06/03/32 21:35:59
>>269
慈恩大師という人がいます。唐の法相宗の宗祖とされる窺基の尊称です。
西遊記でお馴染みの玄奘三蔵の高弟で慈恩寺を拠点に活躍しました。
それで慈恩大師という大師号で呼ばれていますが、
慈恩寺の寺号も法相宗と関係が深いと思われます。
大乗仏教の二大学派に瑜伽行派と中観派がありますが、
法相宗は瑜伽行派を伝える宗派なので、
インド瑜伽行派の伝説的な宗祖である弥勒菩薩の大恩を称え、
慈恩寺という寺号があるのだと思われます。
(中観派を伝える宗派は三論宗で文殊菩薩が篤く敬われる宗派です)
坂東三十三観音札所の第十二番に慈恩寺という寺が埼玉にありますが、
慈覚大師円仁が開山とされ、
円仁が渡唐して訪れたことのある長安の慈恩寺に周りの風景が似ており、
慈恩寺という寺号をつけたという縁起が伝わっています。
埼玉の慈恩寺は天台宗の寺ですが、
玄奘三蔵の骨を納めた十三重の塔があります。
昭和17年に中国南京で玄奘三蔵の霊骨を発見されました。
日本にも分骨贈与され、首都圏にある慈恩寺ということで奉安され、
昭和25年に十三重の塔を建立しました。
般若心経の訳者としても親しまれている玄奘三蔵ですが、
今日、孫悟空と「ペッパー警部」を踊らされているとは・・・・・・。
(埼玉の慈恩寺では孫悟空のキーホルダーお守りがあるそうです)