09/01/07 23:54:53
新崎『日陰の虫』
純文学を意識した、という割には全体が淡白すぎる。
行動、心情の描写が雑になってしまっていて全体の印象が希薄になっている。
全体の文字数が千文字以下の上に、ピッタリの文字数というものも意識していないのだからもうワンセンテンスを足すだけでも作品への印象を濃くすることが可能なはず。
冒頭の『笹山(仮)』という表記も余計だし、冒頭の会話内容も後に続く部分が無くなってしまっている為、結果的に不要に。
タイトルからして冒頭に結論を持ってきているようだが、だとすれば後半の全てが蛇足になっている。
後半の行動を前半に持ってきて、笹山の行動原理を明確に際立たせるような構成をした方が読む側に『何がテーマなのか』を理解させやすいのではないだろうか?
無闇やたらに難解にさせるのが文学ではないし、一部分だけを切り取ってしまうのも文学とは呼び難い。