07/04/08 18:39:45 ye6Q2WEJ
・・・・・第31.段階・・・・
「ストックホルムシンドロームだと?」 郷田は唸った。
“人質”とは通常は拉致された人間である。
したがって常識的には、協太郎が由紀恵に共感するはずである。
だが「招待所」の中では逆の事が起きた。
(妻の役割を忠実に演じることを義務付けたのが裏目にでたか・・・・)
郷田は「招待所」に向かった。30㍍ほどの距離だが
郷田が「招待所」に入るまでの間を使って、あらためて郷田を紹介しよう。
郷田正木(ごうだ まさき)49才
先祖代々由緒正しい肉体労働者の家計に生まれたが
彼の母親は、いわゆる教育ママで、自分の老後を息子に依存するのが当然だと考えていた。
兄弟間で、母に対する忠誠心を競わせ、忠誠心が劣るとペナルティを科し
忠誠心が高い息子には、教育費をつぎ込んで出世街道を走らせようとした。
長兄は、そんな母親に反発したために中卒で社会に放りだされたし
次兄も、巧妙な母親の罠にはまって、自ら家出する形式で放り出された。
末っ子の正木は、兄の失敗に学び、母親にへつらうことで平和な青春を送ることが・・・
・・・郷田正木の母親は、正木の恋愛を妨害した。
それによって郷田正木の心に、女性全体への強力な憎悪が生じた
母親の陰謀に学んだ彼は、事件化することなく結婚詐欺を繰り返す事に成功した。
フェーミッシュが低脳犯罪者を採用してると聞き、わざと痴漢を繰り返してもぐりこんだのだった。
・・・・・第32.段階に続く・・・・