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>その大后息長帯日売命は・当時神を帰せたまひき。故・天皇筑紫の訶志比宮に坐しまして、
熊曾國を撃たむとしたまひし時、天皇御琴を控かして、建内宿爾大臣沙庭に居て、神の命を請ひき。
ここに大后神を帰せたまひて、言教へ覚し詔りたまひしく、「西の方に国有り。金銀を本として、
目の炎耀く種種の珍しき寶、多にその國にあり。吾今その國を帰せたまはむ。」とのりたまひき。
ここに天皇答へて白したまひしく、「高き地に登りて西の方を見れぱ、國土は見えず。
ただ大海のみあり。」とのりたまひて、詐をなす神と謂ひて、御琴を押し退けて控きたまはず、黙して坐しき。
ここにその神、大く忿りて詔りたまひしく、「凡そこの天の下は、汝の知らすべき國にあらず。
汝は一道に向ひたまへ。」とのりたまひき。ここに建内宿爾大臣白しけらく、「恐し、我が天皇、
なほそ、の大御琴あそばせ。」とまをしき。ここに稍に御琴を取り依せて、なまなまに控きましき。
故、幾久もあらずて、御琴の音聞こえざりき。
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