10/01/28 09:27:27
>>55
雪化粧とけぬ山々を湖が映す。
仕事を終わらせたら、ここでゆっくりするのも良い。
不知火しい(PC03)は、仲間たちから離れた場所で、そんなことを考えていた。
●足跡は語る
「まず、姫さんはたいした抵抗もできんと捕まっとるわ。それを二人で担いどる。他に、二人分の足跡があるな」。
蛇の道は蛇。
足跡を調べ始めたジャンク・ライデン(PC05)は、まるで魔法のように誘拐の状況を解き明かす。
感心しながら聞いているアルファ・パーソン(PC01)と、適材適所で当たり前という表情のオマエラ・チネ(PC06)をみて、緑山光(PC04)は、救出を依頼してきた爺への二人の対照的な態度を思い出していた。
「姫が攫われただと!」
アルファは、まっさきに立ち上がって、俺達に任せてくれれば大丈夫だ、「悪い事する奴は俺が許さないぜ!」と約束した。
オマエラのほうは、むしろ、それで少し安心したらしい爺が「救出することは前提ではございますが、皆様からも世間の厳しさを…」をなどと言い出したのを、聞き捨てならなかったらしい。
「はぁ? 何いってんの?」そもそも、あんたが甘やかすからそういうことになったのではないか…
「おーい」。折才凶(PC02)の声で、緑山はわれに返った。
仲間たちは森の獣道に入っていこうとしている。
よし、がんばろう。緑山も仲間たちの後を追う。