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福岡との都市間競争に勝てず、小倉伊勢丹撤退
大手百貨店の伊勢丹が、経営不振にあえいでいた小倉伊勢丹からの撤退を決めたことは、
北九州市の集客力が伸び悩んでいることをまざまざと印象づけた
北部九州の集客力争いは福岡市・天神の独り勝ちになりつつある
小倉地域の市街地活性化の期待を受けて船出した「ファッションの伊勢丹」も、足元の地盤沈下と、激しい都市間競争に勝てなかった
2004年に開業した小倉伊勢丹は、小倉の経済活性化の切り札として、地元企業などが売り場を買い取る会社を設立してまで誘致に奔走した経緯がある
しかし、個人消費の回復の遅れから業績が伸び悩み低迷が続いた。特に客層として狙った20~30代の女性層を十分に獲得できなかったことが響いた
伊勢丹ブランドに集客増の期待をかけたが、そもそも北九州市の人口が減少しているのに加え、近隣の顧客も福岡市・天神に奪われ、勢いを失った
小倉伊勢丹は、ライバルの井筒屋から30%の出資を受けるなど、元々いびつな資本構造だった
そのため井筒屋に配慮して、経営の自由度が制限された面もあった
富裕層などを対象にする外商部門を持てなかったことも大きく響いた
一方引き受け側の井筒屋は、近隣に2店を構えることになり店舗のすみ分けなど難しいかじ取りを迫られることになる
小倉伊勢丹はJR小倉駅の正面に立地する街のシンボルだ
しかし、「北九州市は(福岡に対抗するには)消費のパイが小さく、差別化が難しい」
(松島慶祐・九州経済調査協会研究員)との見方が強く、再生までの道のりは険しい
井筒屋はかつて、そごうとの競争の結果、1998年2月期に連結ベースで累積赤字が130億円に膨らみ、経営不振に陥った
中津店(大分県中津市)、大牟田店(福岡県大牟田市)を相次いで閉鎖したが、その後の小倉そごう、黒崎そごうの閉店が追い風となり、業績を急回復させた
黒崎そごう跡には現在、井筒屋黒崎店が出店しており、北九州市では小倉本店との2店体制を築いている
井筒屋は福岡市・JR博多駅にあった博多井筒屋を閉店させたが、来年10月には山口市に「山口井筒屋」の出店計画を表明するなど攻めの投資が続く
だが、消費地として縮小が懸念される北九州市で、3店もの百貨店を抱えることに、「経営にかなりの工夫が必要になるのでは」と心配する声もある