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●事件をもとに映画化 周防正行監督
「本を読むと、刑事裁判ってやっぱりひどいよと改めて感じる。もう忘れたいはずなのに、実名で書くのは
すごい選択だ」。周防正行さんは、矢田部さん夫妻が出版に踏み切ったことに驚きを隠さない。
周防さんは4年前、孝司さんが無罪になったことを本紙で読み、本人や弁護団に会いに行った。
孝司さんの美大時代の同級生ら「裁判の素人」が再現ビデオなどの証拠作りに加わり、奇跡的に無罪が出た
話を聞いた。「このままで感動的な映画になる」と思った。
だが、刑事裁判の仕組みを知れば知るほど、「日本の刑事裁判は不公平だ」との思いを強くした。
「『疑わしきは罰せず』の大原則が守られていない。裁判そのものをまるごと見せる映画を作ることにした」
この事件に始まった取材は3年に及んだ。初めて裁判所に足を踏み入れ、15件の裁判を計150回以上
傍聴した。目の当たりにした刑事司法への怒りは、来年1月に公開される映画「それでもボクはやってない」
に結実した。
〈事件の経緯〉孝司さんは00年12月、通勤途中に西武新宿線高田馬場駅のホームで女性に呼び止められ、
強制わいせつ容疑で現行犯逮捕された。起訴され、保釈が認められたのは01年3月。同年12月の一審・
東京地裁は懲役1年2カ月の実刑判決を言い渡した。女性との身長差などから孝司さんの犯行はあり得ない
などとする再現ビデオなどを支援者らと作って証拠として提出。東京高裁は02年12月、「人違い」と認定し、
無罪が確定した。
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