10/01/28 09:29:56
>>55 (承前)
●窓にご注意
盗賊の隠れ家は、ある山の北斜面にある小屋だった。
ジャンクたちは、小屋に窓がある斜面側から回り込んでいる。
不知火が、そっと呪文をつぶやき、指先で宙に図形を描きあげる。
アルファ、折才、緑山の体に神秘的な暖かみがみち、防御魔法がかかる。
ジャンクは壁に張り付き、窓にわずかばかり顔を寄せた。
窓のすぐ下に姫が縄で縛られて倒れている。生きてはいるようだ。
反対側の入り口近くに二人の男が座り込んで、カードで遊んでいる。
たしか、入り口の外にも一人見張りがいた。
四人はいたはずだが、と気になる。
まぁ、ええわ。むしろチャンスや。
ジャンクは手振りで、この窓から突入するという意図をオマエラに伝える。
異論はない。奇襲を提案したのは、オマエラだからだ。
まず、折才が上の窓枠に手をかけて、振り子のように窓を通り抜ける。
続けて、窓の外からオマエラがエレメント銃を乱射する。
窓の下に倒れている姫に当たる心配はない。
盗賊はそれぞれ剣と戦斧をとるが、状況を把握することができない。
その隙に、オマエラの援護を受けながら、アルファ、不知火、ジャンクの順に侵入する。
折才とアルファが前線を築き、不知火がその援護の体勢を整えると、ジャンクは姫の縄を解きながら、ざっと状態を確認する。
暴力をふるわれた痕はない。
さらに、オマエラが侵入してジャンクが姫を保護したのを確認する。
最後に殿軍を守った緑山が侵入する。
盗賊の側は、槍を持った男が入り口から入ってきて、三人で体勢を整える。