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「おばさんと呼ぶな」 那智 文江(主婦 46歳 東京都)
私の友人はそのほとんどが専業主婦の人たちだが、中にはパート勤めなどをしている人もいる。
夫の稼ぎが悪すぎて、致し方なく働きに出ている可哀相な女性だ。同じ女性として同情を禁じを
得ない。先日、そんなパート勤めの友人と一緒にお茶をする機会があった。その時に聞かされた
職場での女性差別について、私は強い怒りを感じた。つまらない作業に没頭していた彼女の耳に、
「わからないことがあったら、そこにいる『おばさん』に聞いて」という同僚の男の声が入って
きたという。アルバイトの学生に仕事の説明をしている同僚の視線は、間違いなく彼女に向いて
いたそうだ。その場の雰囲気で、彼女は学生たちに会釈してしまったが、なぜ、同世代の同僚の
男から「おばさん」と呼ばれなくてはいけないのか納得がいかなかったという。しかも、その男
の同僚からは、一言の謝罪もなかったそうだ。さらに納得がいかないのは、その出来事を話した
ときの同僚の女性たちの反応だったという。「学生から見たら、おばさんかもね。残念だけど、
そういう年になったのよ」とか、「その場で怒っても痛いだけ。あなたの会釈は『大人の対応』
だと思うよ」といった話ばかりで、同僚の男への批判はほとんどなく、彼女や自分たちへの慰め
のような話ばかりが出てきたそうだ。同僚の女性たちも、会社や私生活で似たような体験がある
らしい。だが、たとえ同世代だろうが年下だろうが、他人だろうが肉親であろうが、男が女性を
「おばさん」呼ばわりするなど、明らかに女性への性差別であり、断固として許されないことだ。
我が家でも一度、反抗期の息子が私と言い争いをした際に、私のことを「おばん」呼ばわりした
が、その晩のうちに、息子が寝ている納戸の中に殺虫剤を眼一杯噴射して、お仕置きしてやった。
かつて専業主婦仲間の軽部充子さんから助言されたように、私もその友人に、自分は専業主婦に
なって、夫には死なない程度に多数の副業をさせて、家計の穴埋めをさせるように説得した。