ。
398 また飲酒を行ってはならぬ。この(不飲酒の)教えを喜ぶ在家者は、他人をして飲ませてもならぬ。
他人が酒を飲むのを容認してもならぬ。─これは終に人を狂酔せしめるものであると知って─。
399 けだし諸々の愚者は酔いのために悪事を行い、また他人の人々をして怠惰ならしめ、
(悪事を)なさせる。この禍いの起るもとを回避せよ。それは愚人の愛好するところであるが、しかしひとを狂酔せしめ迷わせるものである。
400 (1)生きものを害してはならぬ。(2)与えられないものを取ってはならぬ。(3)嘘をついてはならぬ。
(4)酒を飲んではならぬ。(5)婬事たる不浄の行いをやめよ。(6)夜に時ならぬ食事をしてはならぬ。
279:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:48:06
(みずから)殺してはならぬ。また(他人をして)殺さしめてはならぬ。
また他の人々が殺害するのを容認してはならぬ。
すべての生きものに対する暴力を抑えて─。
ものごとの解った人は婬行を回避せよ。
もし不婬を修することができなければ、(少なくとも)他人の妻を犯してはならぬ。
飲酒を行ってはならぬ。この(不飲酒の)教えを喜ぶ在家者は、
他人をして飲ませてもならぬ。他人が酒を飲むのを容認してもならぬ。
愚者は酔いのために悪事を行い、また他人の人々をして怠惰ならしめ、
(悪事を)なさせる。この禍いの起るもとを回避せよ。それは愚人の愛好するところであるが、
しかしひとを狂酔せしめ迷わせるものである。
1)生きものを害してはならぬ。
(2)与えられないものを取ってはならぬ
(3)嘘をついてはならぬ。(
4)酒を飲んではならぬ。
(5)婬事たる不浄の行いをやめよ。
(6)夜に時ならぬ食事をしてはならぬ。
280:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:49:03
401 (7)花かざりを着けてはならぬ。芳香を用いてはならぬ。
(8)地上に床を敷いて伏すべし。これこそ実に八っの項目より成るウポーサタ(斎戒)であるという。
苦しみを修滅せしめるブッダが宣示したもうたものである。
402 そうしてそれぞれ半月の第八日、第十四日、第十五日にウポーサタを修せよ。
八つの項目より成る完全なウポーサタを、きよく澄んだ心で行え。また特別の月においてもまた同じ。
403 ウポーサタを行なった<ものごとの解った人>は次に、
きよく澄んだ心で喜びながら、翌朝早く食物とを適宜に修行僧の集いにわかち与えよ。
404 正しい法(に従って得た)財を以て母と父とを養え。正しい商売を行え。
つとめ励んでこのように怠ることなく暮らしている在家者は、(
死後に)<みずから光を放つ>という名の神々のもとに赴く。」
<小なる章>第二おわる
この章のまとめの句
宝となまぐちと、恥と、こよなき幸せと、スーチローマと理法にかなった行いと
、バラモンにふさわしいことと、船の経と、いかなる戒めを、と、精励と、ラーフラと、
ヴァンギーサと正しい遍歴と、さらにダンミカと─ これらの十四の経が「小なる章」と言われる。
281:名無しさん@京都板じゃないよ
08/02/29 14:50:00
(死後に)<みずから光を放つ>という名の神々のもとに赴く。
282:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:45:33
405 眼ある人(釈尊)はいかにして出家したのであるか、かれはどのように考えたのちに、
出家を喜んだのであるか、かれの出家をわれは述べよう。
406 「この在家の生活は狭苦しく、煩わしくて、塵のつもる場所である。ところが出家は、
ひろびろとした野外であり、(煩いがない)」と見て、出家されたのである。
407 出家されたのちには、身による悪行をはなれた。ことばによる悪行をもすてて、生活をすっかり清められた。
408 目ざめた人(ブッダ)はマガダ国の(首都)・山に囲まれた王舎城に行った。
すぐれた相好にみちた(目ざめた)人は托鉢のためにそこへ赴いたのである。
409 (マガダ王)ビンビサーラは高殿の上に進み出て、かれを見た。
すぐれた相好にみちた(目ざめた)人を見て、(侍臣に)このことを語った。
410 「汝ら、この人をみよ。美しく、大きく、清らかで、行いも具わり、眼の前を見るだけである。
411 かれは眼を下に向けて気をつけている。この人は賤しい家の出身ではないようだ。
王の使者どもよ、走り追え。この修行者はどこへ行くのだろう。」
412 派遣された王の使者どもは、かれのあとを追って行った。
─「この修行者はどこへ行くのだろう。かれはどこに住んでいるのだろう」と。
413 かれは、諸々の感官を制し、よくまもり、正しく自覚し、気をつけながら、
家ごとに食を乞うて、その鉢を速やかにみたした。
414 聖者は托鉢を終えて、その都市の外に出て、パンダヴァ山に赴いた。
─かれはそこに住んでいるのであろう。
283:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:46:49
415 [ゴータマ(ブッダ)がみずから]住所に近づいたのを見て、
そこで諸々の使者はかれに近づいた。そうして一人の使者は(王城に)もどって、王に報告した、─
416 「大王さま。この修行者はパンダヴァ山の山窟の中に、また獅子のように座しています」と。
417 使者のことばを聞き終るや、そのクシャトリヤ(ビンビサーラ王)は
荘厳な車に乗って、急いでパンダヴァ山に赴いた。
418 かのクシャトリヤ(王)は、車に乗って行けるところまで車を駆り、
車から下りて、徒歩で赴いて、かれに近づいて坐した。
419 王は坐して、それから挨拶のことばを喜び交わした。挨拶のことばを交わしたあとで、
このことを語った。─
420 「あなたは若く青春に富み、人生の初めにある若者です。
容姿も端麗で、生れ貴いクシャトリヤ(王族)のようだ。
421 象の群を先頭とする精鋭な軍隊を整えて、わたしはあなたに財を与えよう。
それを享受なさい。わたしはあなたの生れを問う。これを告げなさい。」
422 (釈尊がいった)、「王さま。あちらの雪山(ヒマーラヤ)の側に、
一つの正直な民族がいます。昔からコーサラ国の住民であり、富と勇気を具えています。
423 姓に関しては<太陽の裔>といい、種族に関しては<シャカ族>(釈迦族)といいます。
王さまよ。わたしはその家から出家したのです。欲望をかなえるためではありません。
424 諸々の欲望に憂いがあることを見て、また出離こそ安穏であると見て
、つとめはげむために進みましょう。わたくしの心はこれを楽しんでいるのです。」
284:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:48:22
425 ネーランジャラー河の畔にあって、安穏を得るために、
つとめはげみ専心し、努力して瞑想していたわたくしに、
426 (悪魔)ナムチはいたわりのことばを発しつつ近づいてきて、言った、
あなたは痩せてして、顔色も悪い。あなたの死が近づいた。
427 あなたが死なないで生きられる見込みは、千に一つの割合だ。きみよ、
生きよ。生きたほうがよい。命があってこそ諸々の善行をもなすこともできるのだ。
428 あなたがヴェーダ学生としての清らかな行いをなし、聖火にに供物をささげてこそ、
多くの功徳を積むことができる。(苦行に)つとめはげんだところで、何になろうか。
429 つとめはげむ道は、行きがたく、行いがたく、達しがたい」この詩を唱えて、
悪魔は目ざめた人(ブッダ)の側に立っていた。
430 かの悪魔がこのように語ったときに、尊師(ブッダ)は次のように告げた。
─「怠け者の親族よ、悪しき者よ。汝は(世間の)善業を求めてここに来たのだが、
431 わたしはその(世間の)善業を求める必要は微塵もない。
悪魔は善業の功徳を求める人々にこそ語るがよい。
432 わたしには信念があり、努力があり、また知慧がある。
このように専心しているわたしくしに、汝はどうして生命をたもつことを尋ねるのか?
433 (はげみから起る)この風は、河水の流れも涸らすであろう。
ひたすら専心しているわが身の血がどうして涸渇しないであろうか。
285:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:50:01
434 (身体の)血が涸れたならば、胆汁も痰も涸れるであろう。肉が落ちると、
心はますます澄んでくる。わが念いと智慧と統一した心とはますます安立するに至る。
435 わたしはこのように安住し、最大の苦痛をうけているのであるから、
わが心は諸々の欲望にひかれることがない。見よ、心身の清らかなことを。
436 汝の第一の軍隊は欲望であり、第二の軍隊は嫌悪であり、
第三の軍隊は飢餓であり、第四の軍隊は妄執といわれる。
437 汝の第五の軍隊はものうさ、睡眠であり、第六の軍隊は恐怖といわれる。
汝の第七の軍隊は疑惑であり、汝の第八の軍隊はみせかけと強情と、
438 誤って得られた利得と名声と尊敬と名誉と、また自己をほめたたえて他人を軽蔑することである。
439 ナムチよ、これは汝の軍勢である。黒き魔(Kanha)の攻撃軍である。
勇者でなければ、かれにうち勝つことができない。(勇者は)うち勝って楽しみを得る。
440 このわたくしがムンジャ草を取り去るだろうか? (敵に降参してしまうだろうか?)
この場合、命はどうでもよい。わたくしは、敗れて生きながらえるよりは、戦って死ぬほうがましだ。
441 或る修行者たち・バラモンどもは、この(汝の軍隊)のうちに埋没してしまって
、姿が見えない。そうして徳行ある人々の行く道をも知っていない。
442 軍勢が四方を包囲し、悪魔が象に乗ったのを見たからには、
わたくしは立ち迎えてかれらと戦おう。わたくしをこの場所から退けることなかれ。
286:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/01 16:51:15
443 神々も世間の人々も汝の軍勢を破り得ないが、
わたくしは智慧の力で汝の軍勢をうち破る。─焼いてない生の土鉢を石で砕くように。
444 みずから思いを制し、よく念い(注意)を確立し、国から国へと遍歴しよう。─教えを聞く人々をひろく導きながら。
445 かれらは、無欲となったわたくしの教えを実行しつつ、
怠ることなく、専心している。そこに行けば憂えることのない境地に、かれは赴くであろう。」
446 (悪魔はいった)、
「われは七年間も尊師(ブッダ)に、一歩一歩ごとにつきまとうていた。
しかもよく気をつけている正覚者には、つけこむ隙をみつけることができなかった。
447 烏が脂肪の色をした岩石の周囲をめぐって『ここに柔かいものが見つかるだろうか?
味のよいものがあるだろうか?』といって飛び廻ったようなものである。
448 そこに美味が見つからなかったので、烏はそこから飛び去った。
岩石ら近づいたその烏のように、われらは厭いてゴータマ(ブッダ)を捨て去る。」
449 悲しみにうちしおれた悪魔の脇から、琵琶がパタッと落ちた。
ついで、かの夜叉は意気しょう沈してそこに消え失せた。
287:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:03:07
わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師ブッダはサーヴァッティー市のジェータ林、
<孤独な人々に食を給する長者の園>におられた。そのとき師は諸々の<道の人>に呼びかけられた、
「修行僧たちよ」と。「尊き師よ」と、<道の人>たちは師に答えた。師は告げていわれた、
「修行僧たちよ。四つの特徴を具えたことばは、みごとに説かれたのである。悪しく説かれたのではない。
諸々の智者が見ても欠点なく、非難されないものである。その四つとは何であるか? 道の人たちよ、ここで修行僧が、
[Ⅰ]みごとに説かれたことばのみを語り、悪しく説かれたことばを語らず、[Ⅱ]理法のみを語って理にかなわぬことを語らず、
[Ⅲ]好ましいことのみを語って、好ましからぬことを語らず、[Ⅳ]真理のみを語って、虚妄を語らないならば、
この四つの特徴を具えていることばは、みごとに説かれたのであって、悪しく説かれたのではない。諸々の智者が見ても欠点なく、
非難されないものである。」尊き師はこのことを告げた。そのあとでまた、<幸せな人>である師は、次のことを説いた。
450 立派な人々は説いた─[Ⅰ]最上の善いことばを語れ。(これが第一である。)[Ⅱ]正しい理を語れ、
理に反することを語るな。これが第二である。[Ⅲ] 好ましいことばを語れ。好ましからぬことばを語るな。これが第三である。
[Ⅳ]真実を語れ。偽りを語るな。これが第4である。
そのときヴァンギーサ長老は座から起ち上がって、衣を一つの肩にかけ(右肩をあらわして)、
師(ブッダ)のおられる方に合掌して、師に告げていった、「ふと思い出すことがあります! 幸せな方よ」と。
「思い出せ、ヴァンギーサよ」と、師は言われた。そこでヴァンギーサ長老は師の面前で、ふさわしい詩を以て師をほめ称えた。
288:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:04:03
451 自分を苦しめず、また他人を害しないことばのみを語れ。
これこそ実に善く説かれたことばなのである。
452 好ましいことばのみを語れ。その言葉は人々に歓び迎えられることばである。
感じの悪いことばを避けて、他人の気に入ることばのみを語るのである。
453 真実は実に不滅のことばである。これは永遠の理法である。
立派な人々は、真実の上えに、ためになることの上に、また理法の上に安立しているといわれる。
454 安らぎに達するために、苦しみを終減させるために、
仏の説きたもうおだやかなことばは、実に諸々のことばのうちで最上のものである。
289:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:05:19
わたしが聞いたところによると、─或るとき尊き師(ブッダ)はコーサラ国のスンダリカー河の岸に滞在しておらめれた。
ちょうどその時に、バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、スンダリカー河の岸辺で聖火をまつり、
火の祀りを行なった。さてバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、聖火をまつり、火の祀りを行なったあとで、
座から立ち、あまねく四方を眺めていった、─「この供物のおさがりを誰にたべさせようか。」
バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは、遠からぬところで尊き師(ブッダ)が或る樹の根もとで
頭まで衣をまとって坐っているのを見た。見おわってから、左手で供物のおさがりをもち、右手で水瓶をもって
師のおられるところに近づいた。そこで師はかれの足音を聞いて、頭の覆いをとり去った。そのときバラモンである
スンダリカ・バーラドヴァーシャは「この方は頭を剃っておられる。この剃髪者である」といって、そこから戻ろうとした。
そうしてかれはこのように思った、「この世では、或るバラモンたとは、頭を剃っているということもある。さあ、
わたしはかれに近づいてその生れ(素姓)を聞いてみよう」と。
そこでバラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャは師のおられるところに近づいた。それから師にいった、
「あなたの生まれは何ですか?」とそこで師は、バラモンであるスンダリカ・バーラドヴァーシャに詩を以て呼びかれた。
290:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/03 21:07:08
455 「わたしはバラモンではないし、王族の者でもない。わたしはヴァイシヤ族(庶民)の者でもないし、また他の何ものでもない。
456 わたしは家なく、重衣を着け、髭髪(ひげかみ)を剃り、こころを安らかならしめて、この世で人々に汚されることなく、歩んでいる。
バラモンよ。あなたがわたしに姓をたずねるのは適当でない。」
457 「バラモンはバラモンと出会ったときは、『あなたはバラモンではあられませんか?』とたずねるものです。」
「もしもあなたがみずからバラモンであるというならば、バラモンでないわたしに答えなさい。
わたしは、あなたに三句二十四字より成るかのサーヴィトリー讃歌のことをたずねます。」
458 「この世の中では、仙人や王族やバラモンというような人々は、何のために神々にいろいろと供物を献じたのですか?」
(師が答えた)、「究極に達したヴェーダの達人が祭祀のときに或る(世俗の人の)献供を受けるならば、
その(世俗の)人の(祭祀の行為は)効果をもたらす、とわたくしは説く。」
459 バラモンがいった、「わたくしはヴェーダの達人であるこのような立派な方にお目にかかったのですから、
実にその方に対する(わたくしの)献供はきっと効果があるでしょう。(以前には)あなたのような方に
お目にかからなかったので、他の人が献供の菓子(のおさがり)を食べていたのです。」
460 (師が答えた)、「それ故に、バラモンよ、あなたは求めるところあってきたのであるから、こちらに近づいて問え。
恐らくここに、平安で、(怒りの)煙の消えた、苦しみなく、欲求のない聡明な人を見出すであろう。」
291:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:11:11
461 (バラモンがいった)、「ゴータマ(ブッダ) さま。わたくしは祭祀を楽しんでいるのです。
祭祀を行おうと望むのです。しかしわたくしははっきりとは知っていません。
あなたはわたくしに教えてください。何にささげた献供が有効であるかを言ってください。」
(師が答えた)、「では、バラモンよ、よく聞きなさい。わたくしはあなたに理法を説きましょう。
462 生れを問うことなかれ。行いを問え。火は実にあらゆる薪から生ずる。
賤しい家に生まれた人でも、聖者として道心堅固であり、恥を知って慎むならば高貴のの人となる。
463 真実もてみずから制し、(諸々の感官を)慎しみ、ヴェーダの奥義に達し、清らか行いを修めた人、
─そのような人にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。
464 諸々の欲望を捨てて、家なくして歩み、よくみずから慎んで、梭のよえに真直ぐな人々、
─そのような人々にそこ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。
465 貪欲を離れ、諸々の感官を静かにたもち、月がラーフの捕われから脱したように(捕われることのない)人々
─そのような人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。
466 執著することなくして、常に心をとどめ、わがものと執したものを(すべて)捨て去って、世の中を歩き廻る人々、
─そのよえな人々にこそ適当な時に供物をささげよ。─バラモンが功徳を求めて祀りを行うのであるならば。
467 諸々の欲望を捨て、欲にうち勝ってふるまい、生死のはてを知り、平安に帰し、
清涼なること湖水のような<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
292:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:14:07
生れを問うことなかれ。行いを問え。
聖者として道心堅固であり、恥を知って慎むならば高貴のの人となる。
ヴェーダの奥義に達し、清らか行いを修めた人、
執著することなくして、常に心をとどめ、わがものと執したものを(すべて)捨て去って、世の中を歩き廻る人々、
諸々の欲望を捨て、欲にうち勝ってふるまい、生死のはてを知り、平安に帰し、
清涼なること湖水のような<全き人>(如来)は、
293:名無しさん@京都板じゃないよ
08/03/04 16:15:02
468 全き人(如来)は、平等なるもの(過去の目ざめた人々、諸仏)と等しくして、
平等ならざる者どもから遙かに遠ざかっている。かれは無限の智慧あり、
この世でもかの世でも汚れに染まることがない。<全き人>(如来)はお供えの菓子を受けるにふさわしい。
469 偽りもなく、慢心もなく、貪欲を離れ、わがものとして執著することなく、
欲望をもたず、怒りを除き、こころ静まり、憂いの垢を捨て去ったバラモンである
<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
470 こころの執著をすでに断って、何らとらわれるところがなく、
この世についてもかの世についてもとらわれることがない<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
471 こころをひとしく静かにして激流をわたり、最上の知見によって理法を知り、
煩悩の汚れを滅しつくして、最後の身体をたもっている<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
472 かれは、生存の汚れも、荒々しいことばも、除き去られ滅びてしまって、存在しない。
かれはヴェーダに通じた人であり、あらゆることがらに関して解脱している<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
473 執著を超えていて、執著をもたず、慢心にとらわれている者どものうちにあって慢心にとらわれることなく、
畑及び地所(苦しみの起る因縁)とともに苦しみを知りつくしている<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
474 欲望にもとづくことなく、遠ざかり離れることを見、他人の教える異なった見解を超越して、
何らこだわってとらわれることのない<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。
475 あれこれ一切の事物をさとって、それらが除き去られ滅びてしまって存在しないで、
平安に帰し、執著を滅ぼしつくして解脱している<全き人>(如来)は、お供えの菓子を受けるにふさわしい。