09/05/26 13:13:45 ABQ2zsay0
絶望工場。ベテラン出稼ぎ農民の山崎さんは、こう言って笑った。
きのう入った見習い工は、出勤せず1日で遁走か。
「盆と正月の晩には泣き声が聴こてくる」
「あんな怖い工場には地元のもんはだれもいかんよ。死んでまう」
「山崎パンで死んだり、ケガしたりする話は良く聞くけどそれでラインが止まったという話はきかんな」
「一人、二人死んでも生産上がったほうが儲かるからな」
「班長、組長には、手がないのが多いな」
「両手の指を落としてしまって、顔も洗えんという人もおった。水が漏ってしまうでな」
「プレスですべって、アゴひっかけただ。そんで顔がペロッとなくなったのが
いたよ。パン型は血でいっぱいだったとよ」
「昼休みに、パン焼き窯を掃除しててよ、あとでスウィッチ入れたら、骨や金歯が出て来たのもあるよ。
一人行方不明になってしまって。でもニュースにはならん」
「期間工でイースト槽の中に落ちたのがいたぞ。こんなに発行して、もうパンパンだったよ。可哀想にな」
昼休み時間、班長から洋菓子の工場で左手親指をつぶす事故が発生したとの報告。
その後、何事も無く作業へ。
鎌田慧著「小麦粉絶望工場」(山崎製パン工場の現場体験記)より