10/06/28 15:30:41
作家になりたくてもなれないのは、社会システム上当然でしょう。
その原因を三つ挙げます。
一つは同人誌がなくなりつつあることです。
単に作品を頒布するのではなく、文学に対しての姿勢を派閥の形で現したのが同人誌の目的です。
（ホトトギス・新思潮・白樺など）
同人誌の減衰は、文学への身投げを本望としている作家がなくなり、
他の媒体で作家個人の個性が重んじられてしまったことに原因があります。
二つ目は、作家の派手さです。
番組に出たり、講演会に出たり、売れっ子作家は左ハンドルのクルマにの乗る。
豪邸を拵えている。メディアがはしゃぎまくるので
「自分もそうなりたい。」と考えている人は続出します。
そして明らかにそういうい憧憬を抱いている人は自分の負の遺産を作品に投影するんですね。
しかしそれは自伝に過ぎず、大衆に人間関係の中で生じる様々な葛藤を描いているとは言えないんです。
読者の世界に飛び込んで読者の心理を振り回して「君はどう思う？」という作品がないんです。
あるのは多くの読者が持っている共感のみであって、
その共感がなければ豪邸は荒ら家になるだけです。
しかし一度つかんだ栄光を逃してはと、作家がタレントになっています。
それが作家の生きる道と多くの人に勘違いされているのが問題です。