06/04/05 18:38:05 elFzdp7T0
>>110
97年夏。大店法の見直しを検討する国の合同会議の委員3人は欧州各国を視察した。
結果を報告する「委員限り」の資料が残っていた。
パリのフランス建設省。大型店の出店を規制するロワイエ法について委員が
「競争の自由を害しないか」と尋ねると担当者は「近隣に小売業がなくなるのは困る」と答えた。
「消費者は安い方が良いだろうが価格だけの問題ではない。大型店は都市中心部から離れ、
自動車や大型の冷蔵庫を持つ必要があり、街の高齢者には不便だ」
フランスは規制緩和どころか、96年にはロワイエ法を強化したラファラン法を制定している。
やはり郊外への大規模店の出店を規制するドイツのベルリン市。
「食料品は自動車なしで買い物ができるようにすべきと考えている」
合同会議は欧州の実情を重く見た。ではなぜ現実は逆に向かったのか。
97年12月、合同会議は最後の4回の議事録を非公開にした。毎日新聞が入手した議事録にはこんなやりとりがある。
「大店法という船から新しい船に乗り換えよう。冷たい海に飛び込むのではなく、新しい船を用意している」(議長の故田島義博・学習院長)
「なぜ年内の結論にこだわならければいけないのか。生活がかかっている中小商業者に、
姿が見えない船へ飛び乗れといっても説得不可能だ」(谷村昭一・日本商工会議所参与)