09/07/20 17:26:54 JARdARUF0
◆アメリカ経済は回復するが、日本は回復しない
世界銀行が6月22日に、OECDが6月24日にそれぞれ世界経済見通しを発表した。
この2つの見通しはきわめて似通っている(【図表4】参照)。09年の日本の実質成長率は、どちらの見通し
でもマイナス6.8%となっている。これは、日本政府の見通しマイナス3.3%とは大きく隔る。世銀見通しの09年の
日本の数字は、表に掲げられたなかでは、ロシアに次ぐ最悪の数字だ。OECDの見通しでは、日本は加盟
30カ国中、アイルランド、アイスランド、メキシコに次いでワースト4位である。
【図表4】実質経済成長率の見通し(単位:%)
URLリンク(diamond.jp)
国際機関も各国政府には配慮している。だから、これらの見通しは、楽観的なバイアスをもっていると見る
べきだ。実際、どちらの見通しも2010年には日本の成長率はプラスに転じるとしている。これは、経済対策の
効果を考慮した結果であろう。国際機関としては、各国の経済政策に効果がないとは言えないのだ。しかし、
分析者が日本の経済対策の本当の内容を知っているのかどうか、疑問に思わざるをえない。
日本の将来がはっきり見えない半面で、アメリカ経済は回復してゆくと予想されている。世銀の予測を用いて、
アメリカの実質GDPを計算すると、 2011年には07年より2.3%高い水準になる。ところが、日本の実質GDPは、
2011年になっても07年より5%ほど低い水準にしか回復しないのである。
今年の初め頃には、「アメリカ型資本主義が駄目になった」という人が多かった。そして、「いまこそ日本の
出番だ」という意見も見られた。しかし、実際には、その逆の事態になる可能性のほうが大きい。