09/04/02 18:54:08 d/qjHiS8O
お互い好きということを確認してからの、初めてのデート。
それまでも二人で出掛けたことはあったけど、やっぱりその日は特別だった。
夜になり、帰り。お互いの家の共通する最寄り駅に到着。まずは駅に近い私の家に向かって歩く。
さっきまでたくさんおしゃべりしていたのに、何故か駅の改札を出てから
彼が一向にしゃべらない。
無言で駅前商店街を並んで歩いていた。もう遅かったから、歩く人の数もまばら。
ゆっくり歩くうちに、いつしか二人きりになってた。雰囲気を変えたくて、私の方から口を開く。
と同時に彼に近付いた瞬間、偶然私の手が彼の手に触れた。
ビクッと体中に電流が走った。
彼の顔は真っ赤でうつむいていた。きっと私も同じだったと思う。
また沈黙のまま歩く。手をつなぐのが恥ずかしくて、彼の服の裾をつまんで歩いた。
もう私の家が近付いていた。
「今日はありがと。楽しかった。」恥ずかしさを抑えて、それだけ伝えて玄関に向かおうとすると、
ひきとめる彼。私のコートの袖をつかんだ。
「ねぇ、目を閉じて。」
素朴だった私、すかさず「ん?どうして?」「いいから。どうしてもっ。」
(クリスマス近いし、何かプレゼントでもあるのかな?)プレゼントを受け取る気満々で
小さく手を差し出すと、「ちゅっ」と、彼がくれたのは唇への軽いキスだった。
「じゃ、またねっ。」恥ずかしそうに走り出す彼。
そりゃそーだっ、なんでプレゼントとか勘違いしてるんだ私!?バカバカバカッ。
初めてのキスの驚きと、変な勘違いをしていた自分への落胆で、その場に
立ち尽くしましたとさ。
そんな純情だった自分も、無事その彼と結婚して、今度子供が産まれますw