09/04/15 23:18:22
酒見賢一の『後宮小説』で、皇帝の正妃になるヒロインがまだ色気も素っ気もない子どもなんだけど、
彼女が童女だからっていうので一向に手を出してこない皇帝(つまり夫)と、
「私が産女(メンスのある女)になったらどうすんの?」
「その時は抱くまでよ」
というような会話を(ふたりで菓子を食らいながら)するんだ。
で、その後、皇帝が捕まって処刑されそうになって、ヒロインは命を懸けて最後に一目会いに行くんだが、
会えたはいいものの何も言えなくなって、
ただ一言「私は産女になりました」
と言う。(抱いてくれという意味)
その作品の中での、それまでの文脈を踏まえた「I love you」の伝え方というのはぐっとくるよな。
言葉の力と物語の力で効果を高めあうような表現をいろいろ考えてみたいなーと思う。