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木原雅子,木原正博,BIO Clinica 20 (8):23-28, 2005
厚生労働科学研究「男性同性間のHIV感染予防対策とその推進に関する研究」平成14~16年度総合研究報告書(主任研究者:市川誠一)
木原正博,木原雅子,現代医療 35:60-64, 2003
木原雅子,10代の性行動と日本社会-そしてWYSH教育の視点,ミネルヴァ書房,京都,2006
厚生労働科学研究「HIV感染症の動向と予防モデルの開発・普及に関する社会疫学的研究」平成17年度報告書(主任研究者:木原正博)
HIV-1感染症の予後は1997年のプロテアーゼ阻害剤の認可と多剤併用療法の導入により大きく改善された。逆転写酵素阻害剤2剤
とプロテアーゼ阻害剤1剤を組み合わせた多剤併用療法は大変優れた治療効果を示し、感染者体内のHIV-1増殖をPCRで検出できな
いレベルまで抑制し、末梢血中のCD4陽性T細胞数の回復までも実現した。その結果、欧米およびわが国においてAIDSによる死亡
者数が顕著に減少したことは周知のとおりである。しかし、その一方で、積極的な薬剤の使用は薬剤耐性に陥る症例数も押し上げ
ることとなり、薬剤耐性HIV-1は治療を進める際に最も注意すべき障害となっている。そのため薬剤耐性HIV-1検査は適切な治療を
行ううえで欠かせない検査と位置づけられている。近年、この薬剤耐性変異を持つHIV-1が治療薬の投与を受けている感染者だけ
でなく、新たにHIV-1に感染した未治療感染者からも報告されており、感染源としての薬剤耐性HIV-1の拡散が懸念されている。薬
剤耐性変異をもつHIV-1の増殖能力が野生型に比して低下していることを考えると、新規HIV/AIDS診断症例から検出される耐性変
異が自然に獲得されたとは考えにくく、治療を受けているHIV/AIDS患者からの感染が主な原因と推測される。